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わぁ...😮すげぇやこれは ぴくぺんがその立ち位置なのいいなぁ💕紗痲は考察見ながらよく聴いてたからこの曲パロはサイコー‼️😆 ぐちの仲間5人ってきっと奴らだよね。一回り小さくてタバコってことはもしかしてバニー🐰❓
こんばんわ、あめです!
新しく書きました。
中々に駄作。
注意書き↓↓
gtrd
BL 〇
R ✕
gt→囚人
rd→看守 です。
それでは、本編どうぞ。
(pk ぴくと)
(pn ぺいんと)
gt ぐちつぼ
rd らっだぁ
pk「ねぇ、聞きました?らっだぁさん。」
隣を歩いていた後輩のぴくとが、こちらを見上げながら尋ねてくる。
rd「え、何?」
pk「今日ここに、この前噂になってた大量殺人犯が収容されるらしいですよ。」
rd「え、こっわ。」
噂になってた大量殺人犯。
確かにここは普通より大きい刑務所だけど、そんなやつも送られてくんの?
rd「そんなやつ相手にしなきゃ行けないの?やだな〜…」
pk「いつものことじゃないすかw」
rd「ぴくとは怖くないの?人の悪意に触れ続けて。」
pk「ん〜まぁでも、もう慣れました。」
rd「うわ、適応力…」
pk「え?ww」
2人でダラダラ話しながら渡り廊下を歩く。
この先は、要注意人物収容所。
俺はここで働き始めて5年は経つから、新人のぴくとに仕事の説明を任されている。
でもコイツ優秀だから、対して教えなくても自分で出来る。
まぁ、だから監視的な意味なのかな。
そんなこんなで分厚い扉の前にたどり着いた。
カードキーをかざして扉を開く。
ここに収容されてる奴らは頭おかしいから、捕まってたってお構い無しに喋ってる。
俺らはある程度見回りをして、設備の不具合はないか確認したら、仕事は終わり。
さっそく2人で取り掛かろうとした、その時。
pn「あ、いたいた!おーい、2人とも〜!!」
背後から耳が痛くなるほどの大声が聞こえてきた。
rd「ぺいんとうるせぇ!」
pk「あれ、ぺんさん。」
pn「ごめんごめん、つい。2人とも、上司の人が呼んでたよ。」
rd「え、何。」
嫌な予感がして、早口にたずねる。
pn「俺もわかんないんだよね。とりあえず行こ!」
ぺいんとは、俺たちを手招きすると、先に歩き出した。
pk「えーなんだろ。怖いなぁw」
rd「…まぁ、とりあえず行くか。遅れて怒られても嫌だし。」
pk「そーっすね。」
俺が歩き出すと、ぴくとも後ろを着いてきた。
しばらく歩いて、さっき通ったばかりの渡り廊下を逆走する。
またしばらく歩いた、施設の1番奥がミーティングルーム。
ノックをして、「失礼します。」と3人声を揃えて挨拶をすると、扉が開いた。
上「時間通り来たな。よし、お前ら3人にお知らせだ。」
上司の人は、俺らが部屋に入った途端、有無を言わさず話を始めた。
上「今日、噂になってた大量殺人犯がこの施設に収容される。そこで、お前ら3人に見張り役を頼みたい。」
pk「え、俺もですか?」
ぴくとが拍子抜けした顔でたずねる。
確かに、ベテランの俺とぺいんとならまだしも、新人のぴくとが任命されるのは変な話だ。
上「ぴくとは優秀だからな。それに、この機会に危険な仕事の見学もさせてもらいなさい。」
pk「わかりました…。」
pn「いつ頃到着する予定なんですか?」
上「そろそろ着くはずだが…」
上司がそう言って時計を見た瞬間、全員の無線が鳴った。
『大量殺人犯到着。担当は収容場所に迎え。』
rd「大量殺人犯て…。オブラードに包めよ…w」
pn「これからは囚人番号で呼ばれるでしょw」
上「じゃ、お前ら頼んだぞ!」
3「は〜い。」
収容場所は、要注意人物収容所。
往復かよ……とか悪態をつきながら、3人で向かう。
場所に着くと、すでに数名の看守が集まっていた。
看「あ、担当の方ですか。」
rd「はい。」
看「では、後は任せます。私たちはこれで。」
pn「お疲れ様です!」
pk「さてと…?悪い人はこの中?」
ぴくとがつぶやき、中を覗き込んだその時。
??「え、俺に3人もつくの?」
中から低い声が聞こえてきた。
rd「うわ……元気なタイプだ……」
3人で数歩後ずさると、鉄の柵ごしに、1人の男性が姿を現した。
その姿を人目見た瞬間、心臓が大きく脈打った。
ぼさぼさなくせ毛に、驚くほど白い肌。こちらを睨むような赤く鋭い瞳が、暗闇の中で怪しい光を放っている。
目を疑うほど美しかった。
……いや、何言ってんだ俺?!
