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陰の中の光

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陰の中の光

1 - 陰の中の光

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2024年12月02日

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pixivの再掲です

垢→やゆよ @user_npdx4375




桃青 病み



いふ side

「はぁ、…」

俺は、暗い部屋でひとり、ベッドに横たわっていた。天井をじっと見つめながら、また一つため息がこぼれる。20代後半、180センチ、昔から人に頼られてばかり。兄弟おらんけど、まるで兄みたいなポジションやった。自分の中で背が高いだけで人に頼られるのは当たり前。俺が頼るなんて考えたこともなかった。

「つかれた…」

何日もまともに眠れてない。目を閉じても、心の中がざわざわして、安らぎなんてない。そんな自分がどうしようもなくて、何かにすがりたくなる。気がついたら手首を見つめてた。カッターがすぐ近くにある。でも、切ることができない。深くする勇気もないし、傷がバレたらどうしようっていう怖さが常に頭をよぎる。

「やばすぎやろ…笑」

自分を嘲るように薄く笑って、手を引っ込めた。結局俺は中途半端。助けを求めることも、傷つけることもどっちつかずで、ただ痛みだけを残して、何も解決しない。



ないこ side

夜中に目が覚めた。横を見ると、まろがいない。どこに行ったんだろう…と思いつつ、喉が渇いたから水を取りにリビングへ向かった。その時、トイレの扉が少しだけ開いていて、中からかすかな吐き気を催す音が聞こえた。

「まろ…?」

扉をそっと開けると、そこにはトイレに座り込んで吐き続けるまろの姿があった。顔は真っ青で、額には汗がびっしり。体は小刻みに震えていて、苦しそうに背中を丸めている。

「まろ、大丈夫!?」

慌てて駆け寄って背中をさすった。吐くたびに彼の体がぐったりしていくのがわかる。胃の中にはもう何も残っていないのに、空嘔吐が止まらない。喉を押しつぶすような音がトイレに響くたびに、心配で胸が締めつけられる。

「まろ…、?…どうしよう…」

しばらくして、ようやくまろが少し落ち着いた。俺はティッシュで彼の汗を拭いて、そっと声をかける。

「大丈夫?なんでこんなことに…」

まろは疲れきった顔で俺を見上げ、小さく息を吐いた。

「…いつのまにか、苦しくなってて」




いふ side

「はぁっ、…」

「…サスサス」

ないこが優しく背中をさすってくれるのがわかる。その手の温かさに、俺は少しだけ安心した。けど、心の奥底にあるこの重苦しい気持ちは、そう簡単に消えるもんじゃない。

「なんでこんなに無理してるの?頼ってくれてもいいんだよ」

ないこが言う。

俺は、黙って少し考えた。ないこはいつも優しい。ほんまに俺のことを気にかけてくれてる。けど、俺は頼れへん。昔からずっと、頼られる側の人間やったから。

「昔から…俺、背が高かったし、人に頼られるのが普通やった。頼るっていうのが、どうしても…」

ないこは少し悲しそうな顔をして、俺の手を握った。

「それに、年上やから…」

「まろ、年上だから年下だからとかじゃなくて、俺は、もっと頼られたいの。まろが無理してるのは、俺だって辛いから」

その言葉に、俺は少しだけ胸が痛んだ。ずっと頼ることを怖がってたけど、もしかしたら…もっと早く、ないこに甘えても良かったのかもしれない。




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フォロー失礼します! めっちゃ最高です!

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