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とても雨の強い日だった。
私は、小学校6年生から付き合っていた人がいた。私はその人のことを愛していたし、相手も、愛してくれていると思っていた。中学生になって、クラスが違くなるまでは。
私は1組で、彼は3組。これほどクラス替えがあって欲しいと思ったことは無い。クラスが変わり、部活も違くなり会える日も少なくなってしまった。私たちは、遊ぶことはもちろん、話すことも少なくなってしまった。でも、私は彼のことを目で追っていたし、彼も私を見ていてくれていた、はず。中学3年生の春、彼に学校のベランダにある木の下に呼ばれた。学校で話すことは懐かしなったから、私にはどんな話か想像できなかった。
「どうしたの??呼び出すなんて珍しいね。」
「急にごめん。俺と別れて欲しい。」
「えっ…じょ、冗談だよ、ね?」
「本気。」
「き、嫌いになったの??私なんかしちゃった?」
「ううん。嫌いには、なってない。」
「じゃ、じゃあなんで…」
「ほら、最近話してないじゃん。会えないし…付き合ってる意味あるんかなって。」
「これから話そう!たくさん。だから、そんなこと言わないで…」
「これからは、友達として、ね。」
一瞬、世界が真っ黒に見えた。これが、絶望というものなのか。彼が、ここから立ち去ろうとしているから、とっさに…
「わ、わかった。でも、1つお願い聞いて欲しい。」
「いいよ。なに」
「別れたことは、誰にも言わないで欲しい。ほら、元々色々噂にされてたから、このことがきっかけで色々聞かれるのもやだし、噂立てられるのもやだから。」
「わかった。でも、何かで気づかれたらごめん。」
「それは、いいよ。できるだけ、で。」
「ずっと好きだったよ。」そう言おうと思ったけど、何か言われるのが怖かったから、私は何も言えずに、私から離れていく彼の背中を見ることしかできなかった。
「あれ、目がぼやけて、うまく、見えないや。」
「今まで、ありがとう。」