テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
無気力組はアイドルだった第12話「合宿最終日」
合宿最終日。
朝から体育館はいつも以上に騒がしかった。
「今日で終わりかー!」
木兎が叫ぶ。
「うるさい」
蛍が淡々と返す。
「寂しいじゃん!」
「はいはい」
6人もいつも通り練習の準備をする。
ただ、一つだけ違う。
もう誰も6人の秘密を知らないふりをする必要がない。
「けい!」
「ん?」
「今日撮影あるんだろ?」
黒尾が聞く。
「はい。昼からです」
「けんも?」
「俺も」
「最終日なのに忙しいな」
「まあ、いつものことなので」
けいが笑う。
最後の練習
「ラスト、ゲーム形式!」
監督の声。
「はい!」
各校がコートへ入る。
6人もそれぞれのチームに分かれる。
ボールが飛ぶ。
スパイク。
レシーブ。
ブロック。
トス。
最後の日だからこそ、全員がいつも以上に真剣だった。
「けい!」
けいがボールを上げる。
「任せて!」
スパイクが決まる。
「ナイス!」
「もう一本!」
今度はけん。
「ここ!」
正確なトス。
「ナイス!」
りんもブロック。
蛍も止める。
あきも拾う。
かいが全体を見ながら指示を出す。
「……やっぱり6人だと強いね」
黒尾が言う。
「幼なじみだから」
りんが笑う。
昼
最後の練習が終わる。
「ありがとうございました!」
体育館に拍手が響く。
そして、けいとけんは撮影へ。
今回は合宿所内の別の場所で映画撮影。
「けいさん、お願いします」
「はい」
藍夏
438
7,642
けんも準備に入る。
もう周りに隠す必要はない。
とはいえ、撮影中は真剣そのもの。
「本番!」
けいが主人公としてカメラの前に立つ。
昨日まで撮影していたシーンの続き。
そして、けんの役が主人公の隣に立つ。
「もう一人じゃないだろ」
「……うん」
「俺たちがいるから」
「カット!」
監督が笑う。
「OK!」
撮影終了。
「お疲れ様でした!」
けいとけんが戻ってくる。
夕方
荷物をまとめる時間。
6人が部屋に集まる。
「終わっちゃったね」
かいが言う。
「一週間早かった」
りんが窓の外を見る。
あきが笑う。
「最初、バレるとは思ってなかったけど」
「俺も」
蛍が頷く。
「まさか映画の撮影からバレるとはね」
けいが笑う。
「でも、バレたのはちょっと楽」
けんも頷く。
「隠すの疲れるし」
「じゃあ帰ったら?」
りんが聞く。
「普通にチョコレート?」
「もちろん」
6人が笑う。
そして最後の夜
荷物をまとめ終えたあと。
6人は体育館へ向かった。
誰もいない。
最後だから、少しだけバレーをする。
「最後の一球!」
あきが叫ぶ。
けいがトス。
あきが打つ。
――バンッ!
ボールが床に落ちる。
「終わったー!」
「お疲れ」
蛍が笑う。
その瞬間。
「……なあ」
黒尾が体育館の入口から顔を出す。
「せっかくだし、最後にチョコレートの6人で写真撮らない?」
6人が顔を見合わせる。
「いいね」
りんが笑う。
みんなで並ぶ。
バレー部員たちも集まる。
シャッター音。
パシャッ。
合宿最後の一枚。
バレー部員としての6人。
アイドルとしての6人。
そして俳優としてのけいとけん。
全部ひっくるめて――
最高の一週間だった。
てか皆さんいいねするの早すぎます!
終わりです!ありがとうございました!(´▽`)
コメント
3件
面白かったです!
感想、ありがとうございます!「最終話」というタイトルでドキッとしましたが、まだ10話目なんですね。合宿最終日ということで、なんだか寂しいような温かいような気持ちになりました。 特に「もう誰も秘密を知らないふりをする必要がない」という一文がすごく好きです。隠さなくていいって、すごく解放感がありますよね。最後にみんなで写真を撮ったシーン、ほっこりしました。いいお話をありがとうございます!続きも楽しみにしていますね🌷