キーンコーンカーンコーン
「はい、授業終わりにします」
日直が号令をし「ありがとうございました」と言って
彼女は教室を出た
そしてそれと同時にこちらに顔を向けた樹を見て
北斗「樹、一緒に英語の係やんね?」
不意に出たのはそんな言葉だった
樹「お前〇〇先生大好きじゃん!」
北斗「やらない?」
樹「やるよ!!」
樹の言葉に否定も肯定もせず
疑問で答えた
樹はもちろん話にノってくれて
次の時間の係決めでは
二人で英語係に立候補した
運がいいことに他の立候補者はいなくて
すんなりと決まった
樹「北斗よかったじゃん!」
北斗「うるせぇーよ」
それから樹は一日中ずっとそんなことを言っていた
帰りのホームルームが終わると
樹は「今日から〇〇先生来るんだ〜」とか言って
俺に自慢してきた
そんなことばかり言ってくるから
はいはい、と適当に流して帰った
樹「えー冷た。もういい!〇〇先生と一緒に行くもんねー」
北斗「勝手にしてろ、!」
そう言って
まだ教室に残っている先生の方へ走っていった
樹「せんせー!一緒に行こー」
「少し職員室行ってから行くから先行って準備してなさい!」
樹「えーいいじゃん!別に」
あざと歩くスピードを遅くして歩いていたら
ちょうど教室を出たところで
樹と先生は俺を追い越した
樹はこちらを見て「じゃあな」と手を振り
先生も「松村くんさよなら」と言った
二人はまた前を向き
俺との距離をどんどん広げる
それにむかついて二人に出くわさないよう
俺はさらに遅く歩いた
樹は斎藤先生の事が、と
考えたくないことを考えながら
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