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ユキ/合唱コン疲れで3日程休み
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夜。
俺がベッドに横になっていると、まろが隣に潜り込んできた。
「あーにき」
「ん」
「明日も一緒におってな」
「おるよ」
「明後日も?」
「うん」
「来年も?」
「…うん」
まろが小さく笑った。
「ずっと?」
俺は天井を見たまま答えた。
「まろがそうしたいなら」
「俺はずっと一緒がええ」
「そっか」
「あにきがおじいちゃんになっても、ずっと。」
「うん」
「ずーっと、俺だけのあにきでいてな」
まろの腕が俺の腰に回ってくる。
いつもの冷たい手、だと思ったのに、なのに…温かかった。
あたたかいように感じた。
昔は、その温度さえも気持ち悪かった。
もう、今は何も感じない。
「…あにき」
「なに」
「俺のこと、嫌い?」
「分からん」
「じゃあ好き?」
「分からん」
「…そっか」
まろの声が小さくなっていく。
『俺は好きだよ』
何度も聞いた言葉。
何度も繰り返された言葉。
何年も、何年も。
『世界で一番好き』
俺はその言葉から逃げるようにゆっくり目を閉じた。
「おやすみ、あにき」
「うん。おやすみ、まろ」
暗闇の中で、額に柔らかいものが触れる感覚がした。
そして、俺にしか聞こえないくらい小さな声で呟いた。
「明日も、俺のこと好きになってな」
返事はしなかった。
しばらくすると、規則正しい寝息だけが聞こえるようになった。
まろの寝顔を見ると、まろは幸せそうに微笑んだ。
俺はもう逃げない。
俺はもう抵抗しない。
俺はもう、まろを拒絶しない。
まろにとって、それはきっと、愛が叶ったということだった。
俺が最後に何かを願ったのは、いつだっただろう。
何かを欲しいと思ったのは、いつだっただろう。
まろに愛されていることすら、もうどうでもよくなってしまったのは、いつからだっただろう。
誰も知らない。
俺自身も、もう覚えていなかった。
ただひとつ確かなのは、
明日もきっと、鍵の開く音がするということ。
そして俺は、その音を聞いても何も思わないということだった。
「愛してるよ、あにき」
「…うん」
その呪いのような言葉に、まろは今日も救われた気になっていた。
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