「今日も、1人ぼっち。」
夏の夜の心地よくて、どこか寂しい風が、
私を包み込む。
辺りはもう真っ暗で、午後7時を過ぎようと
している。
普段騒がしい公園には誰もいない。
ただその公園にあるブランコが、寂しそうに
風に揺られて揺れている。
少し錆びてて古臭い。
「急いで帰らないと。」
足がどんどん早くなる。
でも、あのブランコのことを思い出した瞬間、
足はどんどん遅くなる。
帰らないといけない。いけないのに、
足が動かない。
どうしたものかと自分でも、暑い夏を
通り越してくるような、冷や汗が
ダラダラと出てきている。
帰りたくない。自分の脳が自分に
こう言い聞かせてる気がする。
帰らないといけない。帰りたくない。
そう考えた途端、私の体は吸い込まれるように
先程のブランコがある公園へと
私の足がどんどん早くなって
私の体が勝手に動いて。
その公園に着くまでの時間は、
普段の帰り道よりも、何倍にも長く思えた。
そしてとうとうそのブランコに着いた。
ギィギギ…カチャカチャ…
「ちょっとくらい…いいよね。」
ブランコを漕ぎ出すと、辺り一面が
水で覆われたような冷たい風が
肌を伝ってくる。
まるで異世界のような空間に来たみたいだ。
夏の夜。暗いはずなのに。
辺りが水色に輝く。
気がつくと、私はまるで空に吸い込まれた様に
一心不乱に空を眺めながら
ブランコを漕いでいた。
気がつくと、私は
「異世界に、来てしまった。」
NEXT♡ 1つでも着いたら出します。
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