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「……ッん……、はぁ……」
冷えていた唇は熱を持ち、吐息は荒くなる。
愛しくて、貪るように環奈の唇を何度となく奪い続けていく。
そんな俺に応えるように、首に手を回してきた環奈もまた、俺を求めてくれた。
このままでは止められなくなる。
そう思った俺は一旦唇を離すと、
「環奈、車に戻ろう」
そう口にした俺の言葉に、息を整えながら頷く彼女の手を取り車まで戻って行く。
そして、車に戻って来た俺たちは、どちらからともなく互いを求めて深く口付けを交わす。
けど、車は借り物だし、こんなところでする訳にはいかない俺はまるで酔っているのかと思うくらいトロンとした瞳に頬を紅く染めた環奈の唇にもう一度口付けた後、指で撫で上げ、
「環奈、ここじゃあまずいから、ちょっと移動しよう」
それだけ言ってすぐに環奈と自身のシートベルトを締めると、急いで車を走らせ、来る時に目に入ったすぐ近くのラブホテルまで向かった。
五分と掛からず目的地に着くと、さっさと車を降りた俺たちは適当に部屋を選び、指定された階までエレベーターで向かう。
その間中、握った手は暖かくて、そこから温もりを感じ合う。キスをしたいけど、これ以上すると歯止めが効かないから、部屋に着くまでは我慢する。
そして、部屋に入った俺たちは扉が閉まる音を背に一目散にベッドへと向かい、余裕が無かった俺は少しだけ乱暴に環奈をベッドへと押し倒すと、その上に覆いかぶさり、再び深い口付けを交わしていく。
「……ばん、り…………さ、んっ」
「話してる余裕なんて、無くしてやる」
「――ッん」
唇から首筋、鎖骨へと口付ける中、欲情する環奈の表情を見るだけで、俺はイキそうになる。
それ程までに、彼女の存在が――愛おしい。
「……ッ、はぁ……ッんん、……ふぁ、ッ」
荒い吐息が混ざり合い、身体の奥が疼き、互いの熱で溶けていく。
余裕なんて、無い。
ようやく環奈が俺のモノになったんだ。
心も、身体も、全て俺だけのモノ。
名前を呼んで、求めてくれる唇も、
俺に触れてくる細くて長い、綺麗な指も、
温かくて心地良い、細くて華奢な身体も、
全て、俺のモノ。
誰にも、触れさせない。
奪わせない。
彼女の潤んだ綺麗な瞳には、俺だけしか、映してやらない――それくらい、独占したくて堪らなくなる。
「……環奈」
「……万里、さん……」
「悪ぃけど、今日は、優しく出来ねぇかもしれねぇ……余裕が、持てない……」
「……ッ、大丈夫、万里さんになら、何をされても……構わない……。貴方の事が……好きだから……」
「そんな事言われたら、ますます加減、出来ねぇかも――」
「――ッあ……」
環奈の身体を抱きながら一旦身体を起こすと、着ていた服を一枚ずつ脱がせていく。
「……あの、自分で……」
脱がされるのが恥ずかしいのか、俺の手を止めて自分で脱ぐと言うけど、
「駄目だ。俺が脱がす」
恥ずかしがっている彼女の姿が可愛くて、俺は環奈の制止を振り切ると、そのまま脱がせていく。
「……ッ」
そして、上下共に下着のみを纏った姿になった環奈は頬を紅く染めながら、俺から視線を逸らした。
そんな環奈をよそに、俺は自身の服を脱いでいき、彼女と同じように下着だけを纏った姿になる。
「――ほら、いつまでも恥ずかしがってんなよ。もう知らねぇ仲じゃねぇんだからさ」
「……ッあ、ん……」
ソワソワと落ち着きの無い環奈の身体を後ろから抱き締めた俺は、チュッとリップ音を立てながらうなじや耳朶に口付けを落とす。
「ん、……っや、……それ、くすぐったい……ッ」
「擽ったい? 気持ちイイの間違いじゃなくて?」
「っん、……」
環奈が声を漏らす度、身体を震わす度、もっと声が聞きたい、俺を意識して欲しいという思いからついつい虐めたくなる。
「ほら、ここはもうすっかり反応してるぜ? こんなに立たせて、気持ちいいって事だろ?」
「ッあぁん!」
ブラジャーを捲り上げた俺は固く尖っている胸の頂に指を這わせながら、環奈の身体を刺激していく。
「気持ちいい、だろ?」
「ん……ッ、きも、ち……いい……です」
「環奈――」
「――ッん、はぁ……」
顎を掬い上げ、唇を重ねた俺たちは再び貪るように口付けを交わす。
「ん、ん……ッ」
「……ッかんな……」
キスだけじゃ物足り無くなった俺は指を下腹部から下へと這わせ、下着の上から環奈の秘部をなぞるように触れると、
「ッあぁん、や……そこ、だめ……ッ」
布越しでも分かる程に濡れているから恥ずかしいのか、慌てて俺の手を掴んできた。