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ルノ
天使の子供。あだ名は『ムノウ』一応飛べるが長くは持たない。悪魔とはあんまり喋った事ない。
アシェル
悪魔の子供。天使の世界に荷物を届ける配達屋。天使はキラキラしてるから好き。能力は、傷を治すこと&洗脳愛用の鎌を持ってる。
―――――――――――――――
此処は悪魔と天使が共存している世界。
1つの通路を境に、天使の住む世界と 悪魔の住む世界が別れている。
(まぁ…僕は此処を通って天使に 荷物を持って行くだけなんだけど…)
今日もきっと暇。明日も。これからも……
ドンッ
(え、何かぶつかった)
チラッ…
荷物の隙間から覗いたら、天使の子供が足を怪我して泣いていた。
(あれ、天使って…傷治るんじゃ…)
ア「あ…えっと、…大丈夫?」
あ。天使には敬語使わないとなのに。
ル「…大丈夫だよ」
でも、この子は天使みたいにキラキラじゃ無かった。しかも、服はボロボロ羽は毛並みが揃っていなかった。
天使は悪魔より位が上だ。
人間⇒悪魔⇒天使⇒神の順で位が高い。
…というか、此処は天使が居るべき場所ではないはず…。
(だって、境だし)
ア「なんで、君は此処に…」
ダダダ…
「いたぞ!ムノウ!」
「こんな所に…ほら、行きましょ?」
「怖くないよ〜」
「…君は?」
ア「え…僕は…」
「嗚呼、悪魔の子供か。荷物を 運んでいるんだな?ご苦労さま」
ア「ありがとうございます」
この人達は、大天使様。天使の中で最も位の高い天使。
「ムノウ、こっちに来なさい その子に迷惑だろう?」
『ムノウ』とは、天使の世界で使われる言葉。
天使は大体の者が生まれながらにして能力を持っている。自然、治癒、幻覚、炎、水…など種類は色々ある。
…が、ごく稀に能力を持たずに生まれる天使がいる。
その子供を
『ムノウ』という。
(つまり、この子は…)
ル「…ムノウ…。私、…生まれなかった 方が良かったのかなぁ…」
天使の世界は厳しい。ムノウの子は能力を持っていない為、役には立てない。
だから、大天使達は平気でムノウの子供を排除する。
…それが、当たり前だから。
ル「…死にたくないなぁ……」
さっき、僕が荷物をぶつけたから…じゃない、今の状況に天使の女の子は静かに泣いていた。
“死にたくない”
その言葉が胸の奥に刺さる。
…昔、仲良しの天使が居た。
ーーーーーーーーーー
ア「タチア、遊ぼ〜」
タ「アシェル!」
その子の名前はタチアと言った。タチアは、『ムノウ』の天使だった。
でも、何とか隠し通して、生き延びていた。
タ「何するの?」
ア「ん〜…おうち来る?」
タ「やったぁ!…いいの?」
ア「僕の親、遅くまで配達してるから」
僕の家は代々配達屋だ。給料もそこそこ高いから、まぁいい。
△△△
コンコンっ
タ「アシェル〜、来たよ」
ガチャっ…
ア「あ、いらっしゃい。あがって」
タ「お邪魔しま〜す…」
ア「ん、お菓子あげる」
タ「わぁーい♪ありがと〜」
タチアはよく僕の家に来ていた。悪魔の家だけど、僕の家は人間達の家と見た目はほぼ一緒だ。
ア「ねぇ、タチアはなんで 僕と遊んでくれるの?」
僕には、この時友達が居なかった。…遊んでくれていたのはタチア1人。
タ「…え、だって、楽しいもん アシェル優しいし、話すの楽しい」
ア「…そっか」
それしか返せなかったけど、物凄く嬉しかったのは覚えてる。
こんな日が、いつまでも続いたらいいなって思ってた。
…でも。
その日の1週間くらい後かな。
タチアが行方不明になった。
…僕は嫌な予感がした。
天使の世界にはいって、直ぐに処刑場に向かった。
…タチアはムノウの天使だからバレたら排除される事くらい幼い僕でも分かってた。
ア「…はぁ…はぁ……っ!」
着いた時には、タチアはボロボロで
処刑寸前のところだった。
ア「た…タチア!」
タ「…アシェル…」
ア「なんで、なんでこうなったの!?」
タ「…ごめん、アシェル。 此処に迷い込んじゃって、 監視人の人に、 ワープで帰りなさいって言われたの。 でも、私…ムノウだから ワープ出来なかったの…だから バレちゃったぁ…。」
半泣きでタチアは言った。
ア「うそ…なんで、なんでよ ムノウだからって何が悪いの? 生きてるだけで殺されるなんて…」
そんなの酷いよ
タ「…ごめん、ごめんね…アシェル…」
ザ…ザッ…
『処刑の時刻です』
放送が言った。
鎌が、上から降ってきた。
「タチア…!やめてよ、待ってよ!!」
「……死にたくない…なぁ」
ズシャっ
その後、タチアは居なくなった。僕は…そのまま生きてる。
(なんで…死ななくちゃいけないの…)
ムノウの天使と言うだけで排除される。
それが、僕は…嫌だった。