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とりまお試しで書いていきますぅ〜
酔いつぶれたドイツさんのお話
ドイツがキャラ崩壊しすぎてまずいです、ご了承くださいませ
国際会議が終わった夜、各国首脳が一堂に会する懇親パーティーが開かれていた。
煌びやかなシャンデリア、香る料理、笑い声とグラスの音。
しかし、その場に一人だけ頑なにグラスを持たない男がいた。
「……俺は、酒は飲まない主義だ」
背筋をピンと伸ばし、規律の塊のような堅物……ドイツである。
彼は料理の横に置かれたジョッキに目を落としつつ、無表情で言い切った。
「ドイツ〜!飲もうよ飲もうよ〜!」
隣でイタリアがワインを掲げる。
「せっかくのパーティーだよ?楽しくやろ〜?」
「……駄目だ。俺は昔から酒癖が悪いと、兄に止められていたからな、」
ドイツは低い声で応える。
「自覚があるからこそ、手を出すべきではないだろう…」
真面目そのものの返答。
だが周りはにやにや笑いながらグラスを掲げている。
「真面目すぎるんだよ、ドイツ!」
「そうそう、ちょっとくらい羽目外さないと!」
「大丈夫だって〜!今日は宴なんだから!」
そんな声が次々と飛んでくる。
ドイツは眉をひそめたが、ふとテーブルの上のジョッキに目をやった。
黄金色に輝くビール。
泡が細かく立ち上り、涼やかな香りが鼻をくすぐる。
…喉がごくりと鳴った。
「……少しくらいなら、大丈夫だろう」
その一言を呟き、ドイツはジョッキを手に取った。
次の瞬間…ごくごくと豪快に飲み干していた。
「……っはあ!」
飲み終えた顔に浮かぶ笑み。
「やはりビールは格別だな!」
その笑顔に、周囲の各国は一瞬固まった。
イタリアだけが
「やった〜!ドイツも飲んだ〜!」
と拍手していた。
最初はご機嫌な様子だった。
ドイツは
「うむ、ビールは良い。まったく素晴らしい」と笑い、料理を頬張っていた。
だが二杯目を飲んだあたりから、雲行きが怪しくなる。
「なぁ……お前らぁ……」
ドイツが隣にいたフランスとイギリスにぐいと肩を組んだ。
「ほんとは仲良いだろぉぉ?なぁ?ん?」
「な、何を言っているんですか!?」
イギリスが真っ赤になって怒鳴る。
「放してください!私は英国紳士です!」
「おやおや?」
フランスはにやりと笑った。
「やっと理性の仮面が外れましたねぇ?もっと絡んでいいんだよぉ?ドイツ?」
「うひゃははは!やっぱ仲良しじゃないかぁぁぁ!!」
ドイツが二人の肩をぎゅうぎゅう締め上げる。
イギリスは苦悶の声を上げ、フランスはわざとらしく喜んでみせる。
その様子に周囲はざわついた。
「お、おい……ドイツが笑ってるぞ」
「やべぇ、あれ完全に酔ってるだろ」
「兄貴に止められてたって、マジだったんだな……」
さらに三杯目。
ドイツの目が潤み、顔が真っ赤になってきた。
「俺だってなぁ……!真面目でいるの、疲れるんだよぉぉ!!」
ドイツは唐突に泣き叫び、テーブルに突っ伏した。
「規律がぁぁ!時間がぁぁ!全部ぅぅ!俺が守らなきゃぁぁ!!」
「ド、ドイツ〜!?大丈夫!?ほら落ち着いてぇぇ!」
イタリアが慌ててドイツの頭を抱え込む。
「ね?大丈夫だから!泣かないで!」
「イタリアぁぁぁ……お前だけは優しいなぁぁぁ!!」
ぐしゃぐしゃに泣きながら、ドイツはイタリアに抱きついた。
イタリアは「ひゃぁぁ!」と悲鳴を上げつつ、必死に宥める。
その光景に、各国は絶望した。
「おいおいおい……やべぇぞ」
「これは……大変なことになったな」
「兄(ナチス)、よく止めてたな……」
「つーか止められるわけねーだろこれ……」
会場は一気に騒然となっていった
「なぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドイツは突如立ち上がり、ジョッキを振り回した。
「聞けぇぇ!俺の歌を聞けぇぇ!!」
会場が一瞬シンとする。
