…君は気づいてない…いや、誰一人,僕の気持ちになんか気づかない。
そんなことを考える6時頃,辺りは朱の空と化していた。
秋らしい冷ややかな風が,僕の肌を伝う。
帰り道,東京のビルたちが,僕の視界を遮る。
その時,片思いの彼女を見た気がした。
胸がドキッとなる。
はっきりと姿を見たときには,立ち止まり見とれてしまっていた。
僕はモブで彼女の彼氏にはなれない,だからせめて、この一瞬だけでも,いなくなってしまう前に。
そう思うと、胸の中がもやもやして,その場を逃げた。
「一方的でもいい,愛を語らせて…」
なんて呟いても、誰も言葉を拾うことはない。
君はしららかな三日月だから、放課後にしか会えないのに。
一度でいい、僕の手を取って軽やかにステップを踊ってくれたのなら,僕は必ず期待に答えるのに。なんて、そんな妄想も,もし彼女に相手ができるとできなくなるのか…なら、あと少しだけでもいいから、
「彼女に彼氏が,できませんように…なんてw」
そんなことを呟く。
その時,横から涼しい風がした、彼女がいる。
彼女は,「そんなことを女の子に言うなんて〜!モテないよー?」と頬を膨らます。
僕の気も知らないくせに…
「うるさい」
といい,その場を去る。もしさっき違う言葉が言えたなら、彼女は僕の手を取ってステップをしていたのだろうか。いや、ありえない彼女はきっと夜になる前に帰るから,夜はもうすぐだから,きっと…
私が君を見つめても,愛しても,君は誰かのもので、
私を見つめてくれるから、話しかけていたのに、昨日の放課後,「うるさい」とだけ返し帰っていった。
目を疑った、いや、耳かなw…君が私を好いてくれると勘違いしてたけど、結局彼の手のひらの上,鳥かごのようだった。
私の気持ちは彼に売られていた、虫酸が走る。涙目になりながら,なんとかポジティブになる。そうだ、きっと恥ずかしかっただけ,きっと、きっと。
それか…他に好きな子でも…
そう考えるとならそれしか考えれなくなって、一方的に君を奪われた,そんなはずはないのに、そう感じた。
昨日私を誤魔化したように,いくら呼んでも答えてはくれないでしょう?
きっと、誰の声でも
君が私を見ていたから,君は私だけのものだと勘違いしていたけれど、同様,私のものじゃなかった。
「あぁ、粗末なアイロニー…w」
涙があふれる,君を思って泣く意味はないはずなのに、でも、でも
「嫌なんだなぁ…」
君は三日月だ、そう思った
僕のものじゃないのに
私のものじゃないけど
一方的に愛を語らせてよ
しららかな三日月(彼、彼女)
私/僕の手を取って、軽やかにステップを…
「あと少しだけ…」
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うまっ