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︎︎ かなトワ、髪型変更🈶、学P


 

  ___ジリリリリリリリリ。




︎︎ 耳を刺すような、金属が悲鳴を上げるような音が、夢を容赦なく裂いた。はあ、さっきまでイケメンに囲まれて気持ちよくなってたって言うのに……最悪だ。



「ん…うっさ……」



︎︎ 目蓋が重く、手は布団のどこかに埋まったまま。それでも、あの音はしつこく、脳を揺さぶるように鳴り続ける。このしつこさは、まるで夜人が寝ようとしている時に限って、耳元で羽音を鳴らす鬱陶しい蚊のようだった。


︎︎ やっと指先が固い金属に触れた瞬間、画面の数字が視界に飛び込んできた。



︎︎  始業五分前。



「は?」



︎︎ 数秒間、脳が理解を拒んだ。結構マジで理解をしたくなかった。いや、したかったけど、したくなかった。意味わかんないけど。



︎︎ 次の瞬間、血の気が一気に引き、体が勝手に跳ね上がる。



「やっ、やばっ、やばい!!」



︎︎ 布団を思い切り蹴り飛ばし、体のバランスを崩したまま床に片足を引っかけ、半分転がるようにしてゆっくりと起き上がる。


︎︎ 床に触れた部分がわずかに冷たくて、思わず顔をしかめる。周囲には布団の乱れと、自分の起き抜けの荒っぽい動作が重なり、カサカサ、ガサガサと小さな物音が部屋の中に散らばる。


シャツはぐちゃぐちゃに丸まっていて、袖の位置がどこか分からない。思わず手を伸ばし、布の塊をかき回すように探る。



「ちょ、どこ!?僕の袖どこ!?……あった!」



︎︎ 慌てた声が、自分の耳元で反響する。


︎︎ 腕を突っ込みながら布を引き裂くようにしてシャツを整えつつ、体はまだ半分寝ぼけたまま部屋の中を蛇行する。ついでに目の前にあったものを手当たり次第に掴んでしまう。


「あれ?ネクタイ……?」


︎︎ と考えた瞬間、手に握ったのは靴下だった。思わず


「靴下!?違う、違う!」


︎︎ とつぶやきながら、また手を伸ばしてシャツの袖を探す。



︎︎ 布団のシーツやクッションの上を行ったり来たり、頭の中はまだ眠気と混乱でぐるぐるしている。手に触れたものが何なのか、一瞬判断がつかず、見間違いに笑いがこみ上げる。


︎︎ そんな自分の慌ただしい動きと、無秩序に散らかった部屋の様子が、まだ朝の眠気に包まれた頭にさらに拍車をかけていた。



︎︎ 洗面台へ駆け込み、冷たい水を勢いよく顔にぶっかける。水の衝撃に思わず目を閉じ、肩で荒い呼吸を繰り返す。


︎︎ 心臓はまるで弾むボールのように不規則に跳ね、耳の奥までドクドクと響く。指先まで冷たさが染み渡り、少しの間だけ現実から引き離された感覚に包まれる。



︎︎ 鏡に映った自分の顔は、寝癖でふわふわと浮き上がり、目の周りの眠たげな腫れと相まって滑稽そのものだ。思わず口元が緩み、笑いが込み上げる。



「……最悪…ッ!!」



︎︎ 叫ぶように呟く声は、怒りと焦りと自嘲が入り混じり、鏡の向こうで震えている自分に当てられる。



︎︎ 鞄はプリントやノートを押し込むだけ押し込み、形が歪んで膨らんでいる。


︎︎ 靴はかかとを踏んだまま無理やり足をねじ込み、玄関のドアノブにしがみつくようにして勢いよくひねる。鍵の感触も手のひらに伝わらず、指先が凍りそうに冷たい。



「ほんとお願い、ガチ、間に合って…」



︎︎ 小さな声でつぶやきながら、ドアを押し開ける。外の空気は凍りつくように冷たく、身体に触れた瞬間、自然と前へと飛び出す。


︎︎ 息を吸うたびに白く吐息が散り、風は肌を裂くかのように冷たく、頬や手の甲を痛く締めつける。



︎︎ 通学路の角が目に入った瞬間、胸の奥の焦燥が頂点に達した。時間は刻々と過ぎ、足は無意識に速まる。地面の感触、風の抵抗、街の匂い、すべてが意識を研ぎ澄まし、心拍の異常なリズムと呼吸の荒さが、彼女の体を突き動かす。




︎︎  __その瞬間。



「うわっ!?」


「いでっ!!」



︎︎  そのまま正面衝突してしまった。



︎︎ 肩に鋭い衝撃が走り、全身がぐらりと揺れる。相手の短い吐息と、自分の鞄がぶつかる音が混ざり合い、頭の中が一瞬真っ白になる。思わず顔をしかめ、手で鞄を抱え直す。



「ねえ!ちゃんと前——!」

「ごめんなさい!急いでるの!!ほんとに!」



︎︎ 勢いだけで頭を下げ、そのまま前へと走り去る。背中越しに「は!?」という声が聞こえた気がするが、振り返る余裕は一秒もない。


︎︎ 息が荒く、胸が早鐘のように打つ。腕を前後に振り、足は止まることを知らず、まるで自分が飛び出すために生まれたかのように前へと体を押し出す。



︎︎ 視界の端に学校の校門が飛び込む。しかし、鉄の門は今まさに閉まりかけていた。あと数10センチで完全に閉まる寸前だ。心臓が喉に飛び出しそうで、思わず叫ぶ声が喉の奥でつっかかる。



「おい!開けろ開けろ!!」



︎︎ だが門番の生徒は全然こちらを見ていない。焦りと恐怖で、頭の中は真っ白になり、思考より先に身体が反応する。足が地面を強く蹴り、空気を切る風が頬を鋭く撫でる。


︎︎ 視界が一瞬軽くなり、まるで身体が浮いたような感覚に包まれる。



︎︎ 手が門の上に届き、腕に力を込めて体を引き上げる。脚がしなるようにたたまれ、身体は空中でひらりと舞う。


︎︎ 頭の中で、落ちるな、絶対落ちるなと必死に念じながらも、空気の冷たさと速度の緊張で、全身の感覚が研ぎ澄まされる。



︎︎ 着地と同時に靴が少しずれ、バランスを崩すが、ぎりぎりこらえる。まだいけると、心の中で小さく息を吐く。呼吸が荒く、胸の内でまだ小さな鼓動が暴れているのを感じる。



︎︎ そのまま自動ドアをすり抜け、階段は二段飛ばしで駆け上がる。曲がり角で数人に「うわっ」と避けられ、すれ違いざまに軽く肩が触れる。


︎︎

腕の振り方や足の蹴り出しを必死に調整しながら、教室前にたどり着く。扉を開ける音と共に、空気が一瞬止まった。



︎︎ 先生の手が出席簿の上で固まり、クラス全員の視線が僕に刺さる。耳の奥まで熱を帯び、背中が椅子に沈む感覚もない。心臓はまだバクバクと跳ね、呼吸も荒すぎて言葉が崩れる。



「…すみま…っ……おそ……なりまし…っ」



︎︎ 深呼吸する暇もなく、言葉が息と一緒に途切れ途切れになる。先生は深くため息を漏らし、肩をすくめる。



「君ね。毎朝スリリングな登場をしなくていいの。」


「す、すみませ……」


「門も飛ばなくていいの。危ないから。」


「え!見てたんですか!?」


「校務の先生がね。“一人飛んだ”って。」



︎︎ 教室中から笑いが漏れ、耳まで真っ赤になる。席に着くと、背中が椅子に溶けるように沈み、呼吸を整えようと必死に肩を動かす。心臓の鼓動はまだ少し早いまま。



「さて。ホームルーム続けます。」



︎︎ 先生が黒板の前に立ち、チョークを持つ。



「今日は皆さんにお知らせがあります。__実は今日から、転校生が来ています。」



︎︎ 教室中がざわつき、僕も顔を上げる。胸の奥がざわつき、呼吸がわずかに速まる。



「では、入ってきて。」



︎︎ 後ろの扉が静かに開く。足音がゆっくり近づき、その影が教卓の前に立った瞬間__心臓がひっくり返る。まぎれもなく、さっき角でぶつかったあの人だ。相手も僕を見て、ほんの一瞬だけ固まる。



「今日からこのクラスに入りました。常闇トワさんです。皆さん、仲良くしてあげてくださいね」



︎︎ 先生が言い、視線は僕の隣の席に向かう。



「席は……天音さんの隣が空いてるわね。」


「!?」



︎︎ 心の声が外に漏れそうなほど驚く。相手も「え……」と言わんばかりに、わずかに眉を動かす。



︎︎ 横に来た転校生が小声で囁く。



「……さっきの。本当に急いでたみたいだね。」


「……ごめん…ほんと……色々…」


「どーせ寝坊なんでしょ……。」



︎︎ 言い返せず、小さく縮こまるしかなかった。


︎︎︎ 足先から頭のてっぺんまで、熱と恥ずかしさが一気に押し寄せる。呼吸を整えようとしても、胸の奥がざわつき、目の前の常闇を見てしまう自分に焦るしかなかった。



︎︎ というか、気になったのだが。こいつ初対面にしては距離が近い気がする。男……だよね?多分。声低いし〜、髪短いし?僕女だぞ!もしかしたら、たらしか?イケメンだし……僕好みでもあるの悔しい……。と思いながら、再度始まる先生の話を聞いていた。




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コメント

7

ユーザー

最高じゃぁないっすか…

ユーザー

続きは気分次第書きます

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