こんにちは、主です。意外とこうやって出てくるのは初めてかもしれない。
そんなことはどうでもよくて。
実は、このお話一年前くらいにメモに書き始めた話をコピペして投稿してるものでして。
そしてこの話の次のお話以降、流れを決めてはいるものの、一文字も書いていない状態で、書いていくのですが、少し投稿頻度が落ちるかもしれません。
ということだけ把握をお願いします🙇
では、どうぞ
彼氏side 4
家の扉の前に立ち、しばらくじっとしている。でも、特に何かしているわけではない。
マンションの7階の部屋。
ふぅ、と軽くため息を吐いて、がちゃ、と鍵で音を立てる。それと同時に、家の中から
ばたばたと足音が聞こえる。
「ただいま〜」
何もなかったように、いつも通りのただいまをする。
足音はどんどんこちらへ近づき、そのまま俺の目の前までくる。
「すちくん今まで何してたん?」
どんと俺の後ろの扉に手を当てて、俺に身動きを取れなくさせる俺の彼女、みこちゃん。
所謂壁ドンってやつだ。みこちゃんは今にも泣きそうな赤い目で俺をキッと睨むけど、その全てが愛らしくて仕方ない。そんなことを考えているうちにも、みこちゃんは心から溢れ出してきたかのように、次々に言葉を俺にぶつける。
「門限とっくに過ぎ、てるよわかってへんの?ちゃんと帰ってくるって言ってたやんあれは嘘やったん?さっきまでどこ行ってたん誰とおったん何してたん?すちくんが全部答えるまで今日寝かさへんから」
うーん、寝かせないとはどういうことだろう。寝かせないのは俺だよ?♡
「今更重いから別れたいとか言わせへんよ?俺たち何年一緒におったん?今までの信頼はなっやったん?俺だけが一方的に信じてたとか言わんといてよ?浮気とか絶対許さんからやっぱり今日行かすべきじゃなかったってこと?」
早口でも全てが脳みそに叩きつけられる。躾けられるような感覚で一つ一つの言葉が重く脳みそに焼き付けられる。どく、どく、と気持ちいい感覚に襲われる。
あーあ、ほんと、どこまで俺のこと煽れば気が済むのかなぁ…っ♡ほんと可愛い。世界でいちばん、みこちゃんが可愛い♡♡♡
「ほんっと、」
気がつくと、〝可愛い”までの言葉を発していた。んー、こうするつもりはなかったんだけど、まぁはやくして欲しいんでしょ?♡
そのままみこちゃんの腕を掴んで前に力を入れる。床に人が倒れる、鈍い音がする。
「いっ…!」
知らないよ。みこちゃんが痛いとか。だってそれが可愛いんだもん♡
「すちくんっ、!何して…」
大好きなみこちゃんの言葉を遮って、今度は俺が溢れ出してしまった言葉をみこちゃんの脳みそに叩きつける。
「かわいい…っっ♡♡♡♡//」
そのままみこちゃんの顔を見ずにみこちゃんに覆い被さる。それと同時にキスを落として、口の中まで愛を詰め込む。
くちゅ、くちゅという音と、みこちゃんがみこちゃんが気持ちよさそうにする声が家に響く。
今日は俺が溜めてきた愛をみこちゃんにいっぱい〝教えてあげる”日。伝えるなんて言葉じゃ物足りない。だから、どれだけみこちゃんがやめてほしくても続ける。現に今、みこちゃんにとんとんと胸板をたたかれているところ。いつもならこれくらいで口を離すけど、今日は俺が満足するまで。やっと俺が口を離すと、苦しそうに息を整えるみこちゃん。さっきまでの怒りはどこに行ったのかと言うくらい、顔が蕩けていて可愛い。
「なにしてんの…っ!//」
その言葉は、少しだけ俺の逆鱗に触れる。
「何って、ディープキスだけど?」
そう言ってからみこちゃんを抱き上げて、俺が作ってきた部屋に連れて行く。その間も、みこちゃんはさっきの続きを喋り続ける。
「そうじゃなくてっ!今日門限破ったやん!もう俺のこと好きじゃないんやろ⁉︎」
ちらりと顔を見ると、少し泣きかけるみこちゃん。
「何言ってんの?」
