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○一日目
今日から日記をつけることにした!
これから、どんどんと思い出が溜まっていくのが楽しみだ!。
明日はからすたちとご飯を食べに行く。
ひさびさだし、どこへ行くのかもしらされてない!。
明日が楽しみだ!
○二日目
からすたちとのご飯はおいしかった!
『まだいっしょにいたいな』って言ったら、、ほほえんで『ほな、こんどはあそぼか、』ってからすが頭をなでてくれた!
その後にゆきみやが『たのしみだね』って微笑みながら言ってきた。
なんだかみんな目にひかりがなかったきがする。
でも!明日が楽しみだ!
○三日目
今日はなんとひさしぶりにくにがみに会った!
声をかけるとおどろいたように目を見開いて少しおもしろかった!。
でも、そのあとひざからくずれてしまった。
なんだよ、人の顔みてなくのはひどくねぇか?、でも、そのあと色々とたすけてくれた!やっぱりくにがみはおれのヒーローだ!それにちぎりにも会った!髪の毛を短く切っててなんだか新鮮だった。あの長い髪、好きだったけどな。
くにがみがあんまり寝れてないみたいだったから、いっしょにねた!!もちろんちぎりもいっしょに!!
○四日目
おれは今日、おくすりをたくさんのまなきゃイケナイらしい。
でも、粉薬はあんまり飲みたくなかった。
しどうが、『れおちゃん、一回でごっくんできないの~?かわいー!』とあおってきたので、『ごっくんできるもん!!』とつい言い返してしまった。
けっきょく、えずいてしまった。
しどうが大きな手で背中をさすってくれた。
たぶん、根はいいやつなんだろう。
わかんないけど。
○五日目
りんとさえがかるぴすをくれた!
はじめてのんだけど、なんだか甘くなかったし、そうぞういじょうにドロッとしてた。
それでも不味くはなかったから、ぜんぶのんだ。
さえが、『おかわりいるか?』って聞いてきたから、うなずいた。
そしたらコップを持ってへやの外にいってしまった。りんはなんだかいきが荒くて、熱があるようだった。
ガシガシと荒々しく頭を撫でられて抱きつかれた。
そんなに必死にならなくても、おれは逃げないぞ?
○六日目
今日はさえにつれられて、きっさてんに行った!
おみせのなかには、せんどうとあいくがいた。
せんどうはこっちを見たしゅんかんに大泣きしてしまった。
よしよしと頭を撫でると、ぎゅっと抱きしめてきた。
その後にあいくがさえにたいしてなにかどなってた。
むずかしい話は今のおれにはわかんないけど、このたんじかんで、そこまで怒ることがあったのか?
〇七日目
さいきん、ゆめを見る、なんだか前のじぶんを見てるみたいな夢。
みんながおれのことが好きで、それが行き過ぎて、おれをころすゆめ。
そんなことないのに、なんだかみんなが怖い。
もうぜんぶ、わからない。わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからな……。
〇八日目
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〇九日目
見返したら、はちにちめの日記がよくわかんなくなってた。
文字化けみたいになってるけど、こんなのかいた覚えないぞ?不思議だな。
〇十日目
からす達が新しい遊びを教えてくれた!。
けど前にやってたヤツとそんなにかわらないぞ、?
みんなでやるのは楽しいけどな!
……そういえば、ゆきみやに飲ませてもらったみるくが、あの時のんだかるぴすと同じ味がした。
気のせいだよな……?。
いさぎは体調が悪そうにしていたし、大丈夫かな?
