あいに嫌われた男の子
👮「…翠君、その時のこと、覚えてる所までで良いから教えてくれない?」
shk「はい。」
俺は、その時の犯人の行動、母さんの状態等を、全て教えた。
👮「…お母様は、人に恨まれるような性格じゃなかった…」
👮「…分かった。後は此方で調べておくね。 」
shk「…はい。」
ボフッ
色々と終わり、部屋のベッドに飛び込んだ。
…大人サイズの大きいベッドだ。
shk「…疲れた…」
警察署は、ベッドもふかふかで、ご飯も美味しいけど、何か物足りない。
shk「上川 ミナト…」
…聞いたこと、ある筈なんだけどなぁ…
shk「…何で思い出せなくなっちゃったんだろう。」
…俺は、母さんに貰った腕時計を見つめた。
shk「…もし俺に、新しい家族が見つからなかったら、ずっと此処で暮らすのかなぁ…」
叔父さん達は遠い場所に居るし、おばあちゃん達も他界したし。
…でも、此処に居る方が幸せかも。
👮♀️「翠君!!見つかったよ!!」
shk「!な、何がですか…」
👮♀️「引き取ってくれる所!」
shk「…え… 」
…そんな直ぐに見つかるんだ…
…でも、行くのは嫌だな。
👮♀️「場所はね、隣町の”児童養護施設”なの。」
shk「児童養護施設…」
👮♀️「明日には出発するって聞いたから、荷物、まとめておいてね…って」
👮♀️「荷物、何も出してないの?」
shk「…まぁ」
👮♀️「…もう夜も遅いし、しっかり寝てね。」
shk「…はい」
👮♀️「じゃ、電気消すよ~」
shk「…」
…部屋が暗くになり、物音もしなくなった頃。
…俺の心は、からっぽになったようだった。
大好きだった母さんもなくして、涙も出ない。
…俺の母さんへの気持ちは、所詮こんなもんだったのかな。
shk「…」
…そんな事を考えながら、俺は深い眠りについた。
?『~笑』
?『おい、もうすぐで戦争だぞ?そんなんじゃ負けるって…』
?『大丈夫だよ!!その時はその時だし_』
?『うわっ、また負けた~!やっぱ??強すぎるって!』
?『ま、これでも近衛隊隊長だからな笑』
👮♀️「_翠君、翠君」
shk「…ぇ…?」
👮♀️「後少しで院長が来るから、着替えだとか、準備、しておいてね」
shk「…分かりました。」
…カーテンの隙間から覗く陽の光は、部屋全体を照らしている。
shk「…あの夢は…?」
…何だか、不思議な夢を見た。
何人かで仲良く喋ってたり、戦ってたり…
shk「…何か、妙にリアルだったし…」
shk「…ただの夢、かな…」
👮「翠君!院長さん来たよ!」
shk「…は~い、! 」
院長「…こんにちは、君が翠君だね?」
shk「…はい」
院長「私は院長の柳 真。よろしく。」
shk「…鮫島 翠です。よろしくお願いします。」
👮「柳さん、よろしくお願いします。」
院長「…あぁ。…じゃあ、行こうか 」
shk「…」
…瞳の奥はよく見えないけれど、優しそうな人だな…って、少し思った。
…少しだけど。
院長「…~」
…児童養護施設…そういえば、名前を知らないな
院長「…緊張してるかい?」
shk「!…少しだけ」
院長「そうか笑」
shk「…あの、児童養護施設の名前って…?」
院長「…”白尾学院”という名前だ」
shk「白尾…」
…そういえば隣町の名前は白尾町だったな。
院長「子供自体は少ないんだ。…翠君と同い年の子と、小学6年生の子で全員。」
shk「同い年…」
院長「…大丈夫、すぐ仲良くなれる。」
…白尾町は海に面している。
俺が住んでいた叶実町は、海が見えなかったから、少し新鮮だ。
院長「翠君、着いたよ」
翠「…ありがとうございました」
翠「!…大きい…」
白尾学院は、想像の倍以上大きくて、建物は二階建てだった。
院長「皆、ただいま」
「あ、院長…と、この子が翠君ですか?」
院長「そうだ、」
「私は、最年長の佐藤 菜々香!よろしくね!」
翠「…よろしくお願いします」
菜々香「…あ、皆呼んできますね」
院長「助かるよ」
_ドタバタ
…上の方から足音がしている。
…院長が言ってた、俺と同い年の子達だろうか。
?「…院長、おかえりなさい。」
?「?…その子は…」
翠「…」
階段から降りてきたのは、紫水晶の瞳をした男の子だった。
院長「…やっぱり、はしゃいでるか?」
?「…少しですけどね。特に_と_が。」
…同じ歳だと思えない程に冷静で、さっきから分厚い本を読んでいる。
?「~!!!」
菜々香「ほら、院長さん待ってるよ!」
?「え。 」
?「…あの子は?」
院長「…紹介するよ、この学院にやって来た、鮫島 翠君だ。”4人”と同い年だから、仲良くするんだよ」
?「は~い!」
翠「…」
翠「…こんにちは。鮫島 翠です。」
_いつの間にか、俺の児童養護施設生活が始まろうとしていた。
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