そして…
「Einigkeit und Recht und Freiheit――ッ!!!」
ドイツ国歌を全力熱唱し始めた。
声量がすさまじく、シャンデリアが揺れる。
隣のテーブルのワイングラスは共鳴して割れ、イタリアが「ひぃぃ!」と叫んだ。
「……マジかよ」
「国歌シャウト……?」
「ヤバい、天井落ちるぞ……!」
各国の顔色が青ざめる中、ドイツは涙目で歌い続ける。
「おれはぁぁぁぁあああ!!真面目に!頑張ってきたんだぁぁああああ!!」
最後は絶叫混じりに崩れ落ち、テーブルに突っ伏した。
肩を震わせ、すすり泣きが響く。
「ドイツ〜!?ねぇドイツ〜!!」
イタリアが慌てて背中をさすった。
「もう飲まないでぇぇ!落ち着いてぇ!」
「イタリアぁぁぁ……!」
涙でぐしゃぐしゃの顔をあげるドイツ。
「お前は……パスタばっかり作るけどぉ……でも、優しいぃぃ!!」
「そ、そんなこと言われても〜!ドイツが重いよぉ!」
イタリアの肩に顔を埋め、号泣するドイツ。
その光景に周囲は凍りついていた。
だが…混乱はまだ始まったばかりだった。
「おいフランスぅぅぅ!!」
ドイツが涙を拭って立ち上がると、ふらふらとフランスに近づいた。
「お前はぁぁ!色気ばっかでぇぇ!規律違反だぁぁ!!」
「Oh la la♡ 罵倒も甘美ですねぇ〜!」
フランスはわざとらしくウィンクを飛ばす。
「もっと絡んでえ〜?真面目ちゃーん?」
「ふざけるなぁぁぁ!!」
ドイツはフランスに抱きつき、揺さぶり始めた。
「真面目にしろぉぉ!!」
「は、離しなさい!!!」
イギリスが止めようと割り込む。
「いい加減にしなさい!この酔っぱらいが!!」
「イギリスぅぅぅ!!!」
次の瞬間、ドイツはイギリスにまで抱きついた。
「お前はぁぁ!紅茶ばっか飲んでるんじゃねぇぇ!!!」
「や、やめろぉぉ!!紳士に触るんじゃありません!!」
イギリスの悲鳴がホールに響き渡る。
その様子を見ていた他国たち。
「……おい」
「大変なことになったな」
「これ、第三次世界大戦よりやばいだろ……」
スペインは頭を抱え、ロシアは無言でウォッカを開けていた。
だが…プロイセンだけは爆笑していた。
「俺の従兄弟サイコー!!もっとやれぇぇ!!!」
場はすでに地獄絵図だった。
歌う、泣く、笑う、絡む、説教する。
真面目堅物の仮面をかなぐり捨て、ドイツは大暴走していた。
そして、イタリアは涙目で必死にドイツを抱き止めながら叫ぶ。
「た、助けてぇぇ!!誰かぁぁぁ!!!」
「ドイツ!!」
イタリアが必死に駆け寄り、背中にしがみつく。
「もうやめてぇぇ!落ち着いてぇ!」
「イタリアぁぁぁ……!」
ドイツが振り返り、目に涙を浮かべる。
「お前はぁぁ!パスタばっかだがぁぁ!でもぉ!お前だけが俺を褒めてくれるぅぅ!!」
号泣しながら、イタリアをぎゅっと抱きしめた。
イタリアは真っ赤になりながら
「く、苦しいよぉぉぉ!」と必死に叫ぶ。
…その頃、会場の片隅では…
「……なあ」
「これ、放っといたらどうなる?」
「世界が滅ぶ」
スペインと中国が真顔で囁き合っていた。
ロシアはウォッカを飲みながら不気味に微笑んだ。
「……崩壊する国を見るのは楽しいよな。
…でも、これは……ちょっと笑えない…」
プロイセンだけは腹を抱えて爆笑していた。
「ドイツゥゥ!!最高だぞぉぉ!!もっとやれぇぇ!!!」
ドイツは急に机の上に立ち、ぐるぐる回り出した。
「わぁぁぁ!もう疲れたぁぁぁ!!」
そして勢い余ってテーブルに穴があく。
皿もグラスも床に散乱し、イギリスが
「やめろぉぉぉ!!」と絶叫した。
「……これ以上は本当にまずいな」
「誰か止めろ!」
「いや無理だ、止めたら命がけだ」
…各国の目が一斉にイタリアに集まる。
「……え?ええ!?io!?え!?え?!」
イタリアは涙目でドイツを見上げた。
「む、無理だよぉぉ!ドイツが怪獣みたいだよぉぉ!」
「うわあああん!!!」
ドイツは最後の力を振り絞り、会場のど真ん中で泣き叫んだ。
