コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「テツくんどーん!」
わたしはそう言ってテツくんに後ろからタックルする。
「うわぁっ、今俺超絶幸せになった。
ありがとね」
「・ω・」
思ってた反応とチガウ…
ただ喜ばれて終わった。
なんでー?
テツくんなら
「ドゥワァっ!!」
って大きいリアクション来ると思ったのに…
「えーテツいいなぁ…
俺にもパンチちょーだい」
「あ!バカにしてる!ぜったい!」
「そんなそんな〜w
弱っちくて可愛いとか思ってないよ〜」
「全部言ってる!!」
ちょいちょいデリカシー無いんだから…
「ねー思ってないから腕相撲しよ」
「絶対思ってるだろうけど…
腕相撲は楽しそうだからいいよ」
「じゃあ俺の机でやるか」
「クラス入って大丈夫?」
「バレねぇだろ」
…まあ今昼休みで先生いないしいっかぁ。
わたしはリトくんと向き合う形で座る。
「どっちの手がいい?」
「みぎ!」
「よっしゃ!かかってこい!」
「ほい!」
「えっ、手ぇちっさくね?」
「いいから早く!」
「え、握って大丈夫?」
「え…握り潰すのはやめてね…?」
「じゃあいくよ?
レディー…ファイト!」
テツくんがそういう。
その瞬間、戦いの火蓋が切って落とされた。
「んんん!!」
「おっ、意外と強いじゃん」
わたしの腕が震える。
なにこれ石?
「あれえー?
ぼく今力入れてないんですけど〜?w」
「ふっ…くぁ…!!」
煽られて悔しいよ〜泣
でも抵抗できないのも事実。
「あぁ〜負けそう負けそう…w」
「あーむかつく!!」
こうなったら…!
「…リトくんおねがい…
まけてぇ…🥺」
わたしの渾身の捨て犬顔。
どーだっ!
「…」
するとリトくんの腕の力がどんどん抜けていって、手の甲がこつんと机についた。
「やったー!勝った勝った〜」
「え、リトくんひよちゃんにチョロすぎない?」
「だってかわいかったんだもん…」
だよねえ…
みんなわたしのかわいいムーブにチョロいんだから…
しってるよぉ…w
「でもああいう顔してたらさ、
こう…ぎゅっとやってぐってして
食べてやりたくなるよね…」
「え…(命の危機を感じる)」
「ごめんリトくん…
それは俺もちょっと怖いかも…」
「こわいです…」
・・・
「ねー、昼休みリトと手ぇ繋いだでしょ」
「???
腕相撲ならしましたけど…」
「それが駄目なの!!」
ライくん達に怒られ中。
なんで私が怒られてんの。
「…あの、か、間接…のときも思ったけど、
わたし悪くないときに怒られるのなんで…」
「間接キスのはさ、ロウに一口あげるのも駄目なんだよ」
「えっなんで?」
「絶対にだめ。これからはしない」
「えー…」
「で、リトのやつは断りなさい」
「だってリトくんが提案してきました〜」
「うん。だから断りなって」
「佐伯は黙って見とったんか?」
「審判やってくれてた」
「審判いらんやろ…
どうせ宇佐美の勝ちやん」
「いやいや、ちゃんと勝ちましたー!」
「はっ勝ったん!?どやって?」
「カゲツくんにはできないやつ〜
ていうかカゲツくんにも使えるやつ」
「どういうのどういうの」
「この顔」
そう言って上目遣いで皆を見る。
「あ〜これは負ける…」
「ていうか負けてってお願いされたら
負けてあげたくなっちゃうもん」
「ほんっとに皆わたしのこと猫かわいがりしてるんだから〜…」
まあとりあえずこれで腕相撲全員に勝ったな。
楽勝…!
「ていうか話逸れてるけど駄目だからね」
「なんで〜?
いいじゃん腕相撲くらいの接触は」
「俺らともできるの?」
「できるけどしたくない。
もう飽きちゃった、
ていうか勝てることわかってるし」
「うわ〜もったいねぇ…
1回のチャンスだったのか…」
「どんまい」
・・・
「僕も腕相撲したかったな〜」
「テツは手握れないだろw」
「手くらい握れるから!!」
「いやぁでも、比喩とかじゃなくて
赤子の手を捻るようだったなぁ」
「いや、負けてたけどね」
「負けたけど、あれはハンデやってるだけっていうかぁ」
「真剣勝負してあげなよ」
「真剣にやったら腕潰しちゃうもん」
「悲しきモンスターじゃん…」