テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

間柄に名前をつけるなら

一覧ページ

「間柄に名前をつけるなら」のメインビジュアル

間柄に名前をつけるなら

128 - 第6章 変わり始めた間柄 第128話

♥

16

2025年08月30日

シェアするシェアする
報告する

境内に続く参道を歩いていると、前方から浴衣姿の女の子が手を振ってくる。


「咲ー! やっと見つけた!」

息を切らしながら駆け寄ってきたのは、美優だった。


「ごめん、待たせちゃって……!」

咲が安心して笑みを返そうとしたその隣に、見慣れた背の高い影があった。


「……お兄ちゃん?」


兄の姿に咲は目を瞬かせる。どうやら偶然、美優と合流していたらしい。


「お前ら、こんなとこで会うとか奇遇だな」

亮は頭をかきながら、少し照れくさそうに笑う。


「お兄ちゃんも来てたの?」と咲が驚くと、美優が頷く。

「さっき屋台で会って……一緒に回ってくれるって」


すると亮が横目で美優を見て、にやっと笑った。

「美優ちゃんはちっこいガキの頃から知ってるからな。こうして浴衣なんて着てると、変な感じだわ」


「ちっこいガキって! もう子どもじゃないです!」

ぷくっと頬をふくらませる美優に、亮はケラケラ笑う。


そんな二人のやりとりに、咲は思わず吹き出した。

(……なんか楽しそう。見てるこっちが笑っちゃうな)


悠真も隣で小さく笑い、「仲いいんだな、あの二人」とつぶやいた。

祭囃子に混じる笑い声が、夏の夜をいっそう華やかにしていた。

間柄に名前をつけるなら

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

16

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