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紅葉のような手を離さないようにしっかりと握って帰路へつく。
『まだいっしょにいたいなぁ…』
桃色の頬を膨らませ、口を尖らせながら、名残惜しそうに、目下の紫髪が呟く。
『ほな、明日は遊ぼか、』
そう言いながら紫色の頭を撫でる。
手触りのいいサラサラの髪の毛、きめ細やかな肌、アメジストの瞳がキラキラと輝いて上目遣いをした後、こちらに顔を向ける。
『ほんとか!?』と嬉しそうな声が心地いい。
撫でながら今にも理性が飛びそうになっている乙夜に落ち着け、と目配せをする。
雪宮は『楽しみだね、』と優しく微笑みかけているがその瞳の奥は笑っていない。
正直、恐ろしいと感じた。
雪宮にも、乙夜にも。
あの日を越えて、この子が目の前に現れてから”本物”になった。
そんな二人を見て、今の自分はしっかり笑えているか不安になる。
ふと目に入った服屋の窓ガラスを見ると、目に光がない自分の姿が写る。
結局自分も彼らと同じか、と呆れ、溜息が出る。
人の事言えないな、本当に。
彼らを恐ろしいと感じる権利は、もう今の自分には無い。
誰よりも凡である自分が、もう凡人として傍観者を決め込む事は無理になった。
それが自分にとっていいことなのかは分からない。
いつかはこの愛しい小さな手が、自分の元を離れていくと思うと、怖くて、不安になり、そんな想いに潰されそうになって、自分が弱い人間であると再確認する。
今度こそは、離さない、この手を、振りほどかれそうになっても、絶対に。
「…?かりゃしゅ?、どうしたんだ?」
キョトンとしたようにこちらに顔を向けた姿は純白というのが似合っていた。
どうかこのまま何も知らぬ純情なままで。
この歪な”あい”がバレませんように。
ーーーー❤👼ーーーー
街中であいつに会った。
あの日からもうい無いはずのあいつに。
『あっ!くにがみ!!』
こちらに気づいたのか、大きく手を振ってくる。
隣には烏や乙夜がいた。
正直自分の目を疑った。
何度目をこすっても目の前の景色が変わることは無い。
ーーーーーー🗓+3=❇️ーーーーーーー
あいつが死んだ日、俺と千切の心から光が消えてゆくのがわかった。
何よりも、全てを投げ打ってでも守りたかったものを失った瞬間。
あの日から、何も変わらない、 全部、なんでもないように振舞ったが、長くは続かなかった、睡眠時間は半分も減ってしまっていたし、ふと思い出しては、膝を抱えるようになった。
もう死んでしまった、と割り切ってしまえたらどんなに楽だったか。
あの日から三年がたった今でも、まだ割り切れていない自分がいる。
だからこそ、嘘だと思った。
目の前にあいつが居たから。
神はどこまで俺を苦しめれば気が済むのだろうか?
こんな幻覚まで見せて、何をしたいのだろう。
そんな俺の考えを気にもとめず、紫髪が揺れ、ぽてぽてとこちらに走ってきては、俺の足元にぎゅっと抱きついてきた。
「たはっ!、つかまえちゃ〜!」
嬉しそうにしながらそう言っている姿はあいつそのもので、呆気にとられる。
震える指で、そっと頬に触れる。暖かい。
あの日から二度と感じることが出来ないと思っていた温もり。
両手で頬を触って、本物だと、幻覚ではないと、実感する。
「ピャッ!ちゅめちゃッ!!」
頬に触れた冷えた手に反応して、ビクッと揺れているからだが愛しくて、まだこの子が生きていると実感する。
「やっと見つけた!!」
「「、?、」」
怪しいマスクをつけた男がこちらへ来る。
「ほらっ!もう行くよ!!」
そう言いながら男は玲王の腕を掴む。
「へっ、」
「すいませんうちの息子が!!」
……は?
