テラーノベル
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第5話
新たな道
『……』
ひとり、控え室に立ち尽くす。
キティさんも、クロミも、マイメロもいなくなった。
静かになった部屋で、ぼくは何も考えられずにいた。
そのとき――。
「……大丈夫か?」
『え?』
振り返る。
そこにいたのは――。
ポムポムプリンだった。
「なんだか、元気がないみたいだから」
『ポムポムプリン……』
サンリオランドで現在1位。
そんな人が、ぼくを心配してくれている。
『……ありがとう』
嬉しかった。
ぼくも、いつかこの人みたいになりたい。
そう思った。
――その瞬間。
「底辺、さ迷ってくれてたから気にかけてあげたのによぉ…ちっ」
『……え?』
何を言われたのか、理解できなかった。
ポムポムプリンは笑っている。
そして、ぼくの肩をポン、ポンと叩いた。
「調子に乗るなよ? クソ野郎」
『……』
そのまま、何事もなかったかのように部屋を出ていった。
『……』
力が抜ける。
その場に、膝から崩れ落ちた。
ふと、床に落ちているものが目に入る。
順位表。
『……』
拾い上げる。
自分の順位を確認する。
『……』
低い。
まただ。
どれだけ頑張っても、上には届かない。
『……ぼくじゃ、無理なのかな』
泣きそうになった、そのとき――。
「いつまでも、うだうだ悩んでるんじゃない!」
『!?』
聞き覚えのある声。
振り返る。
『……え?』
そこにいたのは――。
マッチョな身体。
そして、その身体の上にある――。
サユリの頭。
『…………』
頭が追いつかない。
何が起きているのか分からない。
『サ、サユリ……ちゃん?』
「そうよ!」
サユリは何事もなかったかのように話し始めた。
「この身体、せっかくなんだから活かさないともったいないでしょ?」
『え……?』
「だから、あたし――」
サユリは胸を張った。
「覆面レスラーになる!」
『……覆面レスラー?』
「そう! 絶対人気者になってみせる!」
『……』
まだ状況が理解できない。
ぼくが落ち込んでいる間に、いったい何があったのか。
そんなぼくを置き去りにして、サユリは話を進めていく。
「さ、行くわよ!」
『え?』
「私についてきて!」
サユリが、ぼくの手を掴む。
『ちょ、ちょっと待って! どこに――』
引っ張られる。
けれど――。
身長差がありすぎた。
サユリは少し考えると、
「……もう、いいわ」
『え?』
次の瞬間――。
身体が浮いた。
『えっ!?』
軽々と抱き上げられる。
お姫様抱っこ。
『…………』
ぼくは、サユリの腕の中で固まった。
そして――。
「サユリちゃん……///♥️」
「ハンギョドンは私の付き人兼マネージャーになるのよ!これから忙しくなるわよ」
「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!サユリちゃーん泣」
~終~
コメント
1件
うわ……第5話、めちゃくちゃ心揺さぶられた……🥀 ポムポムプリンの「調子に乗るなよ?クソ野郎」には、一瞬で世界の色が変わったような衝撃があったよ。見た目と中身のギャップ、あれはサンリオの皮をかぶった人間の闇を感じた……。 でもその直後に現れた、サユリちゃんのマッチョボディ&お姫様抱っこは完全に予想外で、笑いと困惑が同時に来た(笑) 覆面レスラーになるって、もう何が起きても驚かない気持ちになる……。 転落と再起の振り幅が大きくて、続きが気になる。次はどうなるんだろう……。