シェアする
「あれは、君の成果だ。だから僕のおかげだなどと謙遜をしないで、もっと自分を驕った方がいい」
「自分を驕るのですか?」言葉的にあんまりいい意味合いではないような気がして、チーフへ聞き返した。
「ああ、時には驕ることも大事だ。傲慢になってはならないが、驕りが仕事の成長に繋がることもある。君は仕事が出来るのだから、もっと自身を誇りに思うといい」
矢代チーフからの指摘に、長くコンプレックスを抱えていたこともあって、自分自身をないがしろにしてばかりいたことを、改めて感じた。
「君は、もっと自信を持っていい」
チーフの一言が胸を衝く。
「そうすれば、仕事でもより上へ行けるはずだ」
彼の笑みに、「はい……」と頷いて、
「……それと、私が何より誇りに思うのは、あなたのような人に愛されていることですから」
今伝えたい素直な思いを告げた──。
すると彼は、「まいったな」と、照れたように口にして、
「僕も、君に愛されて、幸せだ」
この人と一緒にいられることを、本当に誇らしく思える言葉が、私へ届いた──。