「だりぇ、?」
あいつは不思議そうな顔をして怖がっている。
「もうまたそんなこと言って!!ほら行くよ!!!」
強引に男はあいつの腕をひこうとする。
まってくれ、行かないで、連れていかないでくれ。おねがいだから。
もう失いたくないんだ。
「くにがっ……」
今にも泣きそうな顔だった。
思わず、叫んでしまった。
「やめろ!!!」
ーーーーー👟+✂=🎀?ーーーーー
聞き覚えのある声だった。
けれど、その声は今まで聞いたことないくらい強くて、必死だった。
「やめろ!!!」
その声を聞いた瞬間に、体が動いていた。
その視線の先にある奴に向かって走っていた。
あの日から短くなった髪の毛は重りにならなくて、ずっと昔よりも早く走れた気がした。
「なにやってんだよ、お前。」
睨みながら腕を掴めば、男は冷や汗を書いて焦っていた。
脚にぎゅっとなにかが掴んでくる感覚がする。
下を向けばあの日居なくなったはずの紫髪だった。
「ちぎり、!!!ひしゃしぶりだにゃ!」
二パッと、太陽のような笑顔をこちらに向けてくる。
その瞬間に、俺の中の何かが途切れた。
「あ、、あ”ぁ”……」
気づけば小さな体を強く抱き締めていた。
この三年間、ずっと、ずっと待ち望んでいた日。
あの日からなくなった温もり、また抱きしめられるなんて思ってなかった。
「…ふぇ?ちぎり、?」
「れぉ……れぉ、、もう、はなれないで、どこにも……行かないで……。」
「……うん。」
情けない、けれど許して欲しい。
「おい、」
ドスの効いた声が後ろからする。
声をかけられたのは俺じゃない。
目の前にいた、玲王を連れていこうとした男だ。
「ひっ、」
「この子は俺達の従兄だ。わかってんだろうな、保護者気取り誘拐犯。」
見たことないくらい怒っていた國神の前に玲王を差し出す。
「らんぼうは、め!だじょ!!」
ぷくーっと頬を膨らませながら可愛らしく言う姿に、俺も國神も笑ってしまう。
「「次はねぇからな?」」
笑顔で男にそういうと男は「は、ハイッ!!!!」となんとも情けない声を出して走り去った。
「くにがみ、ちぎり、」
地面に下ろすと、玲王は口を開く。
「ありがちょな!たしゅけてくりぇて!」
「ん”ッ”ッ”」
ハートが完全に撃ち抜かれた。
なんでこんなに可愛いんだろうか。
癒しでしかない。
「ちぎり、髪切っちゃったんだな、、」
しょんぼりとした風にレオは言う。
「あ、…嗚呼。乾かすのも大変だしな。」
「そっかぁ…………おれ、ちぎりのながい髪の毛、好きだったなぁ……」
「……れお。」
俺も、お前に乾かして貰えたあの長い髪が好きだったよ。
「でも!!今のかみがたも、にあってる!さすがちぎりだな!!」
そんなことを言われて思わず笑がこぼれる。
本当に、そういうところだぞ。玲王。
ーーーーー💤+3=👼ーーーーー
「くにがみ、ちゃんとねれてるか、?」
「えっ、?」
急にそんなことを言われてびっくりした。
今まで、誰にもバレなかったのに。
「めのしたにクマがありゅぞ、!!睡眠不足はめ!だぞ!!」
正論を言われ、思わず苦笑いをする。
「ううーん、」
返答に困っていると千切が口を開く。
「それなら、レオが一緒に寝てやれば?」
「おりぇが?、」
「そ、誰かと寝れば安心できるだろ?」
「…にゃるほど…さしゅがちぎり!!」
ふむ、と考えるようにして納得したように玲王はキャッキャとはしゃぐ。
「おう!、褒めよ!讃えよ!!」
ふふん!と三年前のようなやり取りをする。
なんだか、安心した。
それからはどんどん話が進んで行って、俺の部屋に着いた。
「ほりゃ!!くにがみ!ちぎり!ねるじょ!!」
もう入眠耐性に入ったレオはそう言いながら布団をポスポスと叩く。
俺達は言われるがまま布団の中に入る。
「なんだかチムレ時代を思い出すな〜。」
ニヒルな笑みを浮かべながら千切がいう。
