続き!!
✧• ─────────── •✧
30分後、僕らはミニテーブルを囲むようにして座った。話し合いの時間。空気をさっきより醜く、暗いものにする。
電気も豆電設定でより暗くした。今後一切ないだろうとされる話し合いが、今始まるんだ。そう考えたら。いや、考えないようにしよう。
「今まで貯めてきた、言えなかったことを言っていこう。これは、録音しとくよ。」
「それがいいね。じゃあ俺から言おうかな。」
先を取ったのは若井だった。
少し上を見上げて、深呼吸をした後に彼は話し出した。
「俺さ、実は2人にはずっと我慢して話せなかったことがある。それは、3、4年前の話で、一度大喧嘩したじゃん?」
「したね。」そう答えた。
僕らは、一度音楽関連で大きな喧嘩をスタジオでした。スタッフや音響担当の方まで巻き込んで。
一応僕はプロデューサーとしても、作詞作曲、編曲など、様々なことを掛け持ちしているため、あーだこーだ言ってしまう。
それが悪い方に向かった先に大喧嘩が始まってしまった。
「俺、思うんだ。あの喧嘩から、ミセス自体の関わってくれてる人や、俺らの雰囲気が悪い。とてつもなく居心地が悪かった。家に帰っても、スタジオの感覚が残っていて吐き気がして、精神科にも通ったりして、寝る時には2人の素で笑った顔が浮かぶ。まあ、泣くよね、。最近は、ずっと頭が痛いし、2人のことを第1に考えるようにした。でも、俺も限界かも、w」
「うん。」涼ちゃんが、下を向いた。
若井は中学から雰囲気に敏感で、すごくその場にあった対応をしていて、人気だった。その敏感差が大人になって、酷くなった。と二十歳ぐらいに聞いた事があった。
若井にとってはこの空間すらが、地獄ですごく耳鳴りがあると言った。涼ちゃんは少しでも和らげようと、電気を豆電から通常に戻した。
「俺はこれぐらい。2人に言えて良かった!ちょっと気が楽だ、。」
「じゃあ次は僕ね。」
2番手は涼ちゃんだった。目を閉じながら一呼吸置いた後口が開いた。
「僕は…、ミセス団体としてもっとお互いを頼って、楽しく笑い合いながら気楽に出来たらなって思うな。若井も言ってたけどあの日以来、素で笑ったこと無いなって。常日頃みんな表では笑ってるけど内面は泣いてると思うんだ。元貴についていけない悔しさもあるけど、自分が足りないからってみんな思ってる。これは元貴だけじゃないよ?みんなお互いの些細な言葉で自分を追い詰めるしかなくなってるんだよ。 」
涼ちゃんが言った言葉は誰にでも突き刺さるだろう。と思うぐらいに繊細に話してくれた。
「確かに」と頷く若井を見つめただけで、僕は何も出来なかった。
だけど、涼ちゃんの言葉。何時もよりも重みがあった。何時もなら全然着き刺さらないことを言う人だけど、今回は違う。今まで貯めてきた、心の叫びなんだろう。そう思った。そう思うしかなかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!