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深い深い暗闇に沈んでいる感覚。
嫌、沈んでいる。
それでも私の事を諦めないで手を差し伸べて救ってくれたのは…いつも、いつも……
貴方達だったね。
『絵名…大丈夫かな』
ボクと奏、まふゆは絵名の意識が戻らないのを心配していた。
目には隈が出来てるし…絶対、ぜーったいボク達に隠してる事…あるよね?
「そういえば…瑞希、私達に連絡してくれてありがとう」
『そりゃあ大切な仲間が倒れて救急車で運ばれて病院に居る~って事は言っておかなきゃでしょ!』
「……それもそうだね。」
「…でも、瑞希は変わったと思う……」
『え?変わった…って?』
「…前までの瑞希なら、1人で抱え込んでた事もあったから…頼ってくれて、嬉しい……と思う」
『! 』
『…確かに、そうだね~……最近自分でも実感するよ…』
ボクが感傷に浸っていると、突然絵名が目を開けた。
「ん……ん…、?」
『絵名!?』
「絵名…!大丈夫!?」
「…目、覚ましたね。……何があったか覚えてる?」
「え…何で、皆、此処に……ってか、あれ、私…何で…………………あ、そっか…そうだったね、」
『も~心配したんだからね!!』
「ごめんってば…」
「絵名のお母さんとお父さん、弟さん呼んでくるね」
「あ、彰人達も来てるの…?……ありがと、」
『だってそりゃあ呼んだよ!家族じゃん!?』
「…そう、ね……」
絵名は何か言いたげに俯いた。
『__で、絵名…一段落したから聞くけどさ』
「…何」
絵名のお母さんとお父さん、弟くんがお昼を買いに行って、病室にはニーゴメンバーしか居なくなった時。ボクは尋ねた
『…ボク達に、言ってない事……あるよね』
「、!」
「…………うん、やっぱ、分かる…よね」
絵名はぼーっと窓の外を見つめた。
もうすっかり夕方で、空は東雲色になっていた。
「…辛い事があるなら、私達に言って欲しいな。」
「…うん、言って。その方が、スッキリするかもしれない。」
「っ……、」
「…ごめん、それは、まだ……無理…かも、」
絵名はボク達の方を絶対に向かない。
ただただ東雲色の空を見つめている。
『そっか…。………でも、話したくなったら何時でも言ってね!今度は…ボクが、……いや。ボク達が待ってるから!!』
「っ…!」
絵名は一瞬。ほんの一瞬、ボクの瞳を見た。
「……、わかった…、」
「うん、何時までも待ってるよ。」
「…いつか、話してね」
「分かってる…!………待たせる事になるかもしれないけど、それでも…待ってて、くれるの……?」
『あったりまえでしょ!?』
「うん、ずっと待ってる。」
「ふふっ、心配しなくても大丈夫だよ。
私達は何時までも待ってるから」
『……ありがとう、』
絵名は少し微笑んで、やっと此方を見てくれた。
少しだけ緊張が解けたような笑顔で、優しく、優しく微笑んでいた。