テラーノベル
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「ボクはお前が嫌いだ!!!」
違う。違う、違う違う違う。
嫌いなんかじゃない、逆だ。好き、好きなんだよ。
「へ~、そうですか」
「奇遇ですね、僕もあんたの事嫌いです」
知ってる。そんなの知ってる。
てか、何でニコニコ笑いながら嫌いとか言ってくるんだよ。しかも傷付くのはボクだけとか意味分かんねぇ。
お前もボクの「嫌い」って言葉に、モヤモヤしろよ。
好きなのは、ボクだけかよ__
『 早く振り向いて 』
Prolog . 鳴海弦と想い
鳴海side
「なんでお前がいるッ!!!」
「細目とオカッパは出入禁止だって何回言ったら分かるんだ!!」
「鳴海隊長だって、許可もろてますよって僕何回も言うてんのに、 いつになったら意味が分かるんでしょうね~?笑」
「な”ッ、だからそれは…!!」
まただ、また意味の無い様な喧嘩をしてしまう。
ボクは保科と話したいだけなのに。
いつ、コイツを好きになったんだっけ。
それすらも分からない。 いつの間にか好きになってたから。
ボクがあんなのに惚れるなんて思ってもみなかった。
彼奴がここ、有明りんかい基地に来るたび、
「嬉しい」と思っている自分がいた。
彼奴と口喧嘩するたびに聞く、「嫌い」という言葉に、ずっとモヤモヤしていた。
長谷川にこの事を相談して、
「それは恋じゃないか?」と言われてやっと気付いた。
「いや、そんなわけない!!」と、その時は全否定したが。
保科side
「なんでお前がいるッ!!!」
まーた始まった。
この人ほんま、喧嘩売ることしかできへんの?
……ちょっとぐらい、僕にデレてくれたってえぇやん。
…いや、ないか。そんなの。
鳴海隊長が僕にデレるとしたら、せいぜい金を貸した時くらいかいな、笑
「悲しいわぁ…」
「…何か言ったか?」
「いーえ、何も」
「…ッとにかく、ボクはお前が嫌いだ!!」
「もう知っとります。何回言うたら気ぃ済むんです?笑」
「てか、僕もあんたの事嫌いですし笑」
胸がズキズキする。嫌いじゃないのに。寧ろ好きなのに。
…一つ気になるのは、鳴海隊長が僕に嫌いて言うた時。
一瞬、ほんとに一瞬。悲しいような、そんな顔をする。
「…じゃ、僕帰りますわ」
「もう二度とくんな!!」
…ほら、悲しいみたいな顔した。
嘘…やったりするんかな、笑「もう二度とくんな」ってのは笑
「また会いましょね?笑」
「……ッ、…あぁ、」
…え?今「あぁ」て言うた?てか何今の間?
いやいやいや、聞き間違いや。
声小さすぎて聞こえんかったし、幻聴や、幻聴。
鳴海隊長が好きすぎて幻聴が聞こえたんや。
……いや、それもやばいな。
…ま、もうえぇわ。
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コメント
3件
なんだろう、こう、言い表せない尊さが詰まりすぎてて無事天に召されそう😇 この両片思いの切なさ、?みたいな感じがちょーーーーーー好みすぎて、! ただ語彙力無い所為で良さを表現できないのが申し訳ない、、