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「…………んっ」
「…ここは?」
俺はキョロキョロと辺りを見回すと
俺のベッドに突っ伏せて寝ているショッピくんが居る。
どうやらあの後ショッピくんが俺を医務室に運んでくれたらしい。
窓の外を見ると光が差し、陽がまた沈みかけていた。
俺はどれ程寝ていたのだろうか。 少なくとも1日は寝てしまったのだろう。
俺がショッピの方を向き直ると
ガラガラっとドアが開く音がした。
「あっ!起きたんやなゾム!」
この声の主はしんぺい神
皆からぺ神と呼ばれている医務室の先生だ。
ぺ神「……!ショッピくん寝たんか」
ぺ神はそう言いながらショッピくんに布団を被せ、俺の近くの椅子に腰を掛ける。
ゾム「…ショッピくんに怪我無かったか?」
ぺ神「ショッピくんは何もなかったで」
ゾム「…っほんまに!?」
ぺ神「うん、怪我はゾムだけや」
ゾム「良かったぁ」
俺から見た限りでもショッピくんはどこも怪我していなかった。
しっかり守ることが出来たらしい
ぺ神「……ゾム、また腕見せてもらってええか?」
ゾム「……?おん……」
俺は怪我をした左腕をぺ神に見せる。
ぺ神「…どこか別の場所でも痛いところとか、気持ち悪くなってたりし無いか?」
ゾム「…?無いで?」
ぺ神「……なら良かった」
ぺ神は安堵した表情を浮かべる。
1度検査は終えているはずだ。
何故もう一度確認するのだろう
不審に思い、確認をとる。
ゾム「…なんでそんなこと聞くん?」
「怪我したのは腕だけやろ?」
ぺ神「……実はあの短剣なんだけど」
ぺ神は少し目を伏せながら話す。
短剣に何かあったようだ。
ぺ神「持ち手以外の剣全体に毒が塗られてたんや」
ゾム「…!?」
ぺ神「今回、ゾムは腕だけで済んだから良かったけど、一歩間違えると死んでしまう恐れがあったんや」
衝撃の事実だった。
俺は血の気が引いていくのを感じた。
あの手紙はイタズラや、軽い脅し等ではなく相手が確実に殺そうとして来ていること。
運が悪ければ俺は死んでいたかもしれないこと。
そして、万が一俺がショッピくんを庇うのが遅れていたらショッピくんは死んでいたかもしれないこと。
それらの事実を感じ、俺は恐怖に震えた。
ゾム「………っ何でこんなことに」
俺はショッピくんへ目線を落とし、ベットの上にあったショッピくんの手を握った。
彼の手はあたたかかった。
彼はまだ生きている。その事実は俺を深く安心させる。
ぺ神「……でも、ほんとにゾムが無事で良かったわ」
ぺ神「…ショッピくんが血相変えてゾム担いで来たときは何事かと………」
ぺ神「……不幸中の幸いやったのは’ゾム’の左腕に刺さったことやな」
ゾム(確かにな…)
俺は昔から少し周りより頑丈な身体を持っているらしい。
ゾム(頑丈で、柔軟で、トレースできる戦闘に特化されたような身体…)
そう考えると確かにショッピくんを庇うのが俺で良かったのかもしれない。
そう思いながらも、ふと考えてしまう。
こんなことが起こったのは俺がココにいて、ショッピくんから離れなかったからだ。
本来なら回避できた事を俺のせいで引き起こしてしまった。
今回は俺が庇うことが出来たが、次もきっとアイツはショッピくんを狙ってくるだろう。
罪悪感が押し寄せ、胸が痛くなる。
ぺ神「………ゾムは悪くないで!」
ぺ神「悪いのはそんなことしてきた奴や」
俺の気配を察したのかぺ神は俺に優しい言葉をかけてくれた。
ゾム「……ありがとう、ぺ神」
その言葉で俺は決意した。
絶対に犯人を捕まえてやる。
そして、俺の大切な仲間に手を出した事を後悔させてやる!と