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番外編57『悪魔化した執事を救う』✝️🦋🦾🌹
※悪魔化ifです。悪魔化してない執事も出てきます。既に悪魔化してる執事に関しては本編とは大幅に改変してあります。捏造も含まれてますので苦手な方は回れ右お願いします。
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『俺の勝手な行動が…結果、主様を死なせる羽目になってしまった。必ず守ると約束したのに、守れなかった。俺が気に入らないのなら俺を殺せばいい。それなのに、主様まで、なんで……っ。』
暗闇の中、ハウレスは自分を責め続ける。
『ハウレス…。』
(このままじゃ絶望に飲み込まれて死んでしまう。そんなのダメ…。)
『ハウレス!』
『!主様の、声…どこから…って、どうして、主様がここに…。』
『私は生きてるよ。ハウレスを助けに来たの。』
『俺を、助けに…。』
『皆殺しなんてダメ。ハウレスはそんな人じゃないでしょう…?強くて、優しくて誰よりも頑張ってきた。』
『!』
(そうだ…俺はトリシアのために…トリシアの目を治すためならどんな辛いことも頑張れた。妹がいたから俺は…。)
『お兄ちゃん。』
後ろから声が聞こえる。
『トリシア…』
『私とずっと一緒にいてくれてありがとう。短い人生だったけど、お兄ちゃんがいてくれてすごく楽しかった。毎日幸せだったよ。お兄ちゃん。生きて。私の世界一大好きなお兄ちゃん。これからも沢山の人を守ってね。』
『トリシア…。…っ、あぁ。俺はお前に誇れる兄になるよ。トリシア。だから見守っててくれ。』
『うん。大好き。お兄ちゃん。』
ハウレスの瞳から赤黒い炎が消えてゆく。
『主様。申し訳ございませんでした。俺はもう平気です。帰りましょうか。』
『うん……!』
『余計な真似を……。』
『!』
私たち二人の前に鎖で巻かれた悪魔が現れる。
(ハウレスの契約悪魔……。)
『残念だったな。俺は悪魔化などしない。トリシアにとって誇れる兄になる為に、そして……俺を助けてくれた主様のために。』
ジャラジャラ……!
悪魔を縛る鎖が増えフラウロスは苦しむ。
『ぐ…っ。生意気な…。』
恨み言を述べ暗闇に姿を消した。
『ハウレス…もう大丈夫なの?』
『はい。主様のおかげです。』
俺はニコッと微笑み主様を安心させる。
『帰りましょう。ボスキとフェネスにはしばらく怒られるでしょうけど……』
『ふふ、私も一緒にいてあげるよ。』
ニコニコといたずらに笑う。
🦋
ガチャンッ!
大きい檻に閉じ込められる。
『ここは…俺の心の中?真っ暗…あ…俺、悪魔化したのか…。もう…いいか。充分生きた…主様の傍を離れるのは…嫌だな。でも、俺みたいな弱いやつ要らないよね。折角あの時生きたのに。姉さんはいつも俺を守ってくれたな…あの時俺が死んでれば…。』
(これが、フェネスの心の中…。檻が沢山ある…これがフェネスの……。)
と、その時――。
ガチャンッ!
『えっ!?』
突然檻に閉じ込められる。
『っ、なんで…っ。』
『ここはフェネスの心の中であると同時に契約悪魔の私の場所でもある。自由自在に操れるのは当たり前のこと。』
『牡鹿……?まさか…フェネスの契約悪魔のフェネクス…』
『そうだ。私達悪魔は執事が力を解放した時だけ自由に動けることができる。いつ何時も執事の命を狙っている。乗っ取ろうと。』
(前にルカスが言ってた…。自分の体に縛り付けているけど、いつだって乗っ取る機会を伺ってる…って。)
『フェネスの魂は私のものだ。邪魔をするならここで殺すぞ。』
『っ……。』
『主様……っ。』
俺はその光景を黙って見ていた。
(早く助けないと、主様が…でも、この檻からは出られない。それでも俺は……っ。)
グッと檻の柵を握る。
『く……っ。』
『無駄だ。その檻はお前の弱さだ。お前が心の底からこいつを助けたいと思わない限り開かないぞ。』
『俺は…主様の執事だ…。心の底から助けたいに決まってる!!俺は悪魔化なんてしない…っ。主様を助ける!!』
そう叫んだ時、心の中の檻全てが下に落ち壊れる。
ガシャンガシャン!!
