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「元貴、今日からここで過ごすのよ」
と告げられた。
「ほら、お友達がいっぱい」
優しい笑顔でそう僕に言った。
「嫌だよ、なんか怖いよ、」
僕の同年代の子達がたくさんいたのが目に入る。
そのどれもがなんとも言えぬ暗い顔をしていた。
今まで、同年代の子のこんな顔は見たことがなかったからとても異様に感じられた。
「我儘言わないの。」
少し、声色が変わったのが子供ながらにわかった。
最後なら、親の笑顔を見ておきたいものだろう。
抗うことをやめ、家族の望みならと受け入れた。
真っ白な部屋が幾つもある。
その一つに案内された。
「この子と同室だからね」
母と別れてあと、先生案内されそういわれた。
「やった!先生ありがとう!!」
と眩しい笑顔で先生に感謝する子。
「ねぇ名前は?」
「僕は滉斗!」
その言葉で先生がいなくなったことに気づく。
「え、あ元貴、」
「元貴!!よろしくね!」
まただ。なんて眩しい笑顔なのだろう。
この子は他の子と違い、とても明るかった。
「もーとき!ご飯食べないの? 」
「だって、美味しくない、」
出された食事はご飯と言えるのかと思うくらいひどいものだった。
「でも食べないと!力つかないよ」
「いや、」
こんなもの、食べれるわけがない。
いつも食べていたご飯が恋しくて、泣きそうになっていると
「俺のあげるよ!」
と交換を求めてきた。
よくみると、滉斗のは僕のとはまるで違う。ちゃんとした食事だった。
「なんで、みんな食事が違うの?」
と聞いてみた。
「なんかねー?順位があるらしい」
「俺はそこそこここにいるからかな、?」
「元貴は入ってきたばっかだし!俺だって最初はそんなものだったよ」
「でも俺は慣れてるから!交換しよ!」
と言ってくれたので交換してその日の食事は終わった。
「元貴はなんでここにきたの?」
食事の後、滉斗とお喋りをする。
「なんか、病気らしい」
そう。僕は母に病院に行くと告げられ、一通り検査を受けると、ここに連れてこられた。
「そっか、俺はずっとここにいるから分からないことがあったら聞いてね!」
滉斗はずっとここにいるらしい。生まれつきの病気なのかな。
「うん、ありがと、」
「元貴、笑って?」
「ここの奴らは全員なんか暗いし」
「お母さんと入ってきた時の元貴、すごい可愛かったよ」
「え、?…」
「だから、ね?笑お!」
ここから、僕の中で滉斗は大切な存在になった。
消化チャレンジ
これ以上書くこと多分ない