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インタビュー後、控え室
◯侑
控室に入った瞬間、スマホが震えた。
画面には――🌸からの電話
〈……侑、かわいかったで〉
侑「っ……やめぇや!!見とったん!?」
すぐに返信が来る。
〈どの侑も好きだけど、照れてる侑一番好きかも〉
侑は顔を覆い、耳まで真っ赤にしてソファに沈み込む。
「……帰る。はよ帰って、ぎゅーしたい……」
誰より子供っぽい天才セッターは、
誰より奥さんに弱かった。
そしてその“弱さ”を、
誰より幸せそうに抱きしめていた。
◯角名
控室でスマホを開くと、すぐに電話が飛び込んできた。
〈全部かわいいって何それ。恥ずかしいんだけど〉
角名はふっと笑う。
「事実やし」
すぐ返信。
〈帰ってきたら抱きついてくれるんでしょ?〉
角名の指が止まり、目尻が緩む。
「うん。襲うかも」
と言った瞬間、自分で少し笑う。
電話を切って余韻に浸った。
「……はよ帰ろ」
無気力でスロースターターな男が、
足取りだけは誰より早く控室を出ていった。
奥さんに会うためだけに。