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結局三日休むことにした。三日後の出勤は楽しみだ。
優菜「じゃあ行ってきます!」
美緒「うん。気を付けてね!」
通勤中・・・私は一言もしゃべらずに歩いた。緊張をほぐし、心の準備をするために。
私自身、誰かが話しかけたら絶対に返事をしてしまうので、黙るという修行でもある。
そう考えながら歩いているといつの間にか探偵社の扉の前に来ていた。いざとなると緊張してしまう。さっきの時間も無駄になってしまった。半分どうにでもなれと思う気持ちで扉を開けた。
そしてそこにはいつも通り国木田さんに怒られている太宰さん、ラムネの中に入っているビー玉を見つめている乱歩さんたちがいた。思わず私は挨拶をしてしまいそうになるが何とか我慢し、自分の席へ着き、黙々と仕事をする。
太宰さんがトコトコと歩いてくる。その姿はどことなく寂しそうだった。
太宰「優菜ちゃん・・・これ」
いつものように書類を手渡してくるが私は必死の思いで無視をする。本当は話しかけたいが一生懸命我慢する。数分無視をしていると太宰さんはどこかへ行ってしまった。ちょっとやりすぎなのかな?そう思いながらもパソコンに目を向け仕事をする。心なしか視線を感じる。そりゃいつも明るく、挨拶を欠かせない人がいきなり挨拶をやめ、しかも太宰さんを無視したらそうなるに決まっている。
今日も仕事が終わり、帰る支度をしていると太宰さんに呼ばれた。これは無視するわけにはいかないと思い返事をして太宰さんのもとへと行く。
太宰「なんで無視したんだい?」
優菜「・・・・・」
作戦ですなんて絶対に言えない。ここは・・・どうしよう?
太宰「・・・」
私の返事を待っている模様・・・どう答えれば・・・
国木田「太宰、仕事は終わっとらんだろ!!城井に押し付けるな!」
国木田さんがその沈黙を破り、ずりずりと太宰さんを資料室へ連れていく。連れて行かれる間、真剣で鋭い眼差しでじっとこちらを見つめていた。
危機一髪・・・私は探偵社に来てからずっと真顔、焦っている顔も、笑顔も見せないようにしていたがため息をつくときにも真顔は維持できず、ほっとした顔で戻っていった。
あとはいつもと同じ。ただ、上がりますとは言わず、そのまますぐに探偵社から出て行った。
疲れたー・・・
美緒「おかえりー優菜。無視するのうまかったよ。だいぶ疲れてるみたいだし、今日は早く寝なよ」
優菜「ありがとう。じゃあお言葉に甘えさせてもらって早く寝る」
もう少し無視しないとダメみたいだな~・・・つかれる。というか乱歩さんのカワヨボイス聞けないじゃん!これはつらいぞでもこれは私の未来のため!いま我慢すれば後々明るい未来が待ってる!多分・・・
いううの忘れてたんだけど、あの時、美緒だけ仲間的なこと言ってたじゃん?あれ、ちょっと訂正。賢治君と敦君、谷崎君兄妹には相談できるよ、私が出勤するときにはほかの社員としゃべっているか任務に行っていて話す機会がないけどね。
数日後、必要最低限以外の会話は全然していない。最初は罪悪感とか、可哀そうとか、自分でやっておいてあれなんだけどそういう気持ちがあった。私は「いってきます」と一声かけ、家を出た。「行ってらっしゃい」という美緒の声が聞こえず、私は少し寂しくなった。
また、武装探偵社の看板を眺める。やっぱり無視するのは変に罪悪感が湧き、居心地が悪かった。もうやめようか・・・そんなことも考えながらも探偵社のドアを開ける。すると、敦君がヒョコっと出てきた。私は少しびっくりして
優菜「あ、敦君」
敦「優菜さん、これ、太宰さんからです。早めに渡してと言われて・・・」
優菜「わかった。ありがとう」
私はニコリと笑顔をみせ、職場の席に着く。笑顔を見せた時、敦君の頬が少し赤くなった気がした。気、がしただけだからね。
封筒?太宰さんからなんだろう?また聞くための呼び出しかな?そう疑問を抱えながら丁寧閉じられている封筒を開けた。中には一枚の紙切れがある。中を見ると番号が書かれている。おそらく電話番号だろう。
優菜「まだ連絡交換してなかったっけ?」
そうつぶやく。が、すぐに切り替えパソコンへ視線を移し、仕事を始めた。連絡は帰ってからでもいいだろうと思ったからだ
仕事は終わった・・・あとは依頼だけか。以来だと思われた一通の手紙を開ける。差出人は書いていない。
優菜「今夜8:00、○○に来てほしいです。城井さんにしか頼めない依頼内容なのでそこで話したいです?」
明らかに怪しい・・・まあ怪しいは怪しいで危ないからどっちにしろ行くけど。今は・・・4:54か。まだ三時間くらいあるか何しよう?とりあえずお昼寝しようかな。