「シン様!南からあやかしの群れが迫ってきています!」
神域に慌ただしく僕の傘下のあやかしが報告しに来た。
「また!?昨日もだったよ!?」
ぬらりひょんが黒田家に敗れてしばらく立ち、全国でぬらりひょんの力と権力によって抑えられていたあやかしたちが活動を始めた。
今多くのあやかしたちはぬらりひょんという脅威を取り除かれ自分の勢力の拡大に乗り出している。
「やはり、ぬらりひょんという大妖怪の存在は大きかったようですね。」
僕のすぐそばで控えている紫が少し笑いながら言う。
「笑い事じゃないよー。とんでもないのが来たらどうするのさ。」
「シン様は誰にも負けませんわ。それに動けるのは弱小妖怪だけで、シン様に手の余るあやかしはぬらりひょんが重症を負っているとはいえ、他にもいがみ合っているものがいて動けないと思いますわ。」
ーそれか、歪みあっているもの同士で今頃争っているかですねー
「なるほどねぇ。とりあえず、行くよ!みんな準備して!」
「「はっ!」」
そのあやかしの群れのところに紫達と手勢を率いて向かって到着したらすでに何者かがその群れと戦っていた。
「あのでかい猫とヤモリはどなた?」
そこでは大きな猫と白い大きなヤモリ。
その配下と思われる猫とヤモリたちが迫ってくるあやかしたちと戦っていた。
その中でもボスと思われる大きな猫とヤモリはかなりの力が次々とあやかしを黒いモヤに変えている。
「にゃー!だるすぎるにゃ!こないだも戦ったばっかだにゃ!どうなってるにゃ!」
「大猫よ、手を動かせ手を。おっ!こいつが大将だったのか。敵が逃げ始めた。」
「やっと終わったかにゃー。もう疲れたにゃ〜。ありゃ、なんかもう一団来てるにゃ?」
「ん?ほんとだな。何者だ?」
「シン様、こやつらはここら一帯を収めている大猫のミケというあやかしと大ヤモリの白色ですね。」
白が僕の前に出て言う。
「とりあえず、挨拶しないとね。僕は向こうの山で土地神をしているシンという。」
「あぁ!!あの評判のいい土地神かにゃー。」
「おぉ!あの悪凱と大百足を倒したと言う。」
大猫と大ヤモリはお互いに目を合わせて…
「「この森も守ってくれないか?」にゃ?」
「え?」
「もう最近なんだか知らないんだけどにゃ、むちゃくちゃ攻めてくるのにゃ。もう疲れたにゃ。にゃー達は森でゆっくりと毛繕いをしながら暮らしたいのにゃ。」
「あぁ、我らも洞穴とかでじっとしていたいんだ。あんま動きたくない…。」
「えぇ、このあやかしたち強いのに、なんだこのやる気の無さ…」
「辞めておいた方がいいですよシン様。」
手勢を率いた沼姫が突然現れた。
「沼姫?なんでここに?」
「シン様が手勢を率いて出立されたと聞いたので援軍に参ったのです。必要なかったようですが…このもの達は本当に何も働きませんよ?」
「そうなの?」
「ええ。この間の大百足の時だって、あの大天狗ですら援軍に来たのに、こやつらときたら気づいていたはずなのにこの森で引きこもっておったのですよ?」
当の2匹は顔を背けた。
「こんな怠け者守るだけ無駄です。というか、このもの達守らなくても力だけはありますからいざとなれば今回のように自分で対処できます。」
「そんにゃー、守ってくれにゃあー。」「だめですかね?」
「私はあなた達のその他力本願なところがたまらなくムカつくのです。なんでこの一帯にはシン様以外まともな主がいないのでしょう。」
うーん。でも、ミケと白色の力は本物なんだよなぁ。
いざという時もしかしたら助けてくれるかもしれないし。
「じゃあ、こうしよう。今あやかしたちは活発に動いていて、強い味方はいたに越したことがない。君たちの縄張りを僕たちも守る代わりに僕たちが助けを求めた時に必ず助けに来るって言う契約を結んでもらうよ。」
「げっ!破ったらどうなるにゃ?」
「耐え難い苦痛が降りかかるよ。」
「まぁ、守ってくれるならいいかにゃぁ。」「まぁ、いいか。」
ー式神にしては?ー
え?
ーこの条件だと式神にしてしまっても対して条件が変わるわけではありません。紙にいれるなどの物に宿らせるタイプの式神ではなく召喚型の式神にしてしまいましょうー
いろんなタイプの式神があるわけね。なんとなくやり方がわかるから土地神ってすごいよね。
ミケたち式神にしたら怒るかな?
ー怒りませんよ。ちゃんと助けを求たら助けに来るって約束になってるじゃないですか。彼らプライドとかなさそうですしー
じゃあ、いっか。
そうして僕とミケ、白色は式神の契約をちゃっかり結んだ。
こうしてこの一帯でもっとも強いあやかしの天災、大天狗、沼姫、大猫、大ヤモリの五体のあやかしのうち3体と実質同盟を結んだこととなった。
さらに大猫、大ヤモリの強さは5級であり、真広は陰陽師界では、最高位の式神を2体もったことになることに真広はまだ気づいていない…
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