『嘘、檻が…っ。』
私の閉じ込められてる檻も壊れ、下に落下する。
『きゃぁぁ!!』
その時、フェネスが私をお姫様抱っこして
受け止めてくれた。
『ご無事ですか、主様!』
『フェネス…っ。』
『もう迷いません。俺は…主様の傍にいます。』
フェネスは力強く私を抱き締める。
『帰りましょうか。主様。』
『待て。悪魔を舐めるのもいい加減しろ。』
『俺は主様の傍から離れない。ずっと、ずっと主様に仕え続ける。』
フェネスのその言葉と同時に鎖が現れる。
『鎖が…っ。』
『もう二度と俺を閉じ込められると思わないで。』
『くそ…っ。』
身動き取れなくなったフェネクスは私たちを力強く睨み暗闇に姿を消した。
🦾
『――。』
『起きてよ…ボスキ。起きて…っ。』
私は椅子に座り眠るボスキにひたすら声をかける。
『ふっ。諦めろ。あいつの契約は自分の魂と引き換えに…私の力を得る。それがあいつと私の契約だ。もう目覚めることはない。』
『そんな……っ。』
(嫌だよ…私を守る為に悪魔化したなんて…っ。ボスキ…っ。)
私は諦めず声をかけ続ける。
『うるさいぞ、それ以上うるさくするならお前の喉を噛みちぎるぞ。』
『っ…!』
と、その時――。
『…おい。ザエボス。俺の主様に随分なこと言うじゃねぇか。』
『!ボスキ……』
『泣くな、主様。俺は主様の笑顔が好きなんだ。で…。俺の魂をやるっていう話だが…何の話だ?』
『は…?ふざけるな、私の力と引き換えにお前は悪魔化する、そしてその報酬がお前の魂だと契約で……!』
『うるせぇな契約契約って。俺はこういったはずだが?』
『俺の命はくれてやる。だが、いつやるかなんて言ってない。』
俺はニヤッと微笑む。
『貴様……っ。』
『主様が死んだ時だ。』
『なに…?』
『え……。』
『主様が死んだ時だ、俺の命をくれてやるのは。その時は俺の命を持っていけ。』
俺は主様の方に向き直る。
『死ぬまで一緒だ。主様。俺は主様を1人にさせない。』
『ボスキ…。』
ジャラジャラ…!
再び鎖が現れるザエボスを縛り付ける。
『おのれ……っ。悪魔を謀ったこと、後悔させてやる。二度も悪魔を謀れると思うなよ。』
ザエボスはグルルッと唸り、姿を消した。
『ボスキ……。』
『今の話は他の執事には言うな。』
『え…。』
『頼む。俺と主様の秘密にしてくれ。』
『……分かった。』
理由は聞かず、私は黙って頷いた。
🌹
『これが、アモンの心の中……。』
暗闇の中、至る所から茨が垂れ下がっている。
薔薇が所々に咲、棘が突き出ている。
『アモンはこれで自分自身を…。』
壮絶な痛みだろう。触れるだけでも痛いのに。
彼はこれを…。
『早く、アモンを見つけなきゃ。』
私は暗闇をただ歩き続ける。
『俺がダメな子だから…俺が…弱いから…。』
バシンっ!バシンっ!
俺は鞭で背中を傷付ける。
『俺みたいな奴、主様の傍にいない方がいいんすよ…主様だってそれを望んでる。』
(あぁ…。このまま悪魔化して俺は死ぬんすね。絶望に飲み込まれて…。)
『アモン…いた…っ。』
私はアモンの傍に近寄ろうとする。
すると、茨の蔓が私の両手足に巻きついた。
『な……っ!』
グサッ。
鋭い棘が皮膚を傷付ける。
『いた……っ。』
(これは、近寄るなって言いたいの……?
アモン……。)
『主様、それ以上近寄るなら…俺、主様のことを傷付けるっすよ。』
アモンは理性を失っているようだ。
(見境なく攻撃する…悪魔化の予兆の特徴ね。
このままじゃ私まで死んでしまうかもしれない。でも……。)
ポタッ…。
鮮血が滴り落ちる。
『私は、諦めないわ。』
私は剣を抜いた。
バツンッ!!
蔓を斬り、アモンに近付く。
『っ、主様、なんで俺に構うんすか…。1人にして欲しいのに……っ。』
『私は貴方がなんと思おうと、貴方を連れて帰るわ。』
『……っ!』
私はアモンを取り巻く蔓を裁ち切る。
『あ……。』
『…っ!』
棘の痛みで上手く立てない。それでも私は力を振り絞る。
『アモン、この先どんな茨が貴方を蝕もうと、どんな棘が貴方を突き刺そうとも私がその茨ごと裁ち切ってあげる。私がアモンを守るわ。だから…帰ってきて。アモン。』
『主様……っ。』
俺は自身の鞭を捨て、主様に向かって走る。
ぎゅっ!
『ごめんなさいっす…俺…っ。』
主様に抱きつく。
『いいのよ、アモン。おかえりなさい…。』
『俺はもう主様の傍から離れないっす。ずっと、傍にいます。』
『えぇ。当然よ。貴方は私の執事なんだから。』
アモンの頭を撫で微笑む。
『帰ったらすぐに治療してもらわないとっすね…。』
『そうね…でも、アモンを連れて帰れたから。それだけで充分。』
『主様……。』
俺は主様の手を取り、そっとキスをする。
チュッ。
『あ、アモン…。』
『主様。俺の事を救ってくれてありがとうございますっす。』
『…っ。やっといつもの調子に戻ってきたわね。』
私は安心したような少し照れたような顔でアモンを見つめた。
めでたしめでたし……♡♡
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