チェウォン 「あの頃はね、離れるしかないんだってずっと思ってて、それしか考えてなかった。
でも…そうじゃない道だってきっとある。昔よりも歳を重ねた恋なら、幸せになれる方法を、きっと多く身につけたはず」
ルア 「えっと、?」
チェウォン 「…ふふ。まぁ、グクを幸せにしてあげてってことです。元カノヅラみたいこと言っちゃってごめんね?笑」
てへへ、と舌を出しながら
チェウォンさんはそう言った。
ルア 「あの…すみませんチェウォンさん。
私…別にグクが好きなわけじゃ、。」
チェウォン 「え?グクと私の関係が気になってここまで来るくらいなのに? 」
ルア 「っ…」
確かに、気になった。
あの写真を見てから、それを忘れることだけを考えるぐらい、一日中モヤモヤした。
でも、私の彼に対しての気持ちは、推し、憧れ、そんな決してやましい気持ちは含まれていないと自負している。
…いや、していた。彼に直接会うまでは。
ルア 「…今は、この気持ちがなんなのかまだよくわからないです。でも、このままでいいと思っています」
チェウォン 「どうして?」
ルア 「わかったら、一緒にいられな、く…」
わかったら一緒にいられない気持ち…?
それって…
チェウォン 「…気持ちに蓋は良くない。何事にも素直に真摯に向き合いましょう。そうすれば、必ず幸運が舞ってきます 」
チェウォンさんの手が
私の握り締めていた両手を優しく包む。
チェウォン 「朝、占い番組で言ってた。
ルアちゃん、何座? 」
ルア 「えと、山羊(やぎ)座です。」
チェウォン 「本当!?じゃあ、その言葉…そのまんまルアちゃんにあげる!私の言葉じゃないけど、笑」
チェウォン 「山羊座の人向けのアドバイスだって。私も山羊座だから覚えてたの、笑。あ!そういえば、髪を切るのも良いって言ってたから、来てくれたついでに切ってあげる!」
ルア 「そんな…。私、お茶まで出してもらったのに、そこまでしてもらうなんて悪いです。お金も無いですし…」
チェウォン 「お金なんて一銭もいりません!今は営業 も終了して、ガチガチのプライベートなので。そこで私が誰の髪を切ろうが私の勝手です…!」
早口でそうまくしたてながら、チェウォンさんに背中を押された。
気づくと椅子に座らされ、更に気づくとカウンセリング用のメモ用紙とペンらしきものを構えたチェウォンさんが後ろにいた。
ルア 「ぷっ…あははっ」
チェウォン 「ルアちゃん、?」
ルア 「なんか…チェウォンさんと話してたら、悩みなんて吹っ飛んでしまいそうです。…また来てもいいですか?」
チェウォン 「オンニって呼んでくれたらいいわよ!」
ルア 「えぇ…ハードル高いです、」
チェウォン 「じゃあ出禁です。お帰りください」
ルア 「ふふっ。えっと、えぇ…チェウォンオンニ」
チェウォン 「よろしい!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
チェウォン 「さ、どう?今流行りのレイヤーで顔周りはルアちゃんの骨格に合うように整えてみたけど…」
ルア 「過去一です…!絶対絶対また来ますオンニ!」
チェウォン 「あー…可愛い。返したくない。あんな獣達の巣窟になんて」
ルア 「獣って…笑」
プルルルル
プルルルル
プルルルル
ルア 「あ、私です。すみません…」
チェウォン 「どうぞどうぞー」
私はオンニに会釈して電話に出た。
📞ルア 「ヨボセヨ?テヒョンオッパ」
📞テヒョン 「ルア!?帰るの遅くない!?ナムジュニヒョンからチェウォンヌナの所に行ってるって聞いたけどさ、。大丈夫?道に迷って帰れなくなってたり…」
📞ルア 「だ、大丈夫ですッ…!心配かけてごめんなさい。今から帰ります」
📞テヒョン 「あーダメ!もう遅いから迎えに行く! ヌナの所から動かないで…!」
ツーツーツー…
チェウォン 「ふふ、テヒョン?」
ルア 「あ、はい…」
チェウォン 「よっぽどルアちゃんのことが気に入ったのね、あの子は」
ルア 「え…?」
チェウォン 「私にはそんな過保護じゃなかっなもの。抱かれたことすらなかったし」
ルア 「えぇ!?」
こんなに魅力的な人を
合法的に抱けるっていうのに。
テヒョンオッパ…なんて無駄なことを。
チェウォン 「あの子は興味があるものないものがハッキリしてるからね。んーまぁ確かに…ルアちゃんはテヒョンが好きそう!」
ルア 「そ、そんなこと…//」
チェウォン 「表情がコロコロ変わるところとか、目が離せないところが堪らない〜って感じなんでしょうね、恐らく」
ドンドンドンッ
チェウォン 「あ、王子様がお迎えよお姫様」
ルア 「もー…やめてくださいよオンニ」
チェウォン 「ごめんごめん、笑」
ドンドンドンッ!!!
チェウォン 「ふはっ、やばいやばい。
王子様が暴れてる。急げ急げ!」
ルア 「は、はい!本当、色々ありがとうございました。また来た時はよろしくお願いします!」
チェウォン 「はいよ〜おやすみ」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ルア 「ごめんなさいオッパ、心配かけーー」
私の言葉を遮って
大きな体が私を包んだ。
テヒョン 「無事で良かった。
顔見たら安心しちゃった…笑」
綻んだ優しい笑みを零す彼に、
子どもみたいに笑う普段とのギャップを感じた。
胸が締めつけられたようにギュッと痛くなった。
温かすぎる温もりは、ずっと一人だった頃を思い出させるから、余計に辛くなるということを、お父様に拾われたあの日知った。
テヒョン 「ルア…?どうかした?」
ルア 「…私、絶対誰も好きになりません」
テヒョン 「ルア…?」
ルア 「私、皆と一緒に…いつまでも、一緒にいたいから。だから…好きに、ならない、ならない、絶対に」
しょっぱい味に体がビクつき、
涙を流していたということに気がついた。
それと同時に、テヒョンに腕を引かれた。
ルア 「オ、ッパ…?」
オッパが乗ってきたであろう、
高そうな車の後部座席に押し倒される。
テヒョン 「ルアが俺達のことを好きになった時は、ルアは辞めなきゃいけないよね」
ルア 「う、うん…ッ」
テヒョン 「…じゃあ、俺がルアを好きになった時はどうすればいい?」
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続きみたいです!!!!!!!!!!!!!!