「おーい、凛ちゃーん‼︎」
〈そのうるさい声、あかりでしょ。〉
「声の大きさできめるな‼︎w」
〈www〉
「www」
私は彼女が好き
彼女も私が好き
ずっと親友
ずっと一緒
今日も笑い合う
………はずだった
「凛ちゃん‼︎凛ちゃん‼︎」
「目を覚ましてよ、ねぇ‼︎凛ちゃん‼︎」
[…23:55分、息を引き取りました。]
「嘘…嘘だ‼︎凛ちゃん‼︎」
彼女はタヒんだ
ずっと一緒じゃなかった
私より先に
あっちに行ってしまった
彼女は自殺した
学校が辛いって
家族が辛いって
崖の上から降りた
一緒にいたのに
守れなかった
間に合わなかった
病院で
息を引き取った
一週間後
崖に花束を置いた
凛ちゃんが落ちた崖の
凛ちゃんの靴の右隣に
花束の左半分は
凛ちゃんの紫色の花
右半分は
オレンジ色の花
その右隣に
靴を置いた
凛ちゃんとお揃いの
星と月の飾りがついたローファー
「そういえば…」
私は夜空を見上げる
「綺麗な三日月…」
凛ちゃんの時とは逆向きの三日月
新月から三日月になり
満月になると
出来た方から消えていき
逆向きの三日月になって
新月に戻る
凛ちゃんの時は
終わる方の三日月だったから
今は初めの方の三日月
「綺麗だったなぁ…」
凛ちゃんは月が好きだった
満天の星空には目もくれず
ただ月だけを見つめていた
〈あかり〉
「…どした?」
〈綺麗だね、綺麗な、三日月だ。〉
「…そうだね、綺麗。」
「この崖に登って、よく見てたよね。」
私は手を差し伸べる
その月に
届く
「おーい、凛ちゃーん‼︎」
〈そのうるさい声、あかりでしょ。〉
「声の大きさで決めるな‼︎w」
〈www〉
「www」
[23:55分、息を引き取りました。」
〈ねぇあかり〉
「どした?」
〈今日も見に行く?月〉
………ふふっ
「もっちろん‼︎」
今日も二人は
笑い合う
コメント
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え、後追い...?