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~食堂~
ーーゾム視点ーー
(昨日は怖い夢みたからってトントンにみっとも無いところ見せたな……)
1人で反省しながらご飯を食べる。
昨日の失態を思いだし、恥ずかしくなる。
「あの…ゾムさん……」
ちらほら食べ終える人が出てきた頃、隣に座る人が声をかけてきた。
ゾム「ん…?(モグモグ)」
「…ゴクン) どうしたんやショッピ君?」
ショッピは俺と一緒に幹部になった奴だ。しかし、軍へ入ったのは俺より前だという。敬語は癖なのだそうだ。(最近知った)
ショッピくんは俺が軍に入った頃から話をしてくれている良い奴だ。
ショッピ「あの…この後もし時間があれば少し聞きたいことがあるんですけど…」
ゾム「今じゃ駄目なんか?」
ショッピ「いいんですけど、実際に見て貰った方が良いかと思って」
ゾム「分かった」 「一緒に行こうか」
ショッピ「あざす」
食事を終えると俺はショッピくんとショッピくんの部屋にやってきた。
ショッピ「…ゾムさん、これ見てくださ い」
ショッピに短剣を渡される。
ゾム「…ん?何でショッピくんが短剣持ってるん?」
ゾム「ショッピくんは遠距離やろ?」
ショッピ「…これ、俺のじゃないんです」
ゾム「…誰のや?」
ショッピ「分からないんです。」
ゾム「…分からないってどう言うこと や?」
ショッピ「…朝起きて、自分の机を見たらこの手紙と一緒に刺さってて…」
ショッピ「…心当たりありませんか?」
ショッピが俺に手紙を見せた
不審に思いつつ、俺は手紙を見る。
………手紙………
「私は、お前を許さない
私の崇拝なるゾム様に近寄るな!!
お前ごときが近づいて良い存在ではない
ゾム様から離れろ!
さもなくばお前の命をその短剣で刈り取 ってやる!
byゾム様の忠実な僕 」
………………………………………………………………………
ゾワッ……
俺はこの手紙を読んで悪寒を覚えた。
こんな奴心当たりがない。
なんなら自分はずっと嫌われ者であるとすら思っていた。
ゾム「…………っ」
“気持ちが悪い”俺はそう感じた。
誰か知らない人が自分を尊敬してくれているなら嬉しいが、崇拝、ましてや、自分の周りの人に危害を与えようとするコイツが気持ち悪くて仕方がなかった。
ゾム「……ショッピくん、すまんな」
俺はショッピくんから離れれば良いと思った。
だが、この軍で同じ幹部である以上関わらない方が難しい、それになにより、そんな奴早く捕まえた方が良い。
そう考え直し、
俺はショッピくんを守ると約束した。
ゾム「誰か知らんがショッピくんに危害を与えようとしとるんや」
ゾム「絶対俺が守ってやるからな!」
ショッピ「……ありがとうございます」
それから毎日俺はショッピくんと共に過ごした。
朝は一緒に書類を片づけ、昼から夜は一緒に訓練する毎日を繰り返す。
……夜……
~訓練場(外)~
ショッピ「……疲れたぁ~」
ショッピ「…はぁっ、はぁ、やっぱりゾムさん強いっすね」
ゾム「ショッピくんも中々強かったぜ!」
「前より腕あがったやろ?」
ショッピ「マジっすか?あざす!」
ゾム「…そろそろ夕飯の時間やし、食堂行こうか!」
ショッピ「はい!」
俺がショッピくんと訓練場のドアへ歩み出した。と同時に後ろから殺意を感じる。
振り向くと短剣が飛んできていた。
ゾム「…っショッピ!!! 」
俺はショッピくんを突き飛ばし、短剣を受ける。
ゾム「……っぁ”!」
短剣は俺の左腕に刺さり、腕は赤く染まっていく。
次第に視界が霞んでくる。
(これヤバイな……)
ショッピ「…っ!ゾムさん!!」
ショッピ「大丈夫ですか!?」
ショッピ「早く、医務室行きましょう!」
俺の腕を見たショッピくんが慌てた様子で俺に言葉をかける。
その様を横目に俺はショッピくんの後ろで遠くに去っていく人影に意識をとられた。
ゾム(きっとアイツが犯人や!)
そう思い、
おおよその犯人像を得る事に注力して、
俺は意識を手放した。
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