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はは、悪いのは俺の方だったよ。あれから考えたんだけど、確かに君の気持ちを考えていなかった。軽はずみな発言で、傷つけちゃってごめんね。」
「………別に傷ついていませんけど。」
私が素っ気なく返すと、店長はムキになって身を乗り出してきた。
「いいや!!そんなことはないはずだ!!それで、気づいたんだ。俺は君のことを何も知らない。だから傷つけちゃうんだなぁって。だからさ、もっと知っていこうかなって思う。」
にこって笑って再びパソコンに向かう店長。
ああ、なるほど。だから最近、やたら話しかけてくるようになったのか。
……馬鹿みたい。知ってどうするの?他人なのに。私の心は少しも動かなかった。
私は、ふ、と嘲笑うように口元を緩める。
「そんなの、何の意味もないですよ。どうせもうすぐ辞めるんですし。それに…」
そこで、立ち上がって店長を真っ直ぐに睨み付ける。
「馴れ合いとか、大嫌いですから。」
「大嫌い」の部分を強調して言ってから、返答を待たずに事務所を出ていこうと扉を開ける。
ちょうどその時、同じレジ部の人がこっちに入ってくるのと鉢合わせる。
「あ、藤塚さん上がり?お疲れー。」
聞かれたかも、と一瞬顔が強張ったのを感じたが、そんな様子は全くない。
私は、さっきまでの態度を180度変えて、にっこりと人懐っこい笑顔を浮かべる。
「はいっ!!お先でーす!!店長も、お疲れ様でしたー!!」
間抜けに、口を開けたまま固まっている店長を置き去りにして、出ていく。