テラーノベル
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日が沈んで夜が来る。
輝く夜が来る。
私は学校へと走る。
あの人に会うために。
あの人には太陽の光が少ない夜しか会えない。
夜は短い。
「はやく…会いたい」
私は屋上の扉を開けた。
「いらっしゃい。こっちにおいで」
あぁ。呼ばれる。
あの紅い瞳に。
甘い声に誘われる。
頭が…ふわふわする。
私は一歩ずつ進み、彼の腕に抱かれる。
そのまま浮いて、飛んで、夜空に近づく。
空が輝いている。
彼は私に微笑んだ…気がした。
もう何もわからない。
このまま、紅い世界へと堕ちてゆく。
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