「さぁ、じゃあ決まり。まずは一旦色々と整理していきましょ。」
彼女…めめんともりさんは初対面とは思えない程の気楽さで、そして僕を手招きし何処かへと連れて行った。
そこは所謂雑貨屋で、何を買うのかと思えばノートを手に取りすぐに店を出た。
意外と悩んだりはしていなくて、既に決まっている様に見えた。
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私はノートを手に持ち、彼を自宅に連れていった。普通、初対面の男性を家に入れると言うのは抵抗感があるのだが、不思議と彼ならいいか、と思った。
自宅に上がった彼は自宅に招かれると思ってもいなかったのかびっくりしていたけれど、その反応を待つ時間も惜しかったので、私の狙いを説明する。
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「軽くお互いの過去を紹介しようと思って。このノートに過去を整理して、やり残した事を明白にするの。勿論私も自己紹介と言う意味で書くから。」
成程。その為に人の居ない自宅に呼び出したと。辻褄が漸く合った。
「時間は~…そうね、2時間でいいかしら?」
それくらいで良いだろう。どうせ自分なんて然程書くことなんて無いのだから。
と思っていたのだが…いざ書き始めると時間が足りないほどだった。勿論、大半は病院の中だったけど、初めてお見舞いに来てくれたこと、初めて学校に行ったこと、1度退院出来たこと、そんな思い出がスラスラと今までなら思い出せなかった事まで思い出せた。
めめんともりさんもそれは同じだったようで、1度視線を交わし微笑みあった後、無言の延長をした。
書き上げたその時にはもう既に日は落ちていたが、それでも疲れた、なんてことは無く無論1度中断し帰るという選択もなかった。
「じゃあ…まずは私から。」
そう前置きをした後、僕は衝撃的で、あまりにも非現実的な事を知る。
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「私は”不老不死”。まぁ貴方達の言う”神”かしら。そしてかつて滅んだ地球をもう1度復興した。ざっとこんな感じ。」
僕はそんな現実には有り得ないで在ろう事を目にし、思わず え_ と声を漏らす。
でもそんな僕をお構い無しにめめんともりさん(今後は省略しめめさん、と呼ぶ事にする)は話を続ける。
「不老不死…その名の通り私は何億、何兆と生きてきた。地球復興だけでも数えるのが億劫な程の時間を要したから。」
当たり前だ。まず地球が滅んでいた、なんて事実を信じる事も出来かねないがめめさんの顔は驚く程に真剣だった為、一先ずは信じるしか無かった。
「それで…勿論ずっと1人だったけど、でも1人じゃ無かった。いつもずっと仲間が側に居てくれた。でも、私は老いない。その恐怖から離れていく者も居れば私の前で寿命として消えていった者も居る。」
でも、と続ける彼女の身体は震えていた。
「私だけがおいてけぼりにされてる気分だった。自分の種族を憎んだ。何で私も人間として生まれられなかったんだって。私は、人間として生きられないこの種族が嫌いだった。これ以上仲間の死を見るのが嫌だった。だからずっっと1人で生きてきた。だから小説を書いて、現実離れした馬鹿馬鹿しい自分を取り繕った。そしたら気持ちが楽になれたから。」
そう洗いざらい話した彼女は、此方に苦しそうな微笑みを少しの間見せると、すぐに切り替え、重い話をしてごめんね。とケロッと元通りになった。
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あー、また迷子ですわ!!!?
糸冬案件ですねコレは。
まー迷いながら進めて行きますよ。
👋🏻
コメント
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はあああああ最高