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撮影が始まって一か月。莉子は、勇斗への気持ちを隠さなくなっていた。
撮影終わりに二人きりで食事に誘う。
SNS用の写真を撮るとき、自然に肩を寄せる。
インタビューでも、勇斗の名前を何度も口にする。
そして、仁人に対しては、少しずつ態度が変わり始めていた。
ある日の撮影現場。
仁人は、次の撮影スケジュールを確認していた。
💛「白石さん、次のシーンは15分後です。衣装の確認をお願いします」
🌸「……はーい」
莉子はスマホを見たまま返事をした。
💛「白石さん?」
🌸「聞こえてますけど」
仁人は少し戸惑った。
💛「……では、衣装部の方にお声がけしておきますね」
🌸「いちいち言わなくても大丈夫です」
冷たい声。
仁人は一瞬だけ目を伏せた。
💛「……失礼しました」
その様子を、少し離れた場所から勇斗が見ていた。
🩷「……莉子ちゃん?」
🌸「あ、ごめんね!ちょっと疲れてて」
莉子はすぐに笑顔に戻った。
🌸「勇斗くん、次のシーン頑張ろうね!」
勇斗は何か言いたげだったが、撮影スタッフに呼ばれてその場を離れた。
莉子はその背中を見送り、仁人へ視線を戻す。
🌸「……ねえ、吉田さん」
💛「はい?」
🌸「勇斗くんって、誰にでもあんなに優しいんですか?」
💛「……そうですね。基本的に、周りをよく見ている方だと思います」
🌸「ふーん」
莉子は少し笑った。
🌸「この前”2人で”遊び行ったとき、勇斗くんからすぐに吉田さんの話が出てきたから、」
🌸「吉田さんって、勇斗くんのこと、よく知ってるんですね」
💛「担当なので」
🌸「……それだけ?」
仁人は答えに詰まった。
莉子は、にこりと笑って続ける。
🌸「あんまり、勘違いしない方がいいですよ」
💛「……え?」
🌸「マネージャーとタレントって、距離感が大事じゃないですか」
仁人は、何も言えなかった。
莉子はそれ以上何も言わず、撮影場所へ向かっていった。
仁人はその場に立ち尽くした。
胸の奥に、嫌なものが沈んでいく。
それでも、仕事を止めるわけにはいかなかった。
その日の夜。
撮影が終わり、仁人は一人で機材や資料の確認をしていた。
ほとんどのスタッフが帰り、静まり返った控室。
💛「……あれ?」
机の上に置いていたはずの、明日の撮影スケジュール表が見当たらない。
鞄の中も、ファイルの間も探したが、どこにもない。
💛「嘘でしょ……」
明日は早朝から地方ロケ。
出演者全員の移動時間や宿泊先が記載された、大切な資料だった。
慌てて別のスタッフに確認しようとした、そのとき。
🌸「あれ?吉田さん、まだいたんですか?」
振り返ると、莉子が立っていた。
💛「白石さん。どうかしましたか?」
🌸「忘れ物しちゃって」
莉子はそう言いながら、仁人の机をちらりと見た。
🌸「……何か探してるんですか?」
💛「明日の資料がなくなってしまって」
🌸「えー、大変ですね」
まったく心配していないような声だった。
💛「どこかで見かけませんでしたか?」
🌸「さあ?私、知りませんけど」
🌸「そんなに大切な資料無くすなんて、マネージャー失格なんじゃないですか?」
🌸「管理とかちゃんとしたらどうです?」
莉子は笑顔で答える。
そして、何事もなかったように控室を出ていった。
仁人は深く息を吐き、再び資料を探し始めた。
少しカチンときたのは心の奥底にしまっておこう。
💛「はぁ…ないじゃん…」
💛「データも飛んでるし…」
結局、その夜は事務所に残って、スケジュールを一から作り直すことになった。
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コメント
3件
くそいらつく!!!!なにしとんねん!!!
わあ…第17話、読み終えたよ!!😭💕 莉子ちゃんの仁人さんに対する態度、完全に「好き避け」じゃなくて敵意に変わってきてる…?あのスケジュール表の件、まさか莉子ちゃんが隠したとか…!?💦 仁人さんの「カチンときたのは心の奥底にしまっておこう」って地の文にめっちゃ胸がギュッてなったよ…プロ意識の塊すぎる…🥺 次どうなるか気になりすぎる〜!!🔥