テラーノベル
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トモエが自分に割り当てられた部屋の前に来ると、髪を一重の三つ編みにしたトワノが満面の笑みを顔に浮かべて駆け寄って来た。
「お帰り、トモエちゃん。大変だったでしょ、急なお葬式で」
トモエはぺこりと頭を下げて答えた。
「はい、今戻ったとこです。ええと……御法坂(みのりざか)さんでしたよね?」
トワノは掌を顔の前でぶんぶん横に振りながら言った。
「トワノでいいよ。それにタメグチでいいって。あたしたち同い年なんだから」
トモエがドアノブを手で回そうとすると、ロックされていた。トワノが作業服のポケットから何かを取り出してトモエに言った。
「ああ、忘れてた。これがトモエちゃんの部屋の鍵ね」
そう言われて渡されたのは、何とも古めかしいやけに大きな鍵だった。戦前の時代に使われていたような、トモエが古いテレビドラマでしか見た事のないような武骨な金属の鍵だった。
トモエはドアノブの穴に鍵を差し込んだが、全く鍵が回らなかった。
「あれ?」
トモエが戸惑った声を上げると、トワノが笑いながら言った。
「使い方説明するね。ほら、ドアの横にトモエちゃんの名札が下がってるでしょ?」
そう言われてドアのすぐ横を見ると、表面に「トモエ」と書かれたプラスチックの白い札が掛かっていた。トワノがその名札の下に指をかけて上にずらすと名札の下に隠れていた金属製の小さな四角い板のような物が見えた。
トワノがトモエの手を取り、鍵をその板の上にかざさせた。するとドアノブから「カチャリ」という音がした。トモエがドアノブに手をかけて回すとすんなりドアが開いた。
「え? トワノちゃん、何これ?」
トワノは自慢そうな顔で答えた。
「その鍵は鍵の形してるけど、それは見せかけ。名札の下の隠れてる板みたいなのが電子センサー。そこに鍵をあてるとロックが解除されるんだ。要するに電子キー」
トモエは手の中の骨董品のような鍵をまじまじと見つめながら言った。
「え? この古めかしい鍵が電子キー? どうしてこんな手の込んだ事する必要があるの?」
トワノはますます自慢げな笑みを浮かべてトモエに言った。
「鍵とドアノブがそういう形してれば、たいていの人は差し込む物だと思うよね。万が一誰かに鍵を盗られても、これを知らなきゃ開けられない。このシステム、あたしが開発したんだよ」
「へえ! トワノちゃんってこういうの作れるんだ。ハイテク~」
「まだまだ驚く事いっぱいあるからね。じゃ、また後で」
廊下を歩み去って行くトワノの背中を見つめながら、トモエは改めて自分が普通でない世界に足を踏み入れて事を実感した。
コメント
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トワノちゃん、いいキャラしてる〜😊 初対面なのにタメ口でいいよって言ってくれて、しかも「このシステム開発したんだよ」って自慢げに説明するところ、めちゃくちゃ可愛い。古めかしい鍵が実は電子キーっていう仕掛けも、この世界の「普通じゃなさ」を象徴しててグッと来た。トモエちゃんが「ハイテク〜」って素直に驚いてるところもほっこりする✨ 2人の距離がこれからどう縮まっていくのか、続きが楽しみだな〜!