「そにょせちゅはおせわに、にゃりました……」
恥ずかしそうにレオが言う。
「何かあったら言うんだぞ、」
「……くにがみもにぇ…………。」
抱きしめた体は暖かった。
嗚呼、
俺の、
俺たちだけの、
アカグロイテンシサマ。
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ひらり、と舞う白いレースがあしらわれたコートを着た姿がなんとも美しくて。
儚くて、本当に愛しい。
あの日俺は、赤薔薇が三本、青薔薇が四本、紅薔薇が四本の花束を持ってあの人の元へ向かった。
だが俺の目と耳に入ったのは、物言わぬあの人と頭が酷く痛くなるような悲報だった。
聞かされた瞬間に、自分の目からボロボロと涙が零れてくるのがわかった。
けれど試合に支障をきたす訳にも行かないから、俺はいつも通り振舞った。そうするようにした。
愛空はいつも心配そうにしていたが、ただでさえ苦労をかけているのだから、これ以上はかけられない。
それから、3年もたてば、九腸寸断したメンタルもなかなかに回復してきた。
自分でも回復が遅いと思ったが、これも惚れた弱みだ。
うん、仕方がない。
午前二時頃、携帯電話が鳴る。
画面を見れば糸師冴から電話がかかってきている。なんの用だよ、と思いながら電話に出ると、冴は何も喋らず、荒い呼吸音だけが聞こえてくる。
「もしもし?」
『____。』
ボソボソとしてなにを言っているのか分からない。
「は?なんて言っ((やっと見つけたんだ。』
酷く震えた声だった。
プツリと、電話が切れる。
何を見つけたのだろうか。
こんな夜中に電話をかけてきて、何を言いたかったのだろうか。
そんなことが頭の中を回って眠れなかった。
明日はオフの日で良かったと、切実に思った。朝焼けの空が綺麗で、思わず写真を撮る。あの日の前日にでも想いを伝えていれば、きっと、あの人とともにこの朝焼けも見れたのかもしれない。
後悔してももう遅いのに。
突然着信音が鳴り、静かな部屋の中に響く。
画面を見ると愛空からの連絡だった。
『今からここ、来れるか?』
という文面と共に、リンクが送られてくる。
なんだ?と思いながら画面をタップすると、喫茶店への地図だった。
なぜ唐突にこんなのを?とも思ったが、行けない距離でもないので『行ける』と重い体を起こしながら、返信する。
ペタペタと冷えた床と足が当たって音が鳴る。
タンスを開けてパジャマから外着へ着替える。
木枯らしが吹くようになって、そろそろ衣替えをしなきゃな、と思いながら玄関を出て歩き出す。
朝七時の川沿いは人があまりおらず、部活の朝練へ行くであろう学生が仲良さそうに歩いている。
十五分ほどすれば目的地に着く。
看板の前に立ち止まって、スマホを開いて確認する。
間違いない、この店だ。
木製のドアを開けるとカランコロンと鈴がなる。
キョロキョロと店内を見回すと、見慣れた顔が珈琲を飲んでいる。
俺が来たことに気づいたようで、紺と緑の瞳がこちらを捉える。
こっちこっちと愛空は手招きをする。
ニヤリと笑いながらポンポンと愛空は自分の隣に誘導する。
テーブル席なのだから、向かい側に座らせればいいのにと不思議に思いながら誘導されるがまま隣に座る。
「もうそろそろつく頃だから、なんか頼めば?」
誰が?と聞く間もなくメニューを目の前に出される。
もやもやとしながらと朝ご飯を食べていなかったのでサンドイッチを頼む。
しばらくすれば、サンドイッチが運ばれて、それと同時に誰かが店の中に入ってきた。
愛空は「お、きたきた」と嬉しそうに言いながら手を挙げる。
サンドイッチを口に含みながら、ドアの方を見ると、夜中に電話してきた冴が立っていた。
いつも以上に虚ろなターコイズブルーの瞳がこちらをチラリと見れば、ゆっくりと歩いて来る。
