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4人で並んで歩き始めると、夜店の明かりが次々と視界に広がった。
「わっ、金魚すくいだ!」
美優が目を輝かせて駆け寄ると、亮が後ろから肩をすくめた。
「美優ちゃん、絶対すぐ破るタイプだろ」
「ちょっと! やってみなきゃわかんないでしょ!」
張り合うような二人のやりとりに、咲はまた笑ってしまう。
その隣で悠真は、ふと咲の浴衣姿に視線を落とした。
「……似合ってるな」
え、と咲が顔を向けると、悠真はあえて目を逸らして屋台の方を見ていた。
(……今、褒めてくれた?)
胸の奥が熱くなり、提灯の灯りが滲んで見えた。