犯罪者に”美しい”?!馬鹿なの?!?!
頭を振って、その余計な考えを振り払い、目の前の男を見つめる。
男はニヤニヤと楽しげな笑みを浮かべている。まるで反省してねーなこいつ。
??「どうも、ぐちつぼといいます。人いっぱい殺したら見つかって捕まっちまったもんで。」
pn「当たり前だろ……とにかく、お前は釈放されるか分かんないから、ここで精一杯罪を償えよ。」
gt「はーい。」
ぐちつぼ、と名乗ったその男は、手錠のかかった腕を持ち上げて不満げな顔をする。
gt「牢屋の中じゃ外してもよくね?」
pk「何しでかすか分かんないから付けててもらいますよ。」
gt「あーそ。」
顔は未だ不満げだが、諦めたように腕を下ろすぐちつぼ。
ぴくととぺいんとはやれやれと言った顔で何やら話し始めたが、俺はぐちつぼから目を離せないでいた。
ぶつぶつと悪態をつきながらも大人しくベッドに座り込んだぐちつぼの、全ての動きが気になってしまう。
その時。顔を上げたぐちつぼと、ばっちり目が合ってしまった。
まずい、と思って目を逸らそうとしたが、ぐちつぼが浮かべた妖美な笑みに釘付けになって、動けなかった。
gt「…なぁ、あんたさ。」
rd「……何、?」
gt「俺のこと好きだろ。」
rd「……はっ、?!」
gt「ww同様しすぎだろ。」
ぐちつぼは楽しそうにケラケラ笑うと、ぼさぼさの髪を撫で付けながら、俺のことを上目遣いで見つめてくる。
rd「ッ…なわけないだろ…。」
gt「そおかぁ?w」
rd「だって、お前は囚人で俺は看守だよ?ありえないでしょ。」
gt「禁断の恋じゃん。」
rd「そんなんあってたまるかよ。」
gt「どーだがw」
rd「てか、そもそも根本的に俺もお前も男ね?俺は同棲愛の趣味はないので。」
gt「wwまぁ、いいけど。」
2人で沈黙の中見つめ合う。
なんとなく、目を逸らしたら負けな気がした。
その時、ぽんと肩を叩かれて、思わず振り返る。
pn「お前何囚人と仲良くしてんの?」
rd「仲良くなんかしてねーよ!」
pn「お喋りもすんなよw」
rd「さーせん…」
pn「あ、そうそう。当番どうする?」
rd「え?」
pk「3人で見張りの当番ローテーションしようと思ってるんですけど、どうやって決めます?」
rd「あーそういうこと。…離れたところで決めよ。」
pn「それはそう。」
3人でその場を離れ、適当に順番を決める。
結果、ぺいんと→ぴくと→俺 の順になった。
pk「じゃあ、ぺんさんお願いします!」
rd「よろしくー。」
pn「おー任せろ!2人は他の仕事頼んだぞ〜。」
2「はーい!」
その場はぺいんとに任せ、2人で他の点検や見回りを終わらせる。
pk「あれって、付きっきりなんですか?」
rd「何が?」
pk「あの、93番の人。 」
93番はぐちつぼのこと。
rd「あー、俺も詳しくは知らないんだけど、なんか要注意中の要注意人物らしいよ。だから付きっきりなんじゃない?…まぁ、詳しいこと言わないんだよね、上のやつら。 」
pk「へぇー、訳ありってことすか?」
rd「どうだろ。」
その日は特に何事もなく終わった。
俺は、家に帰ってもぐちつぼのことが頭から離れなかった。
一目惚れ……?だとしたら相当頭がおかしいんだろう、俺は。
なんせ相手は大犯罪者だ。……でも、別に大量殺人犯だからってその全てを否定するのは違うんじゃないか…?