物の影になっていて気づかなかったが冴の隣には子供がいた。
その姿を見た瞬間、圧倒されてしまった。
その姿は、俺の琴線に触れたのだから。
サラサラの紫髪、宝石をそのまま埋め込んだかのように大きいアメジストの瞳。雪のように白いきめ細やかな肌。血色のいい桃色の頬。
もう会えないと思っていた。
一生叶わないと思っていた。
体はあの人よりもふたまわり以上小さい。
だが、確実にあの人だ。
ハクハクと声にならない声を出そうとして口が動く。
二パっと可愛らしい笑顔を浮かべて、「しぇんどう!、あいう!ひしゃしぶりだにゃ!」
と紫髪が揺れ言葉を発する。
ボロボロと涙が溢れてくる、今自分は情けない顔をしているのだろう。
女の子好きの俺が女の子に目がいかないくらいに好きになった、死んでしまったあの人が、今、まさに目の前にいる。
「ふぇっ?!しぇんどう!だいじょうぶか?」
と言いながらこちらに近づき、抱きついてくる。
小さい身体を抱き上げて、ギュッと強く抱きしめる。
暖かい体温と優しい石鹸の匂いが香る。
「…よしよし、しぇんどうはいいこだなぁ、いっぱい泣いていいぞ、」
と言われながら紅葉のような手で頭を撫でられ、おいおいと泣いてしまう。
もう二度と、失いたくない。
「それで?、二人はどこで出会ったんだ?」
十分ほどして俺の涙も落ち着いた頃愛空は冴に質問する。
「……。」
冴は何も答えずただ虚ろにこちらを見るだけだ。
そして突然フッと笑ったかと思えば、「見つけたんだ、だから連れてきた、あそこから」と答えになっていない答えを返す。
「…連れてきた?、なんだ、誘拐でもしたのか?」
冗談交じりに愛空は質問を続ける。
だが冴は質問に答えない。
「…。」
まるで沈黙が正解であるかのように。
苦笑していた愛空の顔から笑みが消える。
「おい…お前まさか……。」
額に汗をかきながら愛空は言葉を続ける。
「……。」
ニンマリとした不気味な笑みをしながら冴はまた口を開く。
「言っただろ?連れてきたんだ。…あそこから。」
ひゅっと全身から血が抜け落ちる。
俺の膝上にのっている紫髪は状況が理解できてないらしい。
コップに注がれたオレンジジュースをストローでチューチューと呑気に飲んでいる。
横目で愛空を見ると般若のような顔をしている。
あ、ヤバい。と思った時にはもう遅かった。
「お前ッッ!!、自分が何やってるのかわかってんのか??!!」
ガタンッと勢いよく立ち上がったかと思えば冴の胸ぐらを掴みながら愛空は怒鳴り声をあげる。
「もちろん。わかってる」
虚ろな目からいっぺん、そこには決意に満ちている瞳がある。本気なのだと、再確認する。
「ッ、!!!」
「やめろ、愛空。こんな所で。この子も怖がってるだろ。」
今にも殴りかかりそうになる愛空をそう言ってなだめ、紫髪をそっとなでる。
「…わかった。」
「…会計お願いしまーす!。」
と愛空は店員を呼ぶ。
会計が終わるとあの子は小走りで店の外へ出る。
「どうだ?、しぇんどう!」
そう言いながらくるりと踊るように一回転して、白いレースがあしらわれたコートがひらり、と舞う。
「……うん、とっても綺麗だよ」
微笑みながらそう伝えると、彼はにへらと笑いながら俺の手を掴んで「そうだろ!」と自慢げに言う。
美しく儚い人。
「えー?俺は~?」
と愛空は言うが顔は笑っている。先程まで般若の顔をしていたとは思えない。
「んへへ、あいう!、どうだ?」
「とっても可愛いぞ!」
「たはっ!だろ〜?」
なんとも微笑ましい会話が目の前で繰り広げられている。
もう二度と離す気はない。
やっと見つけたのだから。
愛しい人よ永遠に我が身と共に。
コメント
2件
やばい自分の好きな感じドンピシャ過ぎてマジ感情移入しました!書くの上手すぎる😭冴は一体どこから玲王を連れてきたのか気になる✨