食堂はお腹を空かせた生徒で賑わっており、夕麗もお昼はランチラッシュのご飯を食べる……なんて事はなく、何故か相澤に捕まり職員室に来ていた。
「なんで私捕まったんですか!?お茶子ちゃん達とランチラッシュのご飯食べるつもりだったのに〜〜!!」
「ランチラッシュは今日休みだ。新メニューの考案で今他の先生達に意見を聞いている。それと、お前そのキャラ疲れないか?」
「え?なんのことです?」
(ああ、他の先生のことを気にしてるのか)
「…そうだな。んで、お前両親いないと言ったな?」
「はい!」
「身内もいないと言ったな」
「そうですね」
「……どうやって学食を食べるつもりだ?」
「アルバイトしてたのでそれで。」
「朝と夜は?」
「えっとぉ〜……」
「目を逸らすな。言え」
「命令形!!……山菜ですよ。山で取れるんで、それで。」
「やっぱか……お前、東にある山の中に住んでいると言ったな?通学時間は?」
「えーと、だいたい2時間…くらいですね。」
相澤は東を見た。聞き耳を立てていた教師達も東を見た。うん、遠い。
「あーー……お前、バイトっつったってそんな貯金ないだろ。最近雄英バリアも何者かに壊されたばかりだし、いつヴィランが来るか分からない。近くのホテル借りるから、そこに住め」
「ええー。先生贔屓は良くないですよー?」
「贔屓では無い」
「いや、完全に贔屓でしょ!?」
「いいか?身寄りのない子供は大人に保護されるのが普通だ。お前みたいに自給自足で暮らすやついねーよ」
「えー!でも、迷惑掛けるんならこの暮らしのままでいいですよー!別に電気や水が通ってなくたって普通でしたし〜」
「は???」
「え?」
「電気も水も通ってない、と?お前、風呂はどうしてるんだ」
「あ、やば……先生、セクハラ?ですよ!!」
「あ?」
「ごめんなさい」
「……俺が嘘だと思った場合、または話さなかった場合学食奢るからな」
「は!?」
「風呂はどうしてる?」
「横暴ですよ!!?」
「1回な。」
「……ち、近くに川があるから…最近は、それで…」
頭痛がしてきて頭を抱える。ミッドナイトは夕麗を連れ回して沢山買い物すると誓い先程倒れた。
「お前……本当に朝夜と飯取ってるのか?」
「と、取ってますよ!」
「2回な」
「何故!?」
「3回」
「ああああ!言えばいいんでしょ言えば!!山菜が取れなかったら熊や猪が出るのでそれを倒して食べたりしてます!それすら取れなかったら木に齧りついてます!普通に食べれるので!」
新メニューの考案をしていたランチラッシュは厨房へ全力ダッシュした。育ち盛りの子が木に齧り付くなんてあってはならないと食材を取りだしフライパンを持つ。因みにこの後美味しそうに食べる夕麗を見て「私がこの子の母親です……たんとお食べ………」と言って泣き崩れたのは余談である。
「服は?」
「制服と隊ふ…私服を1枚持っているので買う必要ないんです」
「明かりは?」
「火を起こしてます。明るいですよー!」
「防寒は?」
「服が暖かいので…」
「4回」
「いや本当なんですって!」
「5回」
「信じてくれない!!」
因みにこれはガチである。隊服は防寒もできるし破れにくいのだ。
「……まあいい。本当だとしよう。寝具は?」
「普通の布団を使ってます!」
「……」
「その疑いの目やめてくれません!?本当ですから!!!」
「よく分からんが、お前らくらいの歳はメイクとかすんだろ。どうしてるんだ?」
「え?化粧ですか?やりませんけど」
「買い物行くわよ!!!」
「え?ミッドナイト先s」
「行くわよ!!」
「いやでも授業」
「サボるわ!!」
「先生が堂々とサボる宣言した!?」
「あーー…こうなったミッドナイトは止められない。頑張れ」
「助けてくださいよ!?ねぇちょっと、ねぇ!?無視しないで!?あ、ちょ……相澤先生の悪魔ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
夕麗の断末魔が学校中に轟いたのだった。
友人からギャグテイストがいいと言われたので……ちょっと面白くしてみました(言うほど面白くない)
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