でも、そうやって自分の抱いた犯罪的な好意を正当化しようとする自分に腹が立ってきたため、結局この想いは無かったことにした。
次の日は担当がぴくとだったから、俺とぺいんとの手が空いた方が交互に様子を見に行った。
ぐちつぼはぺいんととぴくとにも愛想良く振る舞うから、囚人服を着て牢屋に入っているのがものすごく変な感じがした。
なんでコイツは人を殺したのか。
人を殺さなければいけないほど極限まで追い込まれてたのか。
それともただの出来心か。
考えれば考えるほど気になることが増えていって、明日が来るのが不安で仕方なかった。
俺は気になったことはすぐに口に出してしまう性分だから、見張りの最中に質問しちゃうんじゃないかとか、看守らしからぬ不安が頭の中で反芻される。
でも誰かに打ち明けられたもんじゃないから、そのまま翌日を迎えるしかないのだ。
gt「…あんたさぁ、」
rd「はい?」
朝早くからぐちつぼの見張りをしていて、初めてぐちつぼが口を開いたのは、日が暮れてきた頃だった。
その日はぐちつぼは一言も喋らず、俺の指示に黙って従っていた。
昨日まではあんなに元気だったのに、と少し心配になるくらい。
だから、不意に声を掛けられて思わず返事をしてしまったんだ。
gt「名前は?」
rd「…名乗る必要なくない?」
gt「まぁ無いかもだけど。知りたいから。」
rd「……教えたら、」
gt「…!」
rd「質問に答えてくれる?」
gt「いーよ。」
なんて馬鹿な取引だろう。
それでも、どうしてもぐちつぼと会話がしたかった。
rd「…らっだぁ。」
gt「らっだぁっていうの?」
rd「うん。」
gt「ふーん。ありがと。…で、何聞きたいの?」
少し怪訝そうにたずねてくるぐちつぼに、「大したことじゃないけど」と前置きしてから質問する。
rd「なんで人殺したの。」
gt「…なんだ、そんなこと?w」
rd「……」
gt「ん〜…別に大層な理由じゃないけど。仲間が危険だったから、こうするしかなかった…みたいな?」
rd「”みたいな”ってなんだよ。」
gt「あいつらがほんとにピンチだったか、俺には分かんないから。俺が助けなくても良かったかなぁって。」
rd「まぁ、それで捕まってちゃ元も子もないもんね。」
gt「ね。今頃、”いい迷惑”って言われてるかもな〜。」
そう言うぐちつぼは、少し寂しそうに見えた。
rd「……明日も早いんだし、もう寝たら?」
沈黙に耐えきれず、思わず会話を終わらせるような発言をしてしまった。
自分から話題振っといて、自分から撤去するなんて失礼だろうか。
……まぁ、こいつは囚人だし、関係ないか。
gt「そうしよっかな〜。じゃ、おやすみ、らっだぁ。」
rd「……ん。」
“おやすみ”って言うのはなんか違うし、かと言ってなんて言ったらいいかなんて分からない。
適当に返事を返し、牢屋に背を向けて目の前のベンチに座った。
背後からは物音1つしなくなって、少し寂しい。
……俺は何をしてるんだろう。
囚人と仲良くなろうだとか、話したいだとか。
でも、恋心って偉大なもので、それは時に人を突き動かす大きな原動力になる。って、どこかで聞いた事ある。
実際、恋愛関係が拗れて人殺したやつを、俺は今までに何人も見てきた。
ストーカーとかも、要は相手への愛が抑えられなくて行動に起こしてしまった結果なわけだし。
俺の恋心はこの先の俺にどんな行動をさせるのか。
ほんの少しだけ楽しみな気がした。
初めて担当をした夜から、数週間が経った。
その間に大きな出来事が1つあった。
ぐちつぼに死刑判決が下された。
本人はそれを聞いても焦ったり困惑したりしてなかったけど、実際はどう思ってるんだか。
俺はと言うと、ぐちつぼには死なないでほしいし、できれば逃げおおせて平和に残りの人生を送って欲しかったが、看守としてはそう言う訳にはいかないしで、頭が痛かった。
今日は、判決が下されてからは初めての俺の担当の日。
ぐちつぼになんて言ったらいいか分かんないし、どんな顔して会ったらいいのかもわかんない。
ほんと、俺にはわかんないことだらけだ。
早朝の、綺麗とも言えない空気を肺いっぱいに吸い込み、渡り廊下を歩く。
ぐちつぼの牢屋の前まで行くと、ぴくとがベンチに座って眠そうに目をこすっていた。
rd「ぴくさんお疲れ。」
pk「あ、らっだぁさん。おはよーございます。」
rd「当番ありがとね。早く戻って寝なー。」
pk「はい…。」
ぴくとはぺこりと頭を下げると、その場を離れていった。
ぐちつぼはと言うとまだ寝ているようで、牢屋の中には沈黙が広がっていた。
そういえば、こいつは寝ている時に全く寝息を立てていない気がする。
息してんのか不安になるくらい、寝ている間はいつも全く音がし ない。
ベンチに腰かけ、じっとぐちつぼの方を見つめる。
俺はどうしたらいい?
