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それからも俺は意味深な投稿をたくさんした。
どの服がいいかなってビデオ通話してりょうちゃんが選んでくれた服を着た私服姿の写真を。
俺の家に置いてあった別れても捨てられなかったペアマグカップの写真を。
俺が描いたりょうちゃんの似顔絵を。
黄色い花束の写真を、そしてそれはちゃんとりょうちゃんに届けた。
こっそりと秘密の関係を楽しみながらも俺はりょうちゃんと付き合ってるんだって大好きなんだよって言いたかったし、りょうちゃんの存在を忘れて欲しくなくて、記録のように残していく自己満足な行為だった。
けどりょうちゃんが喜んでくれるのは間違いなかったし、たまに若井に本当に仲良しでなによりとからかわれるよも悪くなかった。
離れていてもその存在はやっぱり俺の中で大きくて、1日1日と近くなる夏休みに毎日カレンダーを見てはわくわくとして仕方なかった。
ようやく明日はりょうちゃんに会える···そんな気持ちで『花火買った』とネットで呟き、用意したキャリーケースに詰め込んだ。
約1ヶ月のりょうちゃんとの夏休み。
やりたいことがたくさんあった。
海を見に行きたい。
花火をしたい。
お祭りみたいなメニューを食べて、風鈴なんか飾って、あとは素麺も用意しよう、きっとりょうちゃん喜ぶだろうし。
わくわくしていた、久しぶりに会えるのも楽しみだった。
だからその夜、りょうちゃんから返事が来なかったのも少し気になったけど明日には会えるから、とあまり気にしなかった。
···りょうちゃんの体調が急変した知らせを受けたのは長野に付く本当に少し前だった。
「りょうちゃん!」
何度もタクシーの中で運転手に急いでくださいと頼んで走って病室に飛び込む。
そこには点滴に繋がれて酸素マスクをして青白い顔のりょうちゃんが眠るように静かにいた。
「···りょうちゃん···?」
ピッ、ピッ、、、と機械音だけが鳴って、けどそのおかげでりょうちゃんはちゃんと生きているってわかる。なのにそんな機械が必要なことに寒気がして背中をつたう汗が冷たくて気持ち悪かった。
「なんで···ねぇ、起きて···やっと夏休みだよ、花火も買ったし···海、行こうよ···約束したでしょ?明日には若井も久しぶりに会いたいから来るって言ってたよ···」
少しすると先生が来て、りょうちゃんの診察をして俺は別室に呼ばれた。
告げられたのは、今は薬のせいもあって眠っている、けどもう本当に時間がないということ。
でももっと早くにこうなるかもしれないと本人には伝えていて、ここまでもったのは凄いことだとも言われた。
そんなこと、最後に会った時も電話してる時も少しもりょうちゃんは見せないで笑ってた。
ここまで悪くなってて、辛かっただろうに俺には何にも言わなかった。
···俺のことを、仕事のことを思って言わなかったんだ。
「···りょうちゃん、ねぇ···俺は、貴方にとって良い仲間だった?良い友達だった?···良い恋人だったかなぁ···」
明日も明後日も休みだ。
いくらでも時間はある。
俺は手を握ってゆっくりとりょうちゃんが目覚めるのを待った。
形在る総てはいつかは必ず亡くなるみたいだと、わかっていたのに今はそれを受け入れられそうにない。
りょうちゃんが目覚めて俺は笑えるだろうか。
静かな時間だけが過ぎていった。
コメント
4件

命を削り取られていく描写が泣ける……
お願いです!奇跡を起こして下さい🙏🙏🙏 せめて若井くんが間に合う様に🥹