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その日の夜、僕は早速その土地神、神木の巫女のところに向かった。
ちなみに今日の護衛はクロだ。
結構遠いね。
ーそうですね。夜遅くにならないといいですねー
急ごう。
そうして神木の巫女の社に着いた。
結構立派な社だね。
ー本当に昔からいる古い土地神ですからねー
そして、巫女のようなものが二人こちらに向かってきた。
「なにようか?」
「私は遠くの山で土地神をしているシンという。神木の巫女さんに治して欲しい人がいてお願いしにきたんだ。」
「お帰り願おう。神木の巫女さまは誰とも会わぬ。誰とも話さぬ。」
「シン様に無礼な!」
「話だけでも。」
クロが前に出ようとしたのを手で止めて穏やかな口調で説得しようとしたところ。
良い。通せ。
神社に美しい女の人の声が響き渡った。
「よ、よろしいのですか?」
…
「では、こちらへ。」
こうして、神木の巫女の元へ通してもらった。
神域にはとても大きな木があったその木の下にひとりの美しい巫女が立っていた。
「私が神木の巫女です。若き土地神よ。」
「初めまして。」
「初めまして。そしてお久しぶりですね。」
「え?」
「あぁ、あなたじゃありませんよ。」
ー久しぶりですね。鈴女すずめさんー
「覚えてくださっていたとは光栄です。」
ーもちろん覚えていますよー
「何の御用ですか?」
ー呪いを解いて欲しいひとがいるのですよ。頼めますか?ー
「もちろんですよ。私の力を凝縮したこの小瓶に入っている樹液ならば、どこのだれの呪いかは知りませんが、一滴でほとんどの呪いなど解けると思いますよ。ただし条件があります。」
「条件って?」
「もう私と関わらないでください。巻き込まれたくないのです。」
「えっ?巻き込まれるって?」
ーいいでしょう。これ以降あなたには関わりませんー
「感謝致します。では、これは渡しておきますね。今回あなたたちがきたことは誰にもいいませんのでご安心を。」
ー助かりますー
そう言うと神木なら巫女、鈴女は小瓶をこちらに渡した。
「では、これで」
そう言うと、早々に神域を出されてしまった。
知り合いだったの?
ーええ、古い知り合いですかねー
霞ってなにもの?
ー秘密です。時が来れば教えますよー
巻き込まれるってなにに?
ーさて、なんでしょう?ー
絶対にいずれ話してもらうからね。
ーもちろんです。時が来れば必ずお伝えしますー
僕はそのまま琴巴の家に向かった。
「なにものだ!!」
もちろん仮面を被ったやつが急に来たら警戒するだろう。ちなみに、お見舞いに行った時最初に出迎えてくれた青年だ。
「借りを返しに来た。」
「どう言うことじゃ?」
奥から今度は琴巴のおじいさんが出てきた。
「大百足との一戦の時の借りを返しに。」
「ほっほ。気づいておったか。それでなにをしてくれるんじゃ?」
「孫娘の呪いを解こう。」
「お主にそんな力が?」
「孫娘の元まで案内してくれ。」
「だめです!あやかしに頼るなんて!なにをされるか分かったもんじゃない。」
「いや、もう藁にもすがるしかない。こっちじゃ、付いてきてくれ。」
琴巴が寝ている寝室に通されると、琴巴の父さんがこちらに札を向けていた。
クロが咄嗟に僕の前に出る。
「父上、このものたちは?人ではないようですが?」
「儂に借りを返しにきたのじゃよ。琴巴の呪いを解いてくれると。」
「なに?このものたちが?」
「あぁ、この者の呪いを解こう。」
そういうと琴巴のもとにいき、小瓶を取り出し、一滴琴巴に垂らした。
変化は劇的だった。琴巴は光を放ち、肌のアザも綺麗さっぱりなくなった。
「なんだこの力は!?」
「す、凄まじいのぉ!なんじゃこの力は!?」
「これでもう大丈夫でしょう。これであの時の借りは返しましたよ。」
「ありがとう!お主は孫の命の恩人じゃ!」
「いえいえ。では、これで。」
そう言うと僕は琴巴の家を出て、帰路についた。
治ってよかった、これでまた琴巴に会えるね。