答えは出ているようで出ていない。
看守として、この気持ちに蓋をして生きればいいのか。
それとも、1人の人間として、規則に反する行動を取ればいいのか。
……分かった時には、もう全てが遅すぎるかもしれないなぁ。
見張りの仕事は至って簡単なもので、決まった時間になったら囚人を起こし、朝食を取らせ、仕事場へ連れて行く。
仕事場にはそこの担当人がいるから、その人に引き渡し、軽く見回りと点検をしたら、夜に向けて仮眠をとる。
囚人が戻ってくる時間に合わせて起き、夕食を取らせたら、その後はただただそこにいるだけで良い。
万が一にでも脱走しないようにいるだけだから、正直言って暇。
だから看守の中には、暇つぶしに囚人と話してるやつもたまにいる。
ここにいると、”人間とは何か”と言う深い問いの答えが、答えまで行かなくとも結論に近いものが、見つかる気がする。
だから俺はここが嫌いだ。
日がすっかり落ち、ぐちつぼが戻ってくる時間 になった。
俺は重い体を起こして牢屋へ向かう。
そういえば、ぐちつぼの死刑決行まであと何日残っているだろう。
それまでに、俺は正しい答えを見つけられるだろうか。
悶々と考えていると、あっという間に牢屋まで着いた。
向こうから、別の看守に連れられてぐちつぼが戻ってくるのが見えた。
手錠に繋がっている鎖を受け取ると、看守の人は足早に去っていった。
rd「中入るよ。」
そう言って、ぐちつぼの方を振り返った。
瞬間。
胸ぐらを捕まれて、そのままぐちつぼの方に引き寄せられる。
rd「えッ、」
一瞬だった。
ぐちつぼの整った顔が目の前まで来て、唇に柔らかい感触が触れた。
rd「…………は、??」
ゆっくり離れていくぐちつぼから、目が離せない。
たった今起きた出来事を処理するのに、ずいぶん時間がかかった気がする。
rd「ッ~~~~~?!?!// な、何してんの?!?!」
思わず大きな声が出る。
すると ぐちつぼは俺の唇に人差し指をあて、「しーっ」と小さく言うと、顔を近づけてきた。
gt「両思いだな。」
小さく呟いたその言葉を、俺は聞き逃せなかった。
ぐちつぼは何事も無かったかのように大人しく牢屋に入っていく。
gt「看守さん何してんのー?早く閉めないと逃げちゃうぞー。」
rd「え、あ、っ……」
慌てて鍵をかけ、ベンチに座り込む。
全身の力が抜けて、立ち上がれなかった。
俺、今コイツに……キスされた、?
顔が暑い。
俺は今きっと顔が真っ赤なんだろう。
思わず頬に手をあて、ぐちつぼの方を見る。
gt「…何?」
ぐちつぼは楽しそうにニヤニヤしながらこっちを見ている。
rd「お前っ……さぁ!」
gt「無防備ならっだぁが悪いと思います〜」
確かに、と言いそうになって、ぐっと堪える。
rd「……良かったの、?」
gt「何が?」
rd「……いや、なんでもない…………」
体が重い。
嬉しい気持ちと罪悪感とが同時に押し寄せてくる。
最近、こんな思いをしてばっかりだ。
ぐちつぼは鉄格子の向こうで楽しそうにしている。
gt「…らっだぁ、」
rd「何。」
gt「これ以上のこと、してみたくない?」
rd「なっ……//」
顔がさらに暑くなって、思わずぐちつぼから目をそらす。
こいつほんっとに!!!
