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#14
😊「zz…」
パチッ
😊「…ん?」
眠りから目覚めた俺の目に映ったのは、爆睡している瑠季だった。
😊「…瑠季が看病してくれたのか…」
周りを意味もなく眺めていると、ふと、机の上にあるお粥に気がついた。
正直お腹は空いていないが、母さんが作ってくれたのだろう。…苦手なケチャップ入っていようが、食べるべきだよな。
😊「…いただきます。」
😊「…うぇっ」
朝食べたサンドウィッチの味を覆すように、ケチャップ入りのお粥が侵食してくる。
思わ吐きそうなってしまったが、これじゃあ瑠季にまた迷惑をかけてしまう。
吐き気や辛さを我慢しながら、なんとかお粥を完食した。
😊「…ぅ」
胃の中でのお粥がごろごろしているような感覚があるものの、それを無視して、俺はまた眠りについた。
😊「…ッ…ここは……? 」
辺りを見回してみても灯りはなく、長い長いトンネルに居るようだった。
😊「…俺、…寝てたはずじゃ…」
あぁ、そうか。これは夢だ、そうに違いない。
😊「…ッた」
そう思って頬を抓って見ても、普段と何も変わらない、いつもの感覚が俺の頬の痛みを膨らませていった。
😊「…じゃあ、ここはどこだ…」
😊「…考えても無駄か」
そんなことを考えてまた眠りにつこうとすると、耳の奥底からか、またもやこの暗闇の中からだろうか。
低学年程の、子供の声が聞こえてきたのだ。
[…ねーえー✕✕!ドッチボールしよーよ!]
[…!…でも、お父さんが…]
[パパのことなんてきかなくてもいーじゃん!!べんきょうなんかしてないで早くあそぼ!]
[…!うん…]
[!✕✕!こんどさ、いっしょあそぼ!]
[いーよ!]
😊「…」
…ずっと聞いているうちに、その声は泡のように消えていった。
別に何も感じない。感じないけれど、俺の魂が、脳が、あの声に凄く過敏に反応しているようだった。
😊「…何だよ…これ…」
…楽しい、嬉しい、寂しい、怒り、悲しい、自己嫌悪、恐怖、不安…それは、今までに感じたことがない感情だ。
😊「心は忘れていても、魂は忘れていない…」
とうの昔に読んだ、哲学の本のワンフレーズ。…どうして、今になって思い出したのだろうか_
そんなことを考える暇もなく、暗い闇の世界から、少しずつ、明るさを取り戻していった_
😊「…っ…」
さっきまでの空はすっかり暗闇になり、この部屋に月光が差し込んでいた。
📕「…んー…zzz」
📕「っ!えっ、紫恩…!起きたの、?」
😊「…あぁ、数時間前までの気だるさが嘘みたいだ。」
📕「よかったぁ…」
😊「…ありがとう、瑠季。…頼りになるよ 」
…照れくさいが、これでも大事な弟だ。少し口角を上げながら、俺は瑠季の頭を撫でた。
📕「っ……」
😊「…どうしたんだ」
😊「急に俺の目を塞いで…」
少し明るい景色から暗闇に染まるこの光景は、デジャブを感じさせた。
📕「っなんでもない、あと少しだけそのままにしてて」
😊「…いいが」
…中学生辺りからだろうか、少し…いや、かなり瑠季のことを理解するのが難しくなってきていた。
…そして、今もなお変わっていない。むしろ悪化している。
📕「っはい、いーよ!」
😊「…おぉ」
漫画ならバッと効果音がつくほど凄い勢いで手を離した瑠季は、いつの間にか、ドアのすぐ前にいた。
それも、俺に背を向けながら。
📕「…僕寝るねっ!」
😊「さっきまであんなに爆睡してたのにか?」
どんだけ寝るんだよ…言いたいところだが、瑠季をこんなに疲れさせたのも俺のせいだ。今回は、お礼もかねて黙っておくことにした。
📕「まあね笑じゃ、おやすみ!」
😊「…あぁ、おやすみ…」
…変なところがポジティブで、でも人思いな瑠季を見ていると、いつも、変な気持ちなっていた 。
…それが、今日見た夢…だろうか。それのお陰で、少し分かったような気がする。
😊「✕✕✕は、昔から_」
俺の中で、いや、”俺達”の中で、小さなパズルのピースが、嵌ったような…そんな気がした。
お風呂浸かりながら考える。1番✕✕✕で、1番✕✕✕な紫恩のことを。
📕「…あーほんと…ずるいなぁ…」
誰にも聞かれることのないその呟きは、反響して、僕の耳の奥まで叩き込まれたようだった。
📕「っもう……なんで✕✕✕✕と、あそこまで似るかな…」
経験したかった過去、そして、10gにも満たない水の粒は、月光に照らされ、美しく、でも儚げに闇夜へと消えていった_