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お人好しも、ここまでだとただの馬鹿だ。


「あ、明日は晴れるといいね。そうだ!!てるてる坊主を作るかぁ。」


また、変なことを言ってくるので、私はバレないように溜め息をつく。


しかし無視するわけにもいかないので、一刻も早くこの場所を立ち去るために、手の動きを早める。



「…天気予報、見ていないんですか?晴れるみたいでしたけど。」


「ん?そ、そうだったけかぁ?いやぁ、今日はたまたま見るの忘れちゃって…それなら必要ないか。」


「…店長。」


電卓の電源を切って店長を真っ直ぐに見つめる。たったそれだけのことで、店長は嬉しそうに顔を輝かせる。


やっと反応してくれたからだろうか。締まりのない表情。


…本当に、苛々する。


「ん?なになに?どうしたんだい?」


「店長って…どこまでバカなんですか?」


――ゴツン!!――


瞬時に、鈍い音が響き渡る。あまりのショックに店長が、自分のパソコンに思いっきり額をぶつけたみたいだ。


その間抜けっぷりに驚きながらも、あえてそこには触れずに言葉を続ける。


「だって、普通なら店長にあんな態度とった相手に話しかけたくなくなるじゃないですか。なのに、その日から急に話しかけてきましたよね。不自然なくらいに。それまで、大して親しくもなかったのに。」


店長は、額を押さえながら「いてて…」と、呻いてから苦笑いする。



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