牢屋の方からクスクス笑い声が聞こえる。
gt「…その気になったらいつでも言ってよ。」
rd「……」
もう、迷うのがバカバカしくなってきた。
ぐちつぼにこんなことされて、それで赤くなってる俺はとんだ馬鹿野郎だ。
でも、それだけぐちつぼのこと好きなんだよ、きっと。
隠すのも、自分に嘘つくのも、迷うのも、規則を守ることさえも。
rd「……ぐちつぼ。」
どうでもよくなってきた。
rd「好きだよ、/」
gt「…! よく言えました。」
牢屋にそっと近づけば、ぐちつぼも中から顔を出してくれる。
周りに聞かれるから大層なことは出来ないけど、それでも。
看守が牢屋の中に入ってたって、言い訳はいくらでも出来る。
俺はそっと扉を開けた。
pk「らっだぁさん、最近なんか楽しそうですね。」
rd「え、そう?」
pk「はい。なんか、吹っ切れたって言うか。なんかいい事ありました?」
rd「ん〜まぁね。」
適当にはぐらかし、今日も今日とてぐちつぼの元へ向かう。
少しでも一緒にいたくて、1番忙しそうなぴくとに当番を譲ってもらった。
多少の寝不足は、ぐちつぼに会った瞬間吹き飛んでく。
一線超えたら、もう後は何したって同じだろ。
今幸せだから、それで良い。
それにしても俺は馬鹿だ。
でも、そんな馬鹿な自分に、少し満足していた。
gt「らっだぁ。」
rd「ん〜?」
いつものように遅くまで喋り倒していた時。
不意にぐちつぼが少し静かなトーンで声をかけてきた。
rd「なんかあった?」
gt「……逃げたい。」
rd「え………」
いつも楽しそうな彼が、しぼり出すように言った言葉。
rd「……いつか、言うとは思ってた。」
gt「はは、バレてたか。」
rd「 いいよ。覚悟はできてるし。」
特に恐怖は感じなかった。
牢屋の中に足を踏み入れ、ぎゅっとぐちつぼを抱きしめる。
rd「ぐちつぼのためなら何だってやる。俺はそんな人間になっちゃったからさ…、」
gt「…ありがと。」
ぐちつぼは優しく抱きしめ返してくれる。
その日は、夜通しかけて2人で計画をねった。
ぐちつぼの死刑決行は3日後。
それまでに逃げ出さなければならない。
やっぱり、ぐちつぼも死ぬのは嫌なんだなぁ。
決行は死刑決行日の前日の夜。
覚悟はできてる。
rd「2人ともお疲れ様〜」
pk「あ、らっだぁさん。」
pn「あれらっだぁじゃん。見張りは?」
rd「一瞬交代してもらって、トイレ行ってた。」
pn「なるほどね。」
rd「なんか食堂でお茶貰ったから飲まん?」
pk「なんで貰ったんすかw」
rd「カフェインが多く入ってるらしいよ。食堂の人が親切でくれたんだけど、俺じゃ飲みきれないわw」
pn「え〜飲む〜!」
pk「じゃあ僕もいただきます。」
rd「どぞ〜」
2人に、紙コップに入ったお茶を渡す。
これには、俺がこの日のために買っておいた睡眠薬が入っている。
……2人には悪いけど、俺は決めちゃったから。
その後、3人でダラダラと話していると、ぴくととぺいんとは話の途中で突然眠った。
死んだんじゃないかと一瞬怖くなるくらい自然な流れで、少し不安になりながらも部屋を出る。
見張りを代わってもらってた人にもついでに渡し、牢屋に近づいた。
gt「……周り誰もいない?」
rd「うん、いないよ。」
gt「じゃあ、」
rd「うん。」
中に入り、そっと扉を閉める。
いざ、となるとすごく緊張してきた。
ぐちつぼが服を脱いでいくのをじっと見つめていると、ぐちつぼに「何?w」と笑われたので、慌てて目を逸らして自分も脱ぐ。
作戦は、こう。
俺とぐちつぼの服を交換し、俺が暴れてぐちつぼが逃げる時間を稼ぐ。
上手く行けばいいけど。
gt「……俺さ、両親に捨てられたんだよね。」
不意に、ぐちつぼが口を開いた。