俺が少し怒りを込めて言葉を発すると、怯むように肩を振るわせるみこちゃん。
そうだよね、みこちゃんは〝何も悪くない”もんね?♡
部屋には鍵をかけていたので、扉の前でみこちゃんを降ろして「大人しく待ってて」と少しきつめに言う。二重にかけてある鍵を開けて、みこちゃんに声をかける。
「ほら、入って」
一番最初の扉の方を振り返ってみてみると、卵のような形にうずくまっているみこちゃん。
「なにやってんの?入って?」
そう言っても一向に動く気配がないので、仕方がなくみこちゃんの目の前まで行って目線を合わせる。額の右側を掴んで無理矢理みこちゃんの顔を上げる。
「入って」
もうすでにみこちゃんの目は真っ赤で、頬も濡れていた。いつもなら睨む顔も、もうそんな気力もなさそうに見えた。俺が「入って」と言っても腰を上げないものだから、みこちゃんの腕をぐいと引っ張る。
「ぃた”っ、、!行く!行くから引っ張らんとって、!」
もう泣いていたのにまた激しく泣き出しそうなみこちゃん。ほんとはもっといじめてあげたいけど、今日はその予定があるから勘弁してあげる。
「じゃあ早く来て」
きっと彼には、今までで見たことのない俺が映っているはずだろう。ずっと何かに怒っていて、何がしたいのかわからない、と言う状況である。まぁ今まで俺が自分の意思押し殺してみこちゃんに従順だったから仕方ないね、みこちゃんは自分とこの上の立場だと思ってたんでしょ?みこちゃんみたいなメンヘラの拗らせ方する人とこんなに長くいれるなんて、その拗らせが好きかもっと愛が重いかの二択でしょ、絶対。まぁ鈍感だから気づかないか、
そんな思考をぐるぐると頭で回しながら一番奥の角にみこちゃんを案内する。
「すちくっ、くらい…」
そっか、みこちゃん暗いの苦手だったっけ、いつも常夜灯つけて寝るもんね。
「うん、暗いね?」
子供をあやすような声でみこみゃんを撫でる。
「ん、ここで座って」
困惑しながらもすとん、と座ってくれるみこちゃん。それがなんだか主人に従っている犬みたいで、可愛いの一言が頭を埋め尽くす。
「えらい」
そう頭を撫でると、なんだかようわからないまま目にハートを浮かべるように嬉しそうにするみこちゃん。は?なにこれ何これ世界で一番可愛いでしょ。…というのは胸にしまっておいて、
「そのままね?」
と言って軽く抱きしめてから首にキスをして、片手と片足に一個ずつ鎖付きの手錠をはめる。暗くて何をされているかわかっていないみこちゃん。
「すちくん、?何やってるん…?」
と聞いてくる。「ん〜?」と適当に返事をしながら手錠をはめる。
「はい、できた」
そう言って俺は立つ。みこちゃんは俺を目で追うように見上げるだけで、立ちあがろうとはしない。と、思ったら立ちあがろうと膝の前に手をついたみこちゃんからは、鎖のじゃらという音が聞こえる。その音に気づいたのか、目をまんまるにして
「鎖…っ、?」
と聞いてくる。俺がそんな簡単に答えると思ってるのかな、
みこちゃんのその質問を無視して、
「買い物行ってくるね、晩御飯食べた?」
と言う。戸惑いながらも
「ぇ、っ?あ、わかった ご飯食べたよ」
と返してくれるみこちゃん。まだ俺のこと正気だと思ってるみたい。惨めだなぁ、なんて、自分の彼女の向けるようなものではないことを思い、
「そう、じゃあ行ってきます」
と、少し素っ気なく返して、念には念をの扉をしっかり閉めて、家を出る。一週間分の食料の買い物メモを見てため息をついてから、気を起こすようにして外に出た。
コメント
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一気読みしました! みことさんのメンヘラ感とすちさんのみことさんの事しか考えてない感がいいなって思いました!!! ドロドロすごい好き、、、続き楽しみにして待ってますね!頑張ってください!