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「あ···もとき···?そっか、今日から···」
ふふ、と少し笑って俺の手を弱く握り返す。
こんな時でも笑ってるんだ、りょうちゃんは。
「花火持ってきた。素麺も。りょうちゃん好きだよね」
「うん···懐かしいな、撮影で夏祭り···浴衣着たね···あの時の元貴すごくカッコよかったな···田舎で撮影して···お素麺食べて···アイスも···どれも楽しかったなぁ···」
止めてよ、なんで昔のことばっかり。
これからの話しようよ、明日のこと、明後日のこと、その次の予定も···。
「元貴と出会えて良かったぁ···若井も···皆に会えて···僕、幸せだったな···」
本当はそんなこと言わないでって言いたかった。
けどりょうちゃんの言葉を遮るのはしたくなかった。
全部、全部聞いていたかったから。
「···俺も、りょうちゃんに出会えて良かった。好きになって、付き合って、離れて、また見つけて。俺、どこに行ってもりょうちゃんのこと何度でも見つける自信あるから。だから絶対離さないからね」
「···なら、安心だね···元貴、大好き。無理しちゃだめだよ、ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、ひとりで背負わないで相談するんだよ」
「うん、無理しない。ちゃんと寝る。若井にも相談する。けど、俺···りょうちゃんに側にいないと···寂しくて···」
大丈夫だよ、って言って安心させてあげたいのに。
一番不安なのはりょうちゃんだから笑ってあげたいのに。
声が震えて言葉が続かなくてりょうちゃんの胸に顔を寄せて体に手を回した。
「嬉しいってヘンかなぁ···元貴に愛されてるって、すっごく感じて···やっぱりしあわせだ···」
「ずっと俺の人生にはりょうちゃんが必要だよ···愛してるよ、一生愛してる」
小さく頷いたりょうちゃんの目から一筋の涙が溢れて頬を流れていった。
また眠ったような、意識がないような状態のりょうちゃんの手を握ったまま若井に連絡を入れた。
すぐに向う、と返事が来て、少し安心して俺はりょうちゃんの椅子に座ったままベッドに寄りかかってずっと側に居た。
気づけば夕方、夜が近くなった頃に若井が来て、もう何時間もこうしていたんだとやっと気づいた。
「りょうちゃんは···?」
「ずっと眠ってる。本当は、もっと早くこうなるかもしれなかったって···りょうちゃん、頑張り屋さんだから···俺が来るの待っててくれたんだよね、きっと。若井のことも」
「ほんと、りょうちゃんって凄いよ···そういうことカッコつけようとするよね、俺いっつも思ってたよ、なんかふわふわしてんのに人一倍努力するし、弱音吐かないし、笑ってるし···」
そう言って椅子を持ってきてりょうちゃんの隣、俺の反対に座る。
その目は赤くて泣いたのがバレバレだった。
「ほんとにね、弱音···言わなかったな。何してても本当に楽しいって感じだし。どんな衣装持ってこられても、はーいって着こなしてたし」
「写真見返してたらさ、こんなのもあった、こんなこともあったって···ほら、これとか懐かしいよね。りょうちゃん素麺食べて怒られててさ」
#病み、グロ有
「···暑いのとかりょうちゃんが一番平気なんだよね、ライブも走り回ってたし」
若井がそうだった、と笑ってつられて俺も笑って。
気づけばこんな状況なのに、りょうちゃんに話しかけるように写真を見返しながら俺たちは思い出話をした。
気づけば2人とも、りょうちゃんの手を握っていた。
コメント
6件

泣ける……好きすぎるくらいにブッ刺さりだ!
感動です、、幸せになってほしい