rd「…急に何?」
gt「ただの身の上話。適当に聞いといて。」
rd「…うん。」
聞いてみたかったし、ちょうど良かった。
黙って服を脱ぎながら、ぐちつぼの話に耳を傾けた。
gt「中3のころだったから、別にすぐ死ぬことはなかったけど、まぁ大変だった。そんな時に、同じように捨てられて身よりのない子供のたまり場を見つけて、その中から 5人だけ連れて組織みたいのを作ったんだよね。…”何でも屋”みたいなのして、金稼いでさ。住む場所もないし、食べ物もろくなもん食えてなかったから辛かったけど、なんか6人でいたら救われた気がした。それから何年も何年もその仕事続けて、なんとか金集めて、家借りて、…裏社会ではわりと人気だったから、大きくなってもその仕事続けてた。そしたら、組織が大きくなり過ぎたのかな、変な輩に目付けられて。そいつらにメンバーが絡まれてたところに俺がたまたま出くわして、そんでみーんな殺して今に至る、ってわけ。」
rd「……じゃあ、ぐちつぼは……」
gt「……まぁ、殺した俺が悪いんだけどな。」
rd「…ひどい話だね…」
思わず声が出る。
ぐちつぼは冷たく笑みをこぼすと、俺に服を渡してきた。
なるべく ぐちつぼの方を見ないように服を受け取ると、俺も服を渡す。
gt「うわ、看守の服なんて初めて着たw」
rd「俺だって囚人服なんか初めて着たわw」
2人で顔を見合せて笑う。
rd「じゃ、行こっか。」
gt「らっだぁ。」
rd「ん?」
名前を呼ばれ、立ち止まると、腕を掴んで引っ張られた。
それに答えるように振り返ると、当然のようにキスをされた。
ただ唇を重ね合わせるだけの、軽いもの。
でも、今までで一番長いキスだった。
gt「お別れのキス。」
rd「……うん。」
……本当は気づいてたよ、最初っから。
警報の音。
人の怒声。
無線の音。
耳が痛い。
後ろは振り返らない。
前だけ見てひたすら走る。
叫び声の中に、よく聞きなれた2人の声がした。
本当はね、知ってたんだよ。
俺は利用されてるだけだって。
お前が逃げるための、ただの踏み台でしかないって。
でも、それでも良かった。
彼のためならなんだってやる。
そう思ってしまった。
頭おかしくなってたのかな。
無理はないな。
これでいい。
相応しい終わり方。
最期に幸せになれたんだから、満足だよ。
……愛してたのになぁ。
銃声が響く。
背中に鋭い痛みが走った。
口の中 血の味がする。
相応しい終わり方。
目の前が真っ暗になった。
最期に見たのは、満足気に微笑む、君の顔。
??「良かったの?あれで。」
gt「んー?」
??「本気で好きだったんじゃないの。」
隣を歩く、俺より一回り小さな影がたずねてきた。
煙草の煙が鼻ををくすぐる。
gt「………まぁ、所詮ただの道具だよ。」
??「…あっそ。最低だな。」
gt「w、我ながらね。」
背後の刑務所では、相変わらず人々の叫び声が聞こえてくる。
gt「……死んじゃったかな。」
??「さすがに死んだでしょ。さっき銃声も聞こえたし。」
gt「そっか。」
……もっと違う設定で、もっと違う関係だったら。
そんな設定で出会えてたら。
そんな世界を選べたら。
gt「……一緒になれたかな。」
終わりです。
お疲れ様でした……!
9000文字を超えてしまった……長くてごめんなさい。
楽しんでいただけましたかね。
このお話はいくつかの曲から、好きな描写や設定を引き抜いてきて組み合わせて書いてます。(いっぱいの曲パロみたいな)
あ、このフレーズ知ってるー。って、なる瞬間、あったかな……。
とにかく、楽しんでいただけてたらそれで満足です。
お時間たくさん取ってしまってごめんなさい。
それでは、また次のお話で。
おつあめ!