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登場人物紹介
■ 大森 元貴(おおもり もとき) / omr
刑務所の若き看守。年齢は二十代前半。
小柄だが鋭い眼差しと冷静沈着な態度から、同僚や囚人たちに一目置かれている。
規則を重んじ、誰に対しても公平であろうと努めてきた。
しかし心の奥には「人を見捨てたくない」という優しさを隠しており、それが時に弱さともなる。
囚人に情を抱いてはならない――その掟を、彼はやがて破ることになる。
■ 若井滉斗 / wki
服役中の囚人。二十代後半。
冷笑を浮かべ、他人を挑発しては自分を守る癖がある。
「俺は人間じゃない」と自嘲するように、過去の罪を背負い、心を閉ざしている。
だが、ふとした瞬間に見せる仕草や言葉の端々に、孤独と後悔の影がのぞく。
鉄格子の向こうで出会った omr に対してだけ、彼は次第に“人間らしい顔”を取り戻していく。
舞台は、地方都市にある古い刑務所。
分厚い鉄扉と湿った石壁、常に響く鍵の音と足音。
光は少なく、夜の巡回の時だけ窓から月が差す。
その冷たい場所で、看守と囚人――交わるはずのない二人が出会い、
やがて「禁じられた情」が露見し、崩れ落ちる瞬間を迎える。