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…どうしたものか。
俺が今悩んでいる原因は、この手の中にある小さな小瓶にある。ラベルには『媚薬』と書いてある。
ついさっき、薬品開発をしている知り合いから貰った(正確には強引に押し付けられた)ものだ。本人曰く「試作品だから、試してみてどのぐらいの効果だったかを教えて欲しい」とのこと。使う相手もいないってのに。
そういえば今日はチャンスに借金の返済を聞く日だったな、と思い出した俺はチャンスの家に足を運んだ。
10分ほど歩いた後、目的地についた。インターホンを鳴らすが、返事は一向に無い。どうやら留守のようだ。
だがあいつが家にいない時には大体例のカジノで賭けをしているに違いない。直感的にそこにいると分かった俺はカジノに向かった。
〜カジノにて〜
「くそっ!」
相手との賭けに負け、全財産を失った俺は地団駄を踏んだ。
まさかこの俺が全敗するだなんて、今日はとことんついてないな…
もう後の事だ、今更後悔しても遅い。金が無いからにはここにもう用はないしとっとと帰るか…
思い足取りで出口に向かいドアを開けようとした瞬間、向かい側から入ってきた奴と目が合う。マフィオソだった。
お互い急な再会に驚いたと思えば、急に「チャンス」と低い声が耳に響いた。あ、そういえば今日は借金の返済日だったような……………しまった、ついさっき全額パーになっちゃったばっかなんだよな…
焦っているのが表情に出ていたらしく、俺を見るマフィオソの表情が一層険しくなった。
「まさか、今月も返せないなんてことはないだろうな?」
まずいまずいまずい………先月土下座と泣き落としをして「次はないからな」って釘を刺されてやっとのことで許されたってのに…!!
しょうがない、できれば使いたくなかったが奥の手だ…!
「あ、あの…マフィオソさん…実はさっき俺の所持金が全部無くなっちゃって……」
「何?先月あんなに言っていたのにか?お前というやつは全く懲りないようだな?」
マフィオソが俺の話を遮る。顔は笑っているがその発言からは殺意が溢れ出ていおり、このままだと俺の命が危ない。殴られる前に急いで話を再び続ける。
「そ、そこで提案なんだが、俺がお前の言う事をなんでも聞くから、その代わり今月分の借金はチャラにしてくれないか?」
俺もここまで大きな賭けに出たのは初めてだ。もうこの際パシリやサンドバッグにでもされたっていい、とりあえず生きてるならなんでもいい、その覚悟であった。
俺の提案を聞いたマフィオソがすぐさま半ギレっぽいな声で「舐めているのか?お前の借りた額は当分…」と急に話を止めた後、何か閃いたような顔で「いや…そうか」と小さく呟いた。
そして俺の手を握り、「分かった、お前がなんでもする代わりに今月の借金をチャラにしてやろう」と快く引き受けた。
よ、よかった〜〜〜…
ひとまずの安心感で俺はその場に座り込みそうになった。まぁ結構キツイ力仕事とかが来そうな気がするけど、今ならなんでも出来る自信がある!
と思っていた時期も俺にはあったのだ。
カジノから出て、車でマフィオソの家に着いた後、俺は客室っぽいところに案内された。
「やることをやってもらうのは明日からだ。今日はここで休め。」
そう言うとマフィオソは扉を閉めて出ていってしまった。
…え?俺ここで寝泊まりできんの!?最高すぎないか!?こんなことならもっと前から奥の手を使うべきだったな〜
そう思いながら付属の浴室でシャワーを浴び、ベッドの上にあったパジャマに着替えた。
少し喉が渇いていたので、何か飲み物はないかと部屋全体を見渡す。ベッドの隣の棚に手のひらに収まるはどの瓶があった。隣には『喉が渇いたら飲んでくれ』と書き置きが置いてあった。
マフィオソが用意してくれたのか?あいつ分かってんな〜!と何の疑いもなく瓶の蓋を開け中身を一気に飲み干したあと、疲れていたのもあってそのままベッドに入った俺はすぐに眠りについた。
「……?」
何だか全身が熱い。体の異変に気づき飛び起きた俺は掛け時計の方に目をやる。まだ深夜の3時だ。
もしかしたら体調を崩したのかもしれない。そう思い熱を覚ますために水でも飲もうと立ち上がった瞬間、布団が体に擦れて全身に快感が走る。
「っあ゛…!?」
あまりの気持ちよさに耐えられず、その場で蹲る。下半身が濡れている感じがした。
「え…俺、今のでイ……?」
自分でも状況が掴めなかった。一度達してしまったせいか、まだ体が痙攣している。
なんとなくこうなった原因がわかる。寝る前に飲んだあの瓶のせいだろう。クソ……あいつめ……何企んでんだ!
そう考えていれば、部屋のドアがガチャリと開き、ダンボール箱を持ったマフィオソが入ってきた。反射で俺は身体を布団で覆った。
擦れて感じる身体を抑え、俺はマフィオソを睨んだ。
「お前……どういうつもりだ?」
目の前に椅子を持ってきて座るマフィオソが含み笑顔で俺を見つめる。
「どういうつもりもなにも、ただの実験体として効果を試してもらっているだけだ、なんでもしていいという提案を出したのはお前だろう?」
マフィオソの淡々と話す姿に腹が立つ。だが確かに言い出しっぺは俺だ。何も言い返せずイライラしてきたので平常心を保つべく話題を切り替える。
「…チッ、そうかよ。じゃあその箱に入ってるもんは何なんだよ?」
「あぁ、これか?」
そう言いながらガサゴソと箱の中を漁り、取り出したものを俺に見せる。
「お前に反省の色が見られないから、そろそろ懲りてもらうように用意したものだ」
マフィオソの手には、AVとかでよく見るタイプの玩具があった。
「おい、嘘だろ……………………」
血の気が引くのを感じるのとは反対に、身体はソレを求めるように疼いていた。
マフィオソがベッドの上に乗り、布団をどける。
とん、と腹に玩具を置かれる。必死に抵抗する俺を押さえつけることなどこいつにとっては容易く、直ぐに中に挿入れられてしまった。
さっきまでずっと我慢していたので、直ぐにまた先程の気持ちよさが全身を駆け巡った。
気持ちよいところを突かれ、意識が朦朧になりながらも「ぁ゛」「マフィ゛」「ゃ、め゛て」と泣きながら短い喘ぎ声を上げる。
だがそんな事もお構い無しにドンドン奥を突いてくるのでただ俺は快感に侵されることしか出来なかった。
しばらくして、まさに絶頂になりそうになった時、マフィオソの手がピタッと止まった。
「は゛……?」
ふと顔を見てみると、マフィオソはニヤニヤとした表情で俺を見ていた。
「流石にもう勘弁しただろ?俺からのお仕置きは終わりだ」
クソ…こいつ俺がまだイけてないって分かって…!
どうやらここからは自分で動かすしかないようだ。
再び椅子に座り反応を楽しんでいるマフィオソを横目に、俺はなるべく早く終われるように早く腰を動かす。
数分後。
「〜〜…っう゛……」
…ハァ…ようやく達せた…この地獄から解放された…
俺は我慢していたことによる疲労もあって気絶するように眠ってしまった。
生き地獄の様な夜を乗り越え、朝になり起きる。
いつの間にかベッドが綺麗になっていた。
横を見ると、また新しい置き手紙が置いてあった。『お前がやるべきことは全てやった。もう帰っていいぞ。だが次は本当に無いからな』嬉しさと恐怖が入り混じる。次は一体どんな酷い目に遭うのだろうか…
今はそんなこと考えなくていいと自分に言い聞かせ、外に出る支度をする。とりあえず今月いっぱいは安泰だな!
本当はは心残りなんてない。そのはずなのに、なぜか目からは涙が溢れてくる。身体が寂しいと感じる。おかしい、もしかしてまだあの薬の効果が切れていないのか?それとも……
一方その頃、マフィオソは知り合いに薬の効果を報告していた。
去り際に少し怒りを込めたように話す。
「お前…俺が誰に使うか分かってて渡したんだろう?」
「貴方が関係を縮めたいと言ったんじゃないですか」と、揶揄う様に話した。
そしてポケットの中から昨日の瓶を取り出し、中身が余ってるのでよかったらどうぞとマフィオソの手に置いた。
しばらく知り合いの顔と小瓶を交互に見つめた後、ため息をつく。
「…また来月、返済ができなかった時に使ってやるか…」
複雑な感情の中、そう呟くことしかできなかった。
来月も返済が出来なくなるのはまた別のお話…