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落ちる場所は君の隣だった

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落ちる場所は君の隣だった

2 - 鉄格子の月

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2025年08月24日

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第1話 鉄格子の月


分厚い鉄扉の閉まる音が、廊下に重く響いた。

夜勤の巡回は、看守にとってもっとも孤独な時間だ。

冷えた空気と湿った石壁の匂い。足音だけが延々と続く。


その夜も、大森元貴――omrは淡々と歩を進めていた。

若くしてこの刑務所に勤め始め、まだ経験は浅い。

それでも彼の眼差しの鋭さと規律を重んじる態度は、囚人にも同僚にも一目置かれていた。


彼が立ち止まったのは、東棟の奥。

鉄格子の向こうに座る囚人が、冷たい笑みを浮かべていた。


若井滉斗――wki。


彼は手錠の痕が残る手首を弄びながら、挑発するように言った。

「おい看守。俺のことは番号で呼べよ。名前なんか必要ないだろ?」


omrは一瞬だけ視線を落とした。

次の瞬間には、冷たい声で返していた。


「……俺は、人を番号では呼ばない。」


静寂。

数秒後、wkiは鼻で笑った。


「フン……変わった奴だな。」


そのやりとりは、ほんの短い時間だった。

だが、二人の物語はすでにそこで始まっていた。


夜空に雲が流れ、窓の隙間から月明かりが差し込む。

鉄格子を越えて床に落ちた光は、檻に閉ざされた空間を淡く照らしていた。


それは、誰にも許されない関係の、最初のしるしだった。





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