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富来 えび
122
#自分用
富来 えび
20
һагυ_彡
238
ーーーーーーーーーー
「ガタガタガタガタ……:( ; ´꒳` ;):」
氏政は、部屋の隅で震えていた。
その前には、にこやかな笑顔を浮かべる氏康。
「(^^)」
そして、その隣には――
「💢💢」
明らかに怒っている幻庵。
そこへ風魔小太郎が戻ってきた。
「くそっ……隅々まで探したが、見つからねえじゃねえか💢💢」
幻庵は腕を組み、苛立ちを隠さない。
「だが、ほかの兵に聞いたが、確かに何者かが忍び込んだ跡があったようじゃ」
「……あいつが報告などせず、さっさと捕まえておったら……💢💢」
氏康がたしなめる。
「お気持ちは分かりますが、兵を責めても仕方ありますまい💢💢」
幻庵が振り返った。
「……は?」
「なんでお主が怒っとるんじゃ!」
「その場にいなかったのに💢💢」
「いかん……」
多目元忠は頭を抱える。
「このままでは仲間割れになってしまう……」
「落ち着いてください」
「これでは敵の思うツボです」
すると氏政が、いつもの調子で口を挟んだ。
「そうだよー」
「もう少しのんびり考えようよー」
「例えば、伊達にも動いてもらうとかできない?」
「佐竹あたりを刺激すれば、戦力減らないかな」
元忠は、思わず遠い目をした。
「……今だけは、若のお気楽さが救いですな……泣」
「やかましい!!」
氏康と幻庵の声が重なる。
「誰のせいでそうなっとると思っておるんだ💢💢」
「ええ……」
氏政は困った顔をする。
「私を責めたって、どうしようもないじゃないですか」
「手紙が私のものだと知って、征伐しに来てたんでしょ?」
「だったら父上が返書を送っても、案外征伐に来てたかもよ」
「父上だって、謝るつもりはなかったんでしょ??」
氏康は頭を抱えた。
「……さっき書庫で話すんじゃなかった💢💢」
幻庵が氏康を睨む。
「氏康……どういうつもりじゃ」
「本気で話さねばならぬようじゃな」
元忠は、少し嬉しそうに氏政を見る。
「若……その意気ですぞ」
「たまには正しいことができるのですな笑」
「へへへっ」
氏政は嬉しそうに笑った。
「ありがとう!」
「褒めてくれて」
「褒められるの、大好きなんだ」
元忠は思わず苦笑する。
「……嫌味を一切感じない」
「そのお気楽さ、羨ましい……」
氏政はさらに続ける。
「それに、向こうの怪物も言ってたけど――」
「弁明も出さなかったよね、父上たち」
「……ぐっ」
氏康が言葉に詰まる。
元忠も小さく頭を下げた。
「……はい」
「ごめんなさい……」
幻庵が二人を見る。
「なに???💢💢」
「それにさ」
氏政は少し真面目な顔になる。
「案外、本当に向こうが正しいのかもしれないよ」
「たしかに今川にそそのかされて上杉が攻めてきたけど――」
「関東から追い出す必要はなかったんじゃないかって」
「書庫の書物を読んで、少し思ったんだ」
幻庵が眉を上げる。
「……なぜ、そう思った?」
氏政は考えながら答える。
「だって、元々この国も北条のものではなかったんでしょ???」
「ご先祖さまがいい人だったから、民がついてきてるけど――」
「討ち入りとかしまくってるし」
「…………」
三人が黙る。
氏政はさらに思い出したように続けた。
「あと、今川からの返書はまだ来ないんですかね?」
「元はと言えば、勝手に武田から嫁もらって氏綱おじいちゃんをブチ切れさせて――」
「その流れで、父上の代に変わった時は今川が上杉とかそそのかして、今回の元凶起こしてるじゃん」
「今川も、あてにならないかもねー」
「若……」
元忠が氏政の額へ手を当てる。
「熱でもあるのでは?!」
「……熱はない」
そして、目を見開く。
「まさか……」
「本気で考えて……?!」
氏康も驚きを隠せない。
「お前……そこまで考えられたんか……」
「書物いっぱい読んで考えたもんねー」
氏政は得意げに胸を張る。
小太郎が静かに頷いた。
「若が書庫に行ったのは、無駄ではなかったですな」
そして小太郎は、氏政へ向き直る。
「……若」
「申し訳ございません」
「この小太郎、我を忘れておりました」
「とりあえず、今川を探ってまいります」
「多目殿も申し訳ない」
「お主が正しかったのに、怒鳴ってしまって」
元忠は微笑んだ。
「……いえ」
氏政は手を振る。
「行ってらっしゃいー」
小太郎は一礼し、その場を後にした。
幻庵は腕を組み、氏政を見る。
「とりあえず、氏政は珍しくいい事をしたから――」
「後でお茶とお菓子をやろう」
「やったー!」
「そして氏康……」
「貴様は説教じゃ💢💢」
「久しぶりに教育してやる💢💢」
「……😱」
氏康の顔が青ざめる。
「いやーーー!」
「叔父上、勘弁して下されーーー!」
幻庵は笑顔で氏康の肩を掴んだ。
「うんうん」
「とりあえず、わしの部屋で言い訳だけは聞いてやるからな」
「うーじーやーす💢💢」
「氏政、お菓子とお茶は終わったあとにやるからのー」
「いやあああああ!」
そのまま氏康は、ずるずると引きずられていく。
「ズルズル……」
残された元忠と氏政は、無言でその光景を見送った。
「…………」
「…………」
二人の心の声が重なる。
(お労しや殿……)
(父上……)
氏政は、去っていく幻庵へ手を振る。
「ありがとう、待ってるね、おじいちゃんー」
元忠はそっと氏政の肩を叩いた。
「……先に部屋に戻りましょう」
「見てはなりませんぞ^^」
「はーい」
氏政は素直に頷く。
「お菓子とお茶、早く来ないかなー」
「♪(*‘ω‘ ≡ ‘ω‘*)♪」
その頃――
「元忠……」
引きずられながら、氏康が助けを求める。
「助けてくれ……」
「教育……」
「叔父上の教育だけはいやーーー泣」
コメント
1件
わあ、今回の20話、すごく面白かったです!氏政が書庫で本を読んで考えたことをきちんと話すシーン、思わず「おおっ」て声が出ました。今までのお気楽キャラから一転、ちゃんと歴史を踏まえて「向こうが正しいかも」って言えるの、成長を感じますね。でも最後の「お菓子とお茶、早く来ないかなー」で戻ってくるのがもう氏政らしくて、ほっこりしました笑。幻庵に引きずられる氏康も含めて、家族の空気感が絶妙で、続きがすごく気になります!