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wrwrd軍パロ
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【rbr視点】
霧のように薄い冷気が士官学校の寮舎を包む。
午前四時の廊下は、誰もいないはずなのに、木製の床がわずかに軋む音だけが響いていた。
rbrは目を覚ました。また、うなされながら同じ夢を見ていた。
炎に包まれた家、叫ぶ声、そして遠くに揺れる黒い影――消耗しきっていた自分の手を握る謎の軍人の姿。
rbr「……またか」
息を吐きながら、rbrは身支度を整え、朝の訓練へと向かった。
誰も起きていない廊下を抜け、屋上に足を踏み入れると、淡い朝の光が差し込む。
sho「遅いやんrbr」
笑い声が響いた。shoがパンを片手に、肩を揺らして立っていた。
rbr「え、それ…」
sho「あーこれな。さっき食堂から盗ってきた」
さもパンを盗むことが当たり前かのように言うshoに苦笑する。
sho「うげー…今日のパンあんま美味しくない。なんか硬いし変な味するから残り全部rbrにあげる」
rbr「いや要らんわ!」
冗談を言える相手がいること、それだけでも少し安心できる朝だった。
しかし、その場の空気はいつもとは違った。
遠くから響くベルの音。士官学校の掲示板に、赤い文字で一斉に貼り出された通知――
『特務課選抜試験、全候補生は即時集合せよ』
shoの目が輝いた。
sho「ついに来たんやな、特務課だって!!」
そう___今日は大事な選抜試験の日だ。
朝から何やら特務課の候補生たちがそわそわしていたのも、これがあるため。
正直、朝食前の試験は力もあまり入らないし気が重いけど。
特務課選抜試験の選抜基準はかなり高く、合気道や射撃の腕前、危機管理意識、判断力そして思考力などが求められる。
特務課の場合、この試験を突破しなければ、最高学年である4学年へあがれない。
4学年からは実践形式の訓練が本格的に始まり、時には危険が伴うこともあるからだ。
rbr「留年だけはごめんだな」
講堂のざわめきが収まる間もなく、候補生たちは急ぎ足で訓練場へと導かれた。
試験の内容は大きく分けて3つあった。
1つ目は、射撃。
2つ目は、情報分析(暗号解読)。
3つ目は、チーム行動。
−射撃−
rbrは冷静に狙いを定め、標的を正確に撃ち抜いた。
隣のshoは、まるで遊ぶかのように軽やかに的を撃つが、表情の奥に一瞬だけ迷いが走るのが分かった。
−暗号解読−
候補生たちは、紙に書かれた暗号を解読する。
誰もが手こずる中、shoだけはスラスラと文字を追い、意味を理解していく。
rbr「これ…敵国の古い通信符号じゃ…」
小声でrbrが呟くが、周りが気づく気配はなかった。
rbrはshoの筆の速さに目を見張りつつ、何かが突っかかるような感覚さえもあった。
rbr「なんでshoは……??」
疑問は胸の奥で静かに膨らんでいく。
−チーム行動−
最後はチーム戦の課題。
候補生たちは2人一組に分かれ、情報収集や簡単な潜入訓練を行う。
rbr&shoのチームは、今までの試験内容について軽く話をした。
rbr「それにしても、shoって暗号解読とか得意なんやね。初めて知ったわ」
sho「え」
rbr「めっちゃスラスラ解いてたやん。俺ですら難しかったのに」
sho「…まあ、昔ちょっとだけ見たことあってん、」
rbr「ふーん…、」
「触れてほしくない」とでも言うかのようなshoの口ぶりに、どこか違和感を覚える。
sho「そんなことより、今の試験に集中しよか。確か、資料室に行く必要があったな」
ほら、やっぱり。
話逸らそうとしてる。
だけど、これ以上深くは追及しなかった。
−試験終了−
教官「これで、全ての試験が終了した。合否は明日出るから各自必ず確認するように。以上だ」
教官が短く淡々とした口調で言い終えると、候補生たちは再び好き勝手お喋りを始める。
あまりの出来の悪さに落胆している生徒も、合格を確信し喜んだ顔を見せる生徒もいた。
sho「どうやった?rbr」
rbr「五分五分」
sho「全く同じ。射撃が思ったより上手くできんかった」
rbr「まあでも、合格の自信くらいはある」
sho「おっ、ええやん。これで落ちてたらクソダサいけどねw」
rbr「そん時はそん時や!」
選抜試験の実施でいつもより少し遅めの朝食をとり、rbrとshoは寮舎へ戻っていた。
薄曇りの空は、まだ晴れない。
細い雨粒が、あちこちで地面の窪みに溜まっていく。次第に雨足は強まり、目の前の白線を滲ませていった。
rbr「ね、気になったことがあるんだけどさ、聞いてもいい?」
sho「なに?」
rbr「暗号解読、なんであんなに手馴れてたん?」
sho「…それは、その」
rbr「何か理由があるなら教えてほしい」
sho「……」
rbr「俺、あの暗号の意味はよう分からんかったけど、あれ、敵国の通信符号なんじゃないかって、思ってて…」
sho「…だったら、何、?」
まるで何かを探るようなrbrの問いかけに、shoは眉をひそめる。
rbr「別に疑ってるわけじゃない、だけど…」
sho「それ聞くってことはさ、疑ってるってことやんな?」
rbr「違う、けど、…」
shoは不敵な笑みを浮かべた。
sho「最近物騒だからなぁ?この学校にもスパイがいるとかいないとか噂になってるぜ」
rbr「…そうなの?」
sho「何やお前、そんなことも知らずに言ってたん?w」
rbr「だとしても、shoは、スパイちゃうやろ…??絶対」
声が震え始めた。まさか、と色々な想像を巡らせてしまう自分がどうしようもなく嫌いだ。
友達なのに。
sho「…さあ、どうだろうな?」
「もしかしたら本当に俺の正体は敵国からのスパイで、お前と2人きりになれるこの瞬間をずっと待ち望んでていきなりナイフ取り出してお前をグサリ…____」
sho「___なんて、あるわけないやろw」
rbr「………は???」
sho「rbrの反応がめっちゃおもろいからちょっと調子乗ったwwwゴメソwww」
rbr「……💢💢💢💢」
sho「まあまあそうピキんなって笑」
「ただ、この学校内にスパイがいるって噂は本当に流れてる」
rbr「所詮ただの噂やろ。そんな根拠のない話、信じるに値しない」
sho「そうそう、所詮はただの噂話。信じなくたっていい___」
rbr「……それより、ほら、さっきの暗号解読、shoは何で手馴れてたんか教えてや。それに、あれの解き方教えてほしいし」
sho「暗号解読?あぁ、あれはまあ、前に本で読んだ事があるやつだったから」
rbr「どんな本?」
sho「タイトル忘れたけど、外国の歴史がメインで載ってる本かな」
rbr「ほーん…(本だけに)」
sho「あ、信じてないやろ笑」
rbr「別に、……」
sho「へー。ま、そういうことにしといてあげるわ」
rbr「なんでそう上からなん」
shoの嘘に、rbrは気づけなかった。
rbrは昔から他人の些細な変化に気づくことが苦手であった。
それは自分に自信がないせいかもしれないし、shoの演技が巧みだったせいかもしれないけれど。
寮の窓ガラスが風雨を弾き、外では低く雷鳴が唸っていた。
shoの目は、どこか遠くを見ているようだった。
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ほーん。本だけに。
( ᐛ👐)パァ