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なんて素晴らしい作品をつくったくれたのですか。
その知らせは突然だった。
昨晩の会議を終え、知らぬ間に眠りについていた私には、にわかにも信じがたいニュースだった。
「50代男性 〇〇駅で飛び降り自殺」____
〇〇駅、それは昨夜私が乗る筈だった駅だ。
しかし、タクシーで帰宅したため、その駅の惨状を目の当たりにすることはなかった。
………それだけではない。いや、注目すべきはそこではない。
「死亡したのは徳永健人さん(54歳)」
旧友の名。
息を飲んだ後、拍動が益々早まっていくのを感じた。嫌な汗が全身から吹き出て、息が荒くなる。
……いや、同姓同名の可能性だってある筈だ。大体、2011年生まれの徳永健人だなんて何人もいる筈だ。そして、いつもあれほどポジティブだった健人が自ら死を選ぶだなんて、そんなことありえない。
手が震えた。
…………違う。震えたのはスマホだった。
「ケンティー自殺したのってマジ!?」
「本当らしい……遺書見つかったって」
「嘘でしょ……今度娘さんの結婚式だって言ってたのに……」
クラスLINEが、数十年振りに動いた。卒業式から時が止まっていた2年1組が。
心臓が今までにない程の速さで揺れた。思わずスマホを落として、鈍い音が鳴った。
激しく動く心臓に誘発されて吐き気すら催した。顔を伝う液体は、涙なのか汗なのかわからなかった。
すると、再び床のスマホが唸った。
深夜2時のラウンジ。
そこに集められたのは、5人の大臣達だった。
奥から山口、坂田、飯島、渡部、そして尾崎。
「大野首相、こんな夜中に何の用事でしょうか?」飯島が尋ねる。
「…….君たちに見せたいものがあるんだ」
首相は目を伏せながら呟いた。
しばらくすると、5人の大臣は議事堂の小さな部屋へと連れて行かれた。
(こんな部屋もあったのか…)
朝、あんなニュースがあったと言うのに、私は冷静さを取り戻しつつあった。
その部屋にあったのは、病院にあるようなベッドが一台と、最新型のコンピュータだった。
「………これは?」
「………私たち内閣は、A商社と長い間共同開発を行ってきた。………それがその成果だ。」首相の声は酷く冷静で、淡々としていた。
「タイムマシン、と言えばいいかな」
5人は息を飲んだ。そんな5人の様子を見ながらも、首相は淡々と述べる。
「この中から1人、タイムマシンの被験体として40年前に戻り、日本の未来を『改変』して欲しいんだ。」