「兄さぁぁぁん!!もう疲れたんだよぉぉぉ!!」
これが社畜の波の果てともいうのか…
ドイツという国の威厳も規律も、すべて酒と涙で流れ落ちていた。
「ドイツ〜!!」
イタリアが必死で抱きつく。
「もうやめよう!?ほら、寝よ!?今日はもうおしまいだよぉ!」
「でもぉぉ……!」
ドイツはしゃくりあげながらイタリアの胸に顔を埋める。
「まだビールが……飲みたい……」
「だめぇぇぇ!!!」
イタリアは涙目でジョッキを取り上げ、必死に床へと隠した。
「ほら、ね?ドイツ、ioがそばにいるから……!」
やがて泣き疲れたのか、ドイツの身体から力が抜けていった。
そのままイタリアの膝の上にごろんと寝転び、ぐぅぐぅと寝息を立て始める。
「……はぁぁぁ……」
イタリアは大きくため息をついた。
「大変だったよぉ……でも寝てくれてよかったぁ……」
会場を見渡せば、すでに地獄絵図だった。
倒れたテーブル、割れたグラス、散乱する料理。
被害者のイギリスとフランスはソファにぐったり倒れている。
「……」
「……なあ」
「……これ、次からどうする?」
スペイン、中国、ロシアらが真顔で集まる。
「二度と飲ませるな」
「マジで」
「うん、ほんと」
その結論に、全員が深刻な頷きを見せた。
「……あれを毎回止めてた兄(ナチス)は、やっぱり化け物だったんですね…」
イギリスがかすれ声で呟いた。
「逆に尊敬だわぁ、」
フランスはぐったりしながらも、薄笑いを浮かべる。
そしてイタリアだけが、ドイツの寝顔を見つめながら小さく微笑んだ。
「……ドイツ、頑張ってるんだね…
でも無理はしないでよ、」
翌朝。
ドイツは重たい頭を押さえながら目を覚ました。
「……うぅ……頭が割れる……」
ベッドの横には、青い顔で座り込んでいるイタリアがいた。
「おはよ〜……ドイツ」
「イタリア……? 昨日俺は……」
問いかけると、イタリアはぶんぶんと首を振った。
「う、ううん!なんでもないよ!……ただ、すごく大変だったけど」
その声には疲労が滲んでいた。
ふと視線を動かせば、部屋の入口に立つ各国の姿。
誰もが恐怖と絶望の入り混じった目でドイツを見ていた。
「……二度と飲ませない」
「満場一致だ」
「異論は認めない」
淡々と告げられた言葉に、ドイツは口をつぐむ。
やがて小さく呟いた。
「……ごめん…」
だが机の上には…昨夜の宴からこっそり持ち帰られた、一本のビール瓶。
ドイツはじっとそれを見つめ、ほんの少しだけ笑った。
「……また飲みたいな……少しだけなら」
その声は、誰にも聞こえないほど小さかったのでした。
とんでもないキャラ崩壊…疲れてたんだね、ドイツさん(?)
深夜テンションですのでお許しください、
私だってキャラは守りたかったですよ、欲が抑えられなかっただけです
ドイイタ?イタドイ?ぽくなりましたね、
ドイイタと独日しかドイツ関連は書けないのが悩みです、
読むのは大好きなんだけどね、
それでは!いい夜をお過ごしください!!
【設定みたいなもん】
ドイツのお兄さんはナチスさん
ドイツの従兄弟は神聖ローマ帝国とプロイセンです。2人とナチスは一線を退いているので、ドイツの補佐をしたり、一緒に食事をしたりしています。
基本私のお部屋にはナチス兄さんしかでてきませんね、
書きたくなったら書きますが、
…なにも、酒癖が悪いのはドイツだけではありません。日本さん、日帝さんなど、独家と日家は酒癖が悪かったり、とんでもない酒豪が多いです。
この会議には日本さんも参加していましたが、奥の別会場でアメリカや東南アジアの国々とご飯を食べていたそうです。
イタリアちゃん、本当にお疲れさまですね…自分が書いたものなのですが、不憫でならない…(?)
コメント
13件
くらげちゃん…これはもう文豪だよ…?私小説書けないからめっちゃ尊敬する!
もう常に文豪なんだが..??
いつかドイツと日本の2人に酒飲んでもらって二人一緒に壊れてるところ見てみたい()