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2時00分 田中 ゆう
深夜
拝啓16の僕へ お元気ですか。今の僕は元気です。僕は昨日、30歳になったよ。あと、誕生日ついでに群馬に里帰りした。懐かしかったな。僕は東京に今は住んでいて電車で会社に行ってる。あの頃はものすごい都会に思えた高崎が東京に染まっちゃうとここまで田舎に見えて少し寂しい。1時間に2本ある電車に感動してたもんな。東京の方じゃ1本逃してもすぐにまた来る。高校のときの僕に見せてあげたいよ。昔の僕はちょうぜつ子供だったな。今でも忘れない。高校に入学して蒸し暑い夏が終わり、秋が始まりかけたとき未だに忘れることのできない彼女との出会いがあったよね。初めて一目惚れってやつをした。彼女に近づこうとしてひたすら考えてたよな。あれ、初めて話しかけたのっていつだっけ。もう忘れちゃったや。今でも楽しかった気持ちが心の隅っこに住みついてる。試行錯誤してどうしたら彼女が僕なんかを好きになってくれるのか馬鹿みたいに考えてたわ。本気で好きになってたね。もう一度、高橋さんに会いたい。そしたらこんな未来は変わってたかな。あの文化祭の日